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最大限幸せな気持ちになりたい方

作業を通して最高に気持ちが良い経験をしたことがありますか?

(※ここでの作業とは骨・筋・神経といった身体のどこかが活動している、すべての行動のこと。趣味活動のようなものだけでなく、例えば睡眠をとることや、車を運転すること、等も含まれる。)

例えば、

私の場合は、料理を作る時、使ったことのない食材を手にし、レシピ本を見合わせながら初めての料理を作ってみる。食材と向き合って包丁を動かし、鍋の中の様子をまじまじと観察しながら過ごす。

料理が一通り完成すると、ああ、すごく集中して疲れたけれど、やりきった~できた~と感嘆する。

他には、思いっきり体を動かしたとき。パソコン画面の向こう側にいる先生の指示に注意を向け、体を動かす。そのこと以外に気を取られる間もなく、ハードな動きについていくのに必死。この前はここでへばったけれど、今日はここを踏ん張って、乗り切る…!みたいなことを行い、終わったあとの倒れそうになるくらいの疲労感は、爽快でもある。

私でもこんな感じなのだから、世界で活躍するシェフやアスリート達の爽快感は想像を絶する。



このような最高の経験をアメリカの心理学者であるチクセントミハイはフロー(Flow)と名付けた。フローの特徴は


・自分の能力と課題の難易度(挑戦感)とのバランスが丁度よい。
・行っている作業には目的がある(漠然とした動作の繰り返しではない)。
・その作業を行うことそのものに価値がある(外的な報酬とは関係ない)。
・行っている事に専念して、集中している(他のことに気が散らない)。
・自分の心と体が一体になっている感じ。
・時間感覚が時計の時間とは異なる(あっという間に過ぎたり、止まったりする)。
・自然に体が動いていく感じ(考えてから身体を動かすのではない)。  
・思いのままでにすべての事がうまく運んでいる感じ。

行為者の能力(skills)と挑戦感(challenges)とが、程よく一致した時にフローチャンネルに入るといわれている。課題があまりにも難しいものであれば不安になるし、簡単な課題ばかりでは退屈になる。


自分に見合った適度に難しい課題に挑戦しているときにフローが経験できる。


引用:吉川ひろみ 「作業」って何だろう P27-28,2008


そうそう。思いのままですべての事がうまく運んでいる感じ、はないこともないけれど…。


最近よく聞く’マインドフルネス’という、’自己観察’の意識状態は、

’今ここ’ に集中するごく日常的な意識の在り方を説くもので、

時間を超越し未来の不安から解き放たれる、という仏教の’念’の概念からきたものであるが、



フローとはちょっと似ていて全然違う。と思う。



なぜならフローには自分の’能力’・’挑戦感’について考えることが必須だからである。


だとすれば、簡単すぎる料理に満足感が得られないのはそのため。

そして、私にとって料理という作業の目的価値は、自分の成長、楽しさ、好奇心、人と繋がること、であったりする。

’料理すること’、’食べること’だけが目的にはならないということ。

調味料の知識が増えたとか、この魚にはこの味付けは合わないなとか、

自分の中で成長を感じられる瞬間があるかどうか

作業とフローの関係性では、ここが重要だと思う。


それは他人からの評価は問わない、自分だけの世界観の話。


よって、料理が栄養補給のため、とかお腹を満たすため、という価値観があっても良い。


その場合、料理はフローとは違う領域で語られる。



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マインドフルネスに生き、時々フローチャンネルに入る、というバランスの良い習慣が持てると、自分の生活の中で幸せを感じられるのだと思う。

作業の先にある価値観を明確にできれば、自分にとって大切な意味のある作業がわかる。

しかし、大切な意味ある作業が必ずしもフローに入るわけではない。

(料理が栄養補給のためでもお腹を満たすためでも大切な作業、になりうる)

フローに入らなくても入っても、どちらも大切な意味ある作業なのだ。

それはなぜかというと、’作業にも種類がある’ということから説明できる。



’作業の種類’については、また次の機会に考えてみる。

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