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#134 開幕の朝、京都サンガFC。



2010年に生まれた子供がいたとして、その子と今年、久々に再開したとしましょう。

最初に抱く感想は「大きくなったなぁ!」ですら無いような気がします。

2010年12月4日、サンガがJ1で最後の試合を戦ったあの日にに産まれた子供がいたとして、彼は今日、2022年2月19日の時点では11歳になっている…小5です。大人顔負けの話し方も出来るようになってきたでしょうし、ビジュアルも固まり始めた。やたら端正な顔立ちの男の子であれば、親戚が「ジャ◯ーズに履歴書出してみない?」とか色めきだって言い出す頃合でしょうか。「12年ぶり」─文字にすればそれだけですが、時の長さはそれほど長いワケで。まぁ…だからこそ駒井善成に「もう若くない…」的な事を言われた時は、まるで三十路になって結婚したい彼女と結婚に踏み切れない彼氏の別れ際みたいな感覚を覚えた訳ですが…。
あの時の選手は宮吉拓実しかいないし、現役選手さえ日に日に減ってきている。世間を見れば、あの時にチャートを席巻していたAKB48も当時からフロントにいたメンバーなんて柏木由紀くらいでしょう。政権も変わり、元号も変わった。オリンピックもワールドカップも3回ずつやった。日本も世界もサッカーの流れさえも大きく変わった。時の流れを感じるには十分すぎるだけの時間が流れました。


それは私も同じで。
2010年12月4日、西京極のスタジアムでFC東京を引き摺り込んだあの試合を観ていた私は中学1年生……まだ親のお金でサッカーを観に行っていました。

道連れにしたのに一人でサッサと帰ったFC東京、気が付けば遠いところに行った札幌や鳥栖、降格も多いけど、それでも定期的にJ1へ進んでいた甲府や福岡、湘南……どいつもこいつも置いて行きやがって。
あの日から私は義務教育を終えた、バイトやら何やらで、自分で稼いだお金で観に行くようになった、教育課程と呼ばれるものを一通り消化した、成人し、お酒もタバコも解禁された…被選挙権以外は大体解禁された。結婚した友人もいれば親になった友人もいて、更には旅立った友人さえもいる……そんな時間を越えて、今日、サンガファンとしてのJ1に戻ります。


開幕戦を迎えるのにこんなカタルシス的な感覚になるのも今回が最初で最後でしょうし、というかまたこんなに間を開けてもらわれても困るし。
相手にも不足はないでしょう。この一年がどんな冒険だろうが、少なくとも悪い思い出にはならいと思います。あんまり精神論的な事というか、ポジティブ感のありすぎる言葉は好きじゃないですが…「冒険の先には冒険がある」─今はそんな気分です。ドキドキワクワク、ハラハラドキドキ、ピリカピリララ、スキトキメキトキス的な感情でサンガスタジアム行ってきます!

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