𝑪𝒐𝒐𝒍 𝒘𝒊𝒕𝒉 𝒚𝒐𝒖
11月5日午前0時。わりと泣けなかった。わりと私は今まででいられた。わりとふつうっぽくわりといつもの堕落した登校拒否児のようにいられた。涙は流れているようで流れているのはべとついたつめたい汗で、感情というものは敷き詰められた皮の重なりの一番下で窒息していたけれど、たしかに泣いていたし、全身に青い血が巡るように身体は燃え、冷めていた。泣いてしまいたいのにうまく涙も流せず、ただ模範的な笑みを浮かべるばかりで、時々、ショック…とワイドショーの街頭インタビューに出てくる都会の女のよう