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科捜研とは ~科捜研のおしごと・1~

科学捜査研究所・・・略称『科捜研(かそうけん)』。

最近、様々なドラマや映画、小説などで目耳にする『科捜研』の実際の仕事はどのようなものか?
18年間、茨城県警の科捜研に勤務した私が、
時折ではありますが、そのリアルな姿を紹介してゆきたいと思います。

今回はその第1回目。
科捜研の概要と、
科捜研へ鑑定が依頼されるまでを簡単にお話しします。

科捜研とは、各都道府県警察に存在する部署の一つで、
「科学的手法をもって物的証拠を解析する」
ことがその主な仕事となっています。

私が勤務していた科捜研は正式には
『茨城県警察本部刑事部科学捜査研究所』
と呼ばれ、刑事部に所属します。

しかし刑事関連の仕事(殺人・暴行・性犯罪・窃盗など)だけを取り扱うのではなく、交通関連(交通事故・ひき逃げなど)など、他の部署の鑑定も行います。
つまり、その都道府県で発生する事件・事故の全てが仕事の対象になるのです。

科捜研における鑑定業務は、まずは鑑定を依頼されることから始まります。
誰から依頼されるかというと、「警察官」からです(例外アリ)。

『鑑定嘱託書(かんていしょくたくしょ)』
という書類とともに
『鑑定資料(かんていしりょう)』
が科捜研に持ち込まれます。

鑑定資料というのは、
事件・事故の現場や、関係者の身辺から警察官が採取した証拠物などで、
それらについて鑑定が依頼される場合に、
それらは「鑑定資料」と呼ばれます。

そして、鑑定資料について、
◎どのような鑑定をしてもらいたいのか
◎どのように採取されたものなのか
◎事件の概要
などが記された鑑定依頼の為の書類が「鑑定嘱託書」で、通常はその事件事故の管轄警察署の署長名で作成されています。

こうして科捜研に持ち込まれた「鑑定資料」と「鑑定嘱託書」は、受付担当の者によって、鑑定内容に応じた研究室(係)へと受け渡されるのです。

そして鑑定が始まってゆきます。

今回はここまで。
ザクっとではありますが、科捜研という機関の全体像を感じて頂けましたでしょうか?

科捜研の職員は日々膨大な鑑定業務に追いまくられながら頑張っています。
今この瞬間も。

時折記す私の投稿が、彼らへの理解と応援に繋がれば本当に嬉しく思います。

2022年6月27日
小幡良祐

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