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初恋という狂気の日々 第二十四章

 第二十四章 偉大なる絢辻詞様

※中2の夏休み期間等は記載するレベルの思い出がないので 前章から約3ヶ月以上 過ぎた場面となっております

前章から時は過ぎて 春から夏そして季節は秋へと移り変わりゆく頃合いだった

生徒会選挙が開催される時期である

選挙といっても出来レースで 立候補者が少なすぎて大抵は候補者全員が当選する
というか毎年そうだった


絢辻さんはこの頃になると成績は学年No.2だったり、表彰されたり様々な場面で活躍していた こともあり 優等生の中でもトップクラスに登り詰めていた だから当然 生徒会にも立候補していた

※成績 学年No.1は第十二章で初登場した温厚さん

私はというと 彼女が生徒会に立候補することを見越して選挙管理委員会に所属していた

私は彼女に「立場的に公平じゃないといけないのかもしれないけど できることはする」と協力する旨を伝えた 
絢辻さんは自信がなさそうに話す 「あなたみたいに協力してくれる人がいるのはとても嬉しいんだけど… いかんせん私は嫌われ者だからなぁ……」
私がすぐさま否定する「そんな嫌われてないだろ それに絢辻詞には今まで積み上げてきた 優等生としての信頼と実績があるんだから
絢辻さんが返す「その信頼と実績要因の一つだけどね どちらにせよ私は温厚ちゃんと違って人気者ではないからw だからこそ生徒会長は彼女の器にぴったりね 」
私は心の中で ❨温厚さんなんかより詞(絢辻さん)の方が凄いに決まってる……優等生は二人もいらない❩ そうした温厚さんに僻みの感情を超えてアンチに傾倒しつつあった
そして彼女がまた呟く 「多分 私の立候補についても裏で悪く言ってる人がいる……もし良かったら 反応とかを探って教えてほしいな」 私はすぐに快諾した

そしてその時はすぐに訪れた

同じクラスの友人が絢辻さんの話題を出す
「あいつさぁ 前は忙しいの嫌だとか言っていたのに、出るのよくわからないよね 自分的には何か気に入らない どうせ当選するけど」

私はあからさまに否定的な態度で反論する「いや別に忙しいのがイヤなのは誰だってそうでしょ そんな小さな発言で気に入らないとか言ってる人の方がどうかと思うのだが? 詞(絢辻さん)は優秀だから学校の為になるのは誰も否定できないよね?」

友人は不機嫌そうに返す「あぁはいはい…そうですね 君たち仲良いもんね」 そしてその日は終わった

 この件を境にここで登場した友人とは数ヶ月ギクシャクした関係が続いた

そして私は 気に入らない発言の一連を絢辻さんにすぐさま報告した

その報告に対する彼女の反応は 「あぁ やっぱりか」 といった感じであった そして続けて「教えてくれたのとカバってくれてありがとうね でもあなたの友人関係がゴタゴタしない?」

私は「たいした問題ではない」とだけ答えた

彼女は少し驚いた表情をしつつも 「じゃあこれからもお願いします」 と私に頼んだ

 この件で改めて私は確信してしまった 絢辻さんに尽くして彼女に褒められるコトこそが生きる意味であり、アイデンティティであるこの精神があれば 今のつまらないクラスだって何も辛いことはない 私には「偉大なる絢辻詞様」がいるのだから 


もう宗教と化していたことは言うまでもないだろう 

余談になるが、このレベルで好きになると もはや女性として見るというより神様を拝む感覚に近くなり、性的な目線や気持ちは薄まっていくのだ
当然思春期なので、そういった欲や感覚は存在している
だけども絢辻さんに対しては 「そんな目線を向けてはいけない 何故なら彼女は神であり偉大だから不敬に値する」という感覚が強すぎて抱けないのだ 
なので 見た目がかわいい とかそういった類のことを一切考えたことがなかった 今思えば 正真正銘 中身で好きになっていたのだろう
まぁギャップ萌えは確実に要因の一つだが…

そんなこんなで 選挙当日になった
彼女は素晴らしい演説を終える

選挙管理委員会なので開票作業を行う 
“万が一 当選しないなんてコトがあったら 不正をしてでも何かしらやらなくてはならない ”そんな気持ちで作業にあたっていた

結果は出来レースなので当然だが、全員当選だった

 そのことを絢辻さんに伝えると緊張から安堵の表情にすぐ変わり、私に話す「わたしのこと気にかけてくれてありがとう 私は副会長だから大して凄くもないけどw 会長が温厚ちゃんだから安心ね 彼女なら私と違って人徳もあるし…  ただ天狗(後述で説明)が少し目障りなのよねぇ… とりあえずまた何かあったらお願いしますw」


ではここで一旦 天狗の説明に入る
・名前の通り身長が高い
・和顔イケメン 
・頭は良い
・運動神経あり
・親分肌でカリスマ性あり
・やや暴力的で思春期特有のイキりが見られる
・私とはソコソコ話す 


その時 「ありがとう」と言われ自分の中でまた一つ成功体験が増えたと感じた。
そして私の判断方法は全て絢辻詞さんだったので、天狗を何とかできないかと決意したのであった


この記事時点での時系列 中学2年生 秋 出会って4年以上

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