マガジンのカバー画像

エッセイ

58
運営しているクリエイター

#気持ち

悲しいときこそ筑前煮

悲しいときこそ筑前煮

 年が明けたら夫の実家へ挨拶に伺うのが毎年恒例で、いつも料理上手な義母がテーブルいっぱいに手作りのお節を作って待ってくれていた。今年も楽しみにしながら伺った。

 けれど家族が増えたこともあり今年は仕出のお節だった。もちろん美味しかった。手作りのエビフライも、豚カツもめちゃくちゃ美味しかった。

 だけど私は何よりも筑前煮が食べたかった。亡くなった祖母が元気だった頃、いつも親戚が集まればテーブルい

もっとみる
沈んでは少しずつ浮上する

沈んでは少しずつ浮上する

 年末年始は欲にまみれた怠惰な生活を過ごした。ようやく日常に戻るかと思っていたら祖母が亡くなって沈んだまま日々を過ごしていた。

 常日頃幸せでいるように心がけていたし、上機嫌であることはとても大事なことだと思っていた。でもこんな時に幸せじゃなくてもいいよなぁ。

 先日記事に書いたのだけれど、祖母が亡くなった瞬間、先に亡くなって祖母を心配していた祖父と共に私のところへやってきてくれた。

 『あ

もっとみる