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【悪夢】玉葱が見せた悪夢

昨晩見せられた玉葱に関する悪夢の話。

昨夜は晩御飯に濃厚ラーメンを食べたのだが、野菜成分も必要と思って玉葱サラダも食べたことが全ての始まりだった。

サラダのシャキシャキ感は濃厚ラーメンの濃さを打ち消すほどの清涼感があり、いつもより多めに食べてしまった。
食後、お風呂、その後のネットを使っている時には何の異変も起きることはなかった。

普段感じるような嫌な予感や気配も一切感じることはなかった。

前兆が現れ始めたのは23時過ぎた頃からだ。
いつもならこの時間はTwitterをやったり動画サイトで視聴していることが多いのだが、その時だけは異様な眠気に襲われた。

「きっと暑かったり急に冷えたりで体が堪えているんだろう」

くらいにしか感じなかったが、いつも視聴しているお祓いの動画を表示した瞬間に腰痛と足の痛みが出てきたことでベッドに横たわらなければならないほど体を起こすことが出来ない状態になってしまった。

これはかなり疲労しているな、このまま少し仮眠するか。

気付いた時には意識は夢の世界に入っていた・・・のだが、どうも様子がおかしい。

自分の部屋で寝ていたはずが、どこか見覚えがある空間を感じ取る。
ここは、子供の頃に住んでいた田舎の古い家に近い。
障子と襖で閉じられている畳の部屋。
いつもとは固さが違うような布団。

消灯しているがパソコンのモニターから漏れ出ている動画の光で視界は比較的確認しやすい。
ただ、何かがおかしい、違和感を感じるがそれが何か分からない。

体が動かない・・・。

意識は割とはっきりしているのだが、普段の金縛りとは何かが違う。
布団の上に気配を感じるが、一切冷たさはなかった。

どちらかというと体温より少し高いくらいの得体の知れない何かが居るようだ。
それが布団の上に居座っている。

奇妙なことに、それは私が反応するまでは身動きひとつしてこない。

条件反射のように私は布団の上のそれを牽制しようと腕を動かすが、それの体温が高かったことで困惑する。

霊的なものがこんなに熱を持っているのか!?

私の動きを感じ取ったのか、布団の上のそれは行動を開始した。

徐々に徐々に私の方へ浸食してくるのだ。
布団をめくって温かい何かが私の体の上に覆い被さって来る。

驚いた私は片手で何とか追い払おうとするものの、それはするりと回避して私の体に接触してくる。
ただ、私の体の上にのしかかってくるような感じだが、少し細長いイメージが頭の中に湧いてくる。

それの腕なのか!?

人型とは思えないそれからまさか腕が生えてくるとは予想外だった。
心の中で不動明王の真言を唱えると目が覚めた。

ぼんやりした視界の先には普段の私の部屋が映されていた。
消灯していたが、パソコンの電源は入ったままだったことで多少の明るさはあった。

これは夢と同じ部屋の明るさだ。
あれは本当に夢だったのか?

夢にしてはリアルすぎる。
といっても、夢の中の部屋はここではなくて子供時代過ごした部屋に近かった。

夢か現か判断できない状況で再び夢の世界に意識が引っ張られる。

また・・・あの部屋だ。

子供の頃に過ごしたあの部屋がまた出てきた。
先程の夢のように布団に潜り込んで眠っていたが、やはり体は動かない。
金縛りにかかっているようだ。

布団の上のそれは細長い腕を伸ばしてくる。
恐怖心から片手で払いのけるが、それは私の動きが手に取るように分かるようで、さらりと私の動きを回避してくる。

片手で私の体を押さえつけてくる。

得体の知れない存在に向かってまた真言を心の中で唱える。
ふと、目が覚めた。

・・・あの夢の続きを見てしまった。

何かが起きる前兆はあったか?
嫌な予感は?
妙な気配は?

・・・いや、異様な眠気以外は何もなかった。

お祓いの動画を開いた時の私の体はどう反応した?

・・・たしか腰痛と足の痛みが襲ってきたはずだ。

それにしても、今まで心霊現象を体験した時のような感じとは少し違うが、予想を上回る状況でここまで混乱することはあったか?

考えても仕方ないが、眠りにつくとまたあの夢を見そうで眠りたいとは思わなかったが、どうやらそうはいかないようだ。

すーっと意識が夢の世界に入っていく。

・・・またあの部屋だ。

子供の頃に過ごしたあの部屋で寝ている私の上にはそれが居座っている。

・・・もうたくさんだ。

そうだ、宇宙人の先生を呼ぼう、ってあれ?

ぐるぐるぐるぐる・・・痛い!?

気付いた時には腹痛で目が覚めた。
腹部の異変を感じ取った私はトイレに駆け込んだ。

数分後、正露丸を飲んで落ち着いた私はネットであることを検索して自分の身に起きたことを理解する。

玉葱の食べ過ぎが原因で胃腸が悪くなったいたことを。

玉葱には血液をサラサラにする成分が入っている。
健康に良いとされている食材のひとつであるが、実は少し癖のある食べ物でもある。

あの独特のニオイの元となる成分はアリシンだ。
生の玉葱を食べたことのある人にはなじみのあるあのニオイの元である。
アリシンには強い抗菌作用があり、食べ過ぎると胃腸に負担がかかるとのことだった。

私はそれを知らずに玉葱をたくさん食べてしまった。
それも、昨夜は濃厚ラーメンを食べたことで、野菜成分を確保するためにチョイスしたものがたまたまコンビニで売られていた玉葱サラダだったわけだが。

問題は、それを食べすぎたことなのだが、コンビニで買った玉葱サラダだけを食べていれば問題は起きなかった。

実は、私の母は大の玉葱サラダ好きなのだ。
いつも自宅の冷蔵庫には玉葱サラダが入っている。
しかも、かなりの量の玉葱が入っているのだが、それだけを食べる分にはおそらく大丈夫だと思われる。

今回は買ってきた玉葱サラダと自宅の冷蔵庫に入っていた玉葱サラダを混ぜて食べてしまったことで、玉葱の摂取量が多くなってしまったのだった。

アリシンの作用が強く働いてしまい、胃腸に負担がかかってしまっていた。
そうとは知らずに急な眠気に襲われた私はそのままの状態で仮眠をしてしまった。

悪夢を連続で見せられてしまった私は腹痛で目が覚めてトイレに駆け込んだ。
もしやと思ってネットで検索してアリシンのことを知ることとなった。

それでは、あの悪夢に出てきたあの存在は一体何者だったのか?

布団の上に居座っていたそれは普段感じる霊的なものとは程遠いよく分らない感じがしていた。
人型ではなかったが、たまに細長い腕を伸ばしてきた。
体温が存在し、どうも人体より高いようなのだ。

・・・まさかと思うが、私が食べた玉葱ではなかろうか?

食べられてしまった玉葱は消化過程で段々温かくなっていき、細かく分解されていく。
アリシンの影響で体調を崩してしまった私に原因を分からせるために玉葱が私の上にのしかかってきたのかもしれない。

正露丸を飲んで再び眠りについた後はもう悪夢を見ることはなかったから。

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