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20210512思い出したりする

 精神が壊れて2週間くらいグズグズになってたけどめちゃくちゃ回復した〜!と思ったら高熱が出た。久々に体温が40度を記録していよいよ気がおかしくなりそ、と思いながら3日ぐらい点滴を打ってもらったり寝たり発狂したりしてたら熱も下がって体の怠さも軽減して、喜んで料理をしたら水膨れが出来るタイプの火傷を負った。

 災難過ぎ。

 Twitterで進研ゼミのがんばったねシール的なやつで貰えるヘッドホンを云々というのを見た。そう言えば進研ゼミってそんなのやってたな。昔無性にロールピアノが欲しかったのを思い出した。

 我が家に進研ゼミや塾は選択として無かった。父親が塾をやっているから、言ってしまえば父親に聞け、というのが親の意見だ。

 たまに届く進研ゼミのDMが好きで、自分宛ての手紙を開く時のような喜びと、子供の心を鷲掴みにする戦略にまんまと引っ掛かる少女だった自分を思い出す。進研ゼミの漫画と、親宛に来るよく分からない通販のDMにある、訳あり煎餅一斗缶とか蟹ポーション5kgとかの切り抜きを学習机の引き出しに大事に仕舞っていた。年末に惜しみながら捨てるタイプのやつ。

 そう言えば、1番でかい学習机の引き出しに、粘土とクレヨンみたいなちょっと触ると厄介なものを何も考えずに投げ入れてたのを思い出した。スケッチブックも一緒に入れてたしカッターマットも入れてた。というかむしろ、あそこには何を入れていいのかわからない。

 進研ゼミの漫画の絵の模写がスケッチブックに描いてあって、机の上の本棚にはほとんど触らない本が綺麗なままで並べられている。机の角は丸すぎてむしろ使いづらいし、椅子も座り心地が悪かったから、いつもお茶の間の机であぐらかくか寝そべりながら勉強していて、合間合間でクイズ番組に答えていた。学習机の持ち腐れ感は否めなかったけれど、梅雨になり黴が生えれば執拗なほどアルコールを吹き掛けて拭いた。なんだかんだ学習机は好きだった。お下がりがなければ、ニッセンのベッド付きの机を選んでいたと思う。

 よく考えたら、家具好きはニッセンの影響だ。もうツタヤの入り口で無料で配っていたニッセンを見かけることはないし、香里奈のこともニッセン以上に強い印象で感受することは無いだろう。後ろのページにあるゴムの商品ページとフェロモンの香水の役割を知らずに、なんとなく他のページとは空気感が違うことにドギマギすることもないだろう。回転する本棚に憧れを抱くことも。

 郵便受けを確認しなければ、父親が勝手に捨ててしまうようなDMの幾つかと、覚えられなかった両親の名前、認識できなかった左右、読めなかった漢字を文脈から勝手に読んだり突発的に粘土を捏ねて崩してを繰り返しながら、大人になったことは結構有意義な事かも知れない。

 思い出す程でもなかった記憶を突然思い出して嬉しい。また何か、ふと思い出したりしたい。