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1日1ショート・その62「ボート」

マイケルとシャーリーはボートに乗っていた。
実はこのボート、乗ると別れるという曰く付き。
それをシャーリーは知っていてこのボートに乗った。
もちろんマイケルは知らない。

その日ボートの浮かぶ池は水草が大量に発生しており、
乗船は禁止となっていたはずだった。
でもシャーリーが「どうしても」と言って聞かないので、
マイケルは愛する彼女のためにボートを
こっそり人目のない岸辺まで持ってきた。

2人はボートに乗り込み、池を漂う。
だけれど周りの水草はどんどん成長し、
マイケルとシャーリーは池から抜け出せなくなった。

オールを回しても回してもボートはびくともしない。
そのうちボートは池の中に沈んでいく。
そしてマイケルとシャーリーは池の反対側の世界にいた。

池の反対側にもマイケルとシャーリーがいた。
互いを深く愛し合い幸せそうだった。

それを見たシャーリーはマイケルのことを
再び愛したいと思った。

「マイケル、早く元の世界に戻ろう」

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