消えモノが消えずに片づけられる(オトナモドキ『けっこう残ってるけど片付ける』の感想)
昨日は朝から憂鬱だった。
というのも久々の雨だったから。
バスに揺られながら向かったのは函館市公民館。
若手演劇ユニットオトナモドキの演劇公演『けっこう残ってるけど片づける』の昼公演に行きました。
個人的にはオトナモドキの公演は初でした。
今まではコント公演が主だったようなので、今回も面白い公演になるのではないかと期待して向かいました。
開場に入ってまず目につくのがファミレスの舞台セット。
久々にしっかりと組まれていたのを見たのでちょっと嬉しくなった。
手作り感のあるその舞台は、懐かしい高校演劇時代を思い出す。
いいな。私も舞台セット作りたい。
影アナもとてもよかった。
映像演出があって遊び心を感じられるのがとてもGood。
流れからのOPも映像演出があって更に嬉しくなった。
これからの幕開けが楽しみになるよき演出。
このあたりからこの舞台の本気度を感じた。
舞台の主演である高橋舞くんとこの前飲み会で話す機会があったのだけれども、彼は見た目のクールさに反してとにかく熱い男であることを知った。その熱さは周りにも伝染していたのだろうと察する。本気で取り組めるのは良いことよ。
作品全体の印象としては、とても軽快で観ていて心地の良い作品だと感じた。
役者が良いのはもちろんのこと。
脚本のスクリプトとしての面白さも良く出来ている感じが伝わてくる。
人数多めの同年代の座組だからこそできる空気感が出来ていて羨ましかった。
今回のタイトル『けっこう残ってるけど片づける』の通りに舞台に並ぶ食べものたちはけっこう残っていたが片づけられていた。
舞台で使う食べ物ってよく消えモノとかっていうんですけど、消えモノをほとんど消さないという演出がメタっぽくて好き。けっこう好き。
ニッチな話になるけど、消えモノの処理ってけっこう大変なんですよ。
昔にうまい棒を食べ続ける役をやったことがあって、その時期のおやつはずっとうまい棒のたこ焼き味でした。
本番のたびに補充しなきゃいけないし、
舞台上で何かを食べるのって台詞との兼ね合いがあって演技するの大変。
でもあえてほぼ食べない。食べてたのってフライドポテトくらいかな?
あれくらいならだいぶやりやすいと思う。
面白い演出だなと思った。
若手の役者でこんなに素晴らしい人たちがたくさんいるのも驚いた。
特に先輩役の人はなにわ男子の高橋恭平くんに似ててイケメンだった。
函館にもイケメンで演劇をやっている貴重な人材がいるのはけっこう嬉しい。
というか意外と男性キャストがそこそこいるというのがとても嬉しかった。
自分の周りでは女性が多めなので、
男子、貴重。
いつか自分の作品にもオファーしてみたい。
前作までがコントをやっていただけあって、笑えるタイミングがたくさんあって、けっこう楽しかった。
冬から春にかけての函館演劇ラッシュの中で一番好みだったかも。
たくさん作品を観ていく中で自分の好みがはっきりして楽しい期間だった。
締め括りにオトナモドキを観れて本当に良かった。
軽率に次とかって言いたくないんだけれども、
あえて次も楽しみにしてますという言葉で締めようと思います。
素敵な時間をありがとう。次も楽しみにしています。
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