アレンジの時代性⑤

今のサウンドの一つの源流点は小室さんだと思いますが、やはりこの方を抜きに今のJ-POPを語ることは出来ないでしょう。

宇多田ヒカルさんです。

いまさら語るような話ではありませんが、明らかにそれまでの音楽からすれば、異質なものだったでしょうから。

それまでのJ-POPも、間違いなく洋楽の影響を受けてはいましたが、どちらかというと、洋楽のある部分を切り出し、「あ、これいいね」という感じで、どちらかというと部分的に「借りてきた」、という表現の方が適切だったのに対し、洋楽的な要素を先天的に持っている曲が突然出現したような感じだと思います。

でタイミングも良かったと思うんですよ。人それぞれ見解は違うと思いますが、2000年代になってから洋楽に大きな変化はないというのが自分の考えです。「停滞」と言ってもいいかもしれません。

で、出現が98年だったと思いますから、ほぼほぼピークに達した状態の洋楽が体に詰まっている状態で出てきたので、インパクトは絶大だったでしょう。

実際にこの辺りから、J-POPが変わったというのは良く言われる話ですが、変わったと言っている方たち、人それぞれ言っていることが違うのも凄いのでは、と思っています。

的外れなことを言っている方もいるかもしれませんが、普通に考えると、全員的外れという可能性は低く、完全に的外れな人もいれば、ある程度的を得た人もいて、かなり的を得た人もいる、と考えるのが普通で、サンプル数が多い訳ですから、その分的を得た人がいる可能性が高い、というのが自然です。

少し、というかかなり話がそれましたが、実際にそういう風に言うミュージシャンが多いのは事実な訳で、実際に小室さんも相当衝撃を受けたようですし、宇多田ヒカルさんの出現以降辺りから、明らかに「古いアレンジ」は淘汰されていったように思えます。

まあ元の作品が変わっていけば、アレンジ自体も変わらざるを得ませんから、そのこと自体は「必然的」なものと言っていいでしょう。

何故宇多田ヒカルさんが転換点となりえたのか、についてはこの後語っていきたいと思います。



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