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#121 「0」を「1」から始める為のストーリー性〜パラリンピック開会式とオリンピック開会式は何が一番違ったのか〜

見ましたよ

パラリンピック開会式。

いや布袋さんかっこよかった……。

Battle Without Honor Or Humanity流れてきた時に「まさかな…」って思いましたけど……叫びましたもんね。


「布袋やんけ!!!!」って。


さん付けも忘れちゃったよ…。

布袋さん関連についてはこれ以前にも…ね、折に触れて色々とブログを更新していますので、是非そちらをね、ご覧下さいまし。



…まぁ、今回の開会式を見てると……やっぱりどうしても、オリンピックとの比較って避けられないものなんだと思うんですよ。
個人的に元々、そこまでオリンピック開会式には否定的では無かったんですよね。というよりは、演出チームがあれだけゴタゴタ状態になって、もう残された時間がそれこそ少し力を入れた学校行事くらいの準備期間になってしまって、その上で様々な制約と注文が重なって多分変に派手にし過ぎたらし過ぎたでボロクソ言われそう……その背景を踏まえれば、むしろよくやったと思っていました。なんやかんやで楽しめましたし。

ただ、上で挙げた事柄が大きく作用した結果、多くの人が「パッチワーク」と表現したようにになんだがグチャグチャ…ってなってしまったような形になって。パラリンピック開会式の評判が良いのは、やっぱりメインとなるストーリー軸を一本きちっと用意した事ですよね。……めっちゃドヤ顔で言いましたが、既に皆さんが口を揃えて仰ってる事ですが。

要するに、オリンピック開会式のようにストーリー軸が無いまま進行してしまうと、全ての場面をゼロから作り上げる必要があるんですよね。創作において最もしんどいのは「0を1にすること」であって、そこが一番労力を使うわけです。だから多分、0を1にする作業に力を使うと、その後のアイデアの派生が3〜4くらいまでしかいかないんじゃないかと。
逆にパラリンピックは「パラ・エアポート」という舞台設定と「片翼の小さな飛行機」というストーリー設定の二つの軸がしっかりしていた。ここの軸を揃えると、もう「1」を生み出す必要がないんですよね。既に「1」が出来ているんです。だから各コーナーでは一番難しい「0→1」の作業は既にクリア出来ている状況なので、1から7とか1から8とかをどんどん出せるんでしょう。準備期間や統括する立場の人事だとか、オリンピックとは事情は大きく違うとはいえ……パラリンピック開会式が伸び伸びとクリエイト出来ているように映ったのはそういうところもあったんだろうな、と見ていて思いました。

結局のところ、このようなイベントで大事なのは

・しっかり準備期間を設ける事
・トップがコロコロ変わらない事
・設定にしっかりとしたストーリー軸を用意する事

の3つ。パラリンピックのチームはオリンピックの喧騒の中で粛々と準備を進めていた…って言いますし、注目度が比較的低いから…というと棘のある言い方にはなってしまいますが、集中して自分の仕事を各々が出来た…そう考えると、パラリンピック開会式のクリエイターの方々は伸び伸びやれたというか、楽しく仕事が出来たのでは…とも見ていて思いましたね。


あと話題になったところで言えばスピーチでしょうか。IOCのバッハ会長のスピーチがボロボロに言われたのに対して、IPCのアンドリュー・パーソンズ会長の挨拶は好評でしたよね。パーソンズって名前がまた良いですよね。是非「FRIENDS」歌ってほしい。私、英語とか全くわかんないですけど……今回分かったのは、英語わからないから言ってる事わかんなくてもお喋りの上手い人ってわかるんだな…と。それは凄く思いました。
今回のパーソンズ会長のスピーチとバッハ会長のスピーチを見比べて、大きな違いはズバリスピーチの時間!…と言っちゃうと元も子もないんで。時間としては、バッハさんが長過ぎただけでパーソンズさんの挨拶も別に短くはなかったと思うんですよ。ただ、やっぱり「聞いてられた」。最後まで見入って「聞いてられた」…と。その最大の違いはなんだと思うと、「ここまで来られたことは信じられない気持ちです。多くの人がこの日が来るのは不可能だと考えていました。」から始まるパーソンズさんのスピーチにストーリー性、ドラマ性がある構成になっていたのと、そして抑揚でした。ストーリー性があるスピーチに、それをストーリーからドラマに昇格させるような言葉の抑揚の使い方……やっぱりストーリーって大事ですよ。二つの開会式を見比べて、それを改めて感じましたね。


ちなみに、私…東京オリンピックのチケットに当たってパーになった経歴を持っているので、興味ある方は是非ご覧下さい。

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