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48.満たされると乱されない

私のお誕生日が終わり、いつもなら少し涼しくなっているというのに今年はまだまだ暑い日が続いている。

彼の地元への長旅の疲れを土日に取り、月曜日からは通常運転。彼からの電話も毎日だ。

逢いたいと言われるも、私の予定があり断ることが何回かあった。

金曜日は2人の都合が合い、逢うことになっていた。


月曜日に電話が来た時に、彼の後輩くんが「彼女と飲むんで良かったら先輩カップルもどうですか」と言ってるんだけど。と言われた。

彼の後輩くんとは2、3度会ったことがある。彼が一緒にゴルフに行くたびに後輩くんの恋の進展を聞いてきてくれて、半年前に彼女ができたと聞き、2人で喜んでいた。密かに応援している後輩くんなのだ。


私が家族写真を見て彼と喧嘩している時に、仲直りしてくださいとわざわざLINEをくれたのもこの後輩くんだ。


私たちみたいな不倫カップルを見守ってくれている。ありがたい存在だ。


もちろんその彼女が嫌じゃなければ飲みに行きたいと彼に言い、木曜日に飲み会が開かれることになった。


待ち合わせは19時。
間に合うようにタクシーを呼びお店に向かった。


タクシーに乗ると彼から電話が来た。同じく今タクシーだと言い、先にお店に着いた彼はお手洗いに行きたいから先に入ってるとのことで電話を切った。

お店の前に着きタクシーを降りると、彼が外で待っていた。

あれ?中入ってたんじゃないの?と聞くと、トイレ行ってから外で待っていたと。

お店の玄関の前でキスをされた。

このお店、彼の息がかかってるお店って言ってたのに。隠してるんだか堂々としてるんだかわからない人ね。と思っていた。


お店の中に入り、席に通されたがまだ後輩くんカップルは来ておらず、2人で喋っていた。


少し経つとみんな揃い、楽しい宴の始まりだ。

色々な話をした中で、やはり先日の喧嘩の話になった。


後輩くんが「いつも俺のことを聞いてくる先輩がその日は何にも言って来なくて、ゴルフ中にカート乗ってる時にいきなり「あのさー、喧嘩してさー、どうすりゃいいんだよ、まじでわかんねぇんだよ。」とか言い出して。えぇっ?と思いましたよ。先輩のそんなとこ初めて見たんで面白くて面白くて。」と言い出すとみんなで笑っていた。

彼が、「どのコースのどのホールの時にそれ言ったかまでハッキリ覚えてる」と笑った。


後輩くんは彼女にそのことを話していたようで、彼女が「でも理由聞いて可愛いなって。家族写真見て喧嘩だなんて、彼女の方が好きなんだなと思って」と言った。

するとすかさず彼が「違うよ、俺の方が好きだよ!大好きだよ!」と言ってくれて、後輩くんの彼女が「わぁ、素敵!そんなふうに言ってくれて嬉しいですよねー。」と言っていた。


その日は全体的に後輩くんと彼女の微笑ましいやり取りがきゅんきゅんだった。

胸がいっぱいになり、満足な飲み会だった。


4時間ほど経ちお開きとなり、先に私と彼がお店を出た。 後輩くんカップルはお手洗いに行っていて少し出て来るまでに時間がかかった。

彼がお店の横の路地に私を入らせ、キスをしてきた。人が来るからダメだよ、と言ってもお構い無しだった。

後輩くんカップルが出て来る音がしたのでキスは中断。

タクシーのところまで4人で歩き、2人と別れた。

私と彼はタクシーの中で、幸せそうでよかったねー、と言い合った。

タクシーでも何回かキスを交わした。

しばらく走り、家の近くに到着。

また明日ね。とタクシーを降りた。

連日逢えるのは嬉しい。さっさとお風呂に入って洗濯物を干し、さっさと眠りについた。

翌日、変わらず彼からの電話。

じゃあ後でね。と切り、時間に間に合うように車を走らせた。


いつものように彼の車に乗り、ホテルに行った。

彼からお誕生日にもらったイヤリングを見せた。

可愛い!と嬉しそうだった。

あまりに可愛くてもうこんなになってる。と下半身を見せてきた。思わず笑ってしまった。

彼は前戯が長い。いつもそうだが、この日は特別長かった。途中で、「まだ挿れたくない。もっと気持ちよくなってほしい」そう言ってくれた。

何度も何度も私を気持ちよくさせてくれる。

挿入した後も、ずっとずっとこのままでいたいと思うほどの幸福感。

私はこの腕の中でなら人生が終わってもいいと思ってしまう。それくらい優しく優しく愛してくれる。

彼の大きな手が私の顔を撫でる度、可愛がってもらっているのがよくわかる。

彼が果てた後は酸素が必要なのではないかと思うくらいに息が上がっている。

その姿を見ると笑ってしまう。激しくするからだよ、と私が言うと、そうさせるんだよ、と言われた。


私とのセックス飽きてない?と聞くと、全然飽きてないよ、最高だよ。と髪を撫でて頬にキスしてくれた。

でももう少し太った方がいいよ、ぺらんぺらんだよ、と言われてしまった。最近の暑さにやられ、あまり食欲がないから少し不健康に痩せてしまったのだ。

4.5キロ増やしてもいいと思うよ。と言われたけど、そうすると48キロになってしまうよ、ちょっとそれはやだな。と答えた。

全然いいのに。細すぎて折れそうで心配だ。と言われた。

ぺらんぺらんは言われて嫌だったので、少し食べるように気をつけようと思った。


この日も2回愛してもらい、帰宅する時間に。

帰りの車の中、少し寂しくなって、
ねぇねぇ、私のこと好き?と聞いたら、
大好きだよ、どうしたの?なんかあった?と運転中の彼が言った。


声のトーンの変化で、どうしたの、なにかあったのかと聞いてくれる彼。いつもの私を知ってくれてるからだと思うと、寂しさなんてなくなった。

バイバイした後も寂しくはない。

幸せいっぱいで満たされた。

大好きだ。

秘密にしなければならない恋。彼の周りの人間に堂々と会うことがふた月続けてあったので勘違いしてしまいそうだけど、今一度気を引き締めて2人で過ごす時間を1番大事にして、これからもできるだけ長く彼から愛の言葉をもらい、可愛がってもらいたい。


セックスの後はいつも筋肉痛だ。

彼も腰にくるらしい。

翌日はお互いに身体大丈夫?と言い合うのが定番。


のけぞるからなのか背中が痛いよ、と私が言ったら、「それは愛の病気だね」と言われた。

彼から 愛 と言われるとたまらなく嬉しい。


他にもいつもたくさん嬉しいことがある。
嬉しいこと、してもらったことに感謝の気持ちをいつも持って、私が彼にできることをしてあげたい。

彼にニコニコして癒しを与えたい。甘えて、かっこいいねと言って、自信を与えたい。

彼にとって活力のようなものになりたい。

私にとってもそうであるように。


9月は特にイベントはない。来月の10月は付き合って1年だ。何のトラブルもなく、仲良くその日を迎えられるよう、油断せずこの恋心を大事にしていこうと思う。


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