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一瞬の出会いを逃さぬよう

 今日はとても嬉しいことがあったので初めてnoteに記します。思いのままに書くので文体の乱れや誤字脱字はご容赦ください。

 最近、色々なタスクが溜まっていて結構押し潰されちゃいそうなくらいなのに、加えて人間関係での懸念事も増えてきて、少し息苦しくなって今日は家にこもっていた。

 やらなきゃいけないことはたくさんあったけど、もちろんやる気になんてなれなくて、似たような辛い時期に始めて一時期はまっていた某ラジオ配信アプリに久しぶりに顔を出した。
 このアプリはユーザーの移り変わりが激しく、基本私は聞き専だけど、昔聴いてた配信者もあまり配信しなくなったり、配信している人のリスナーも自分が聞いてた頃とは様変わりしていることが多く、徐々にそのアプリのテンポ感についていけず足が遠のいていた。そして、そろそろ大して使いもしないし、このアプリもやめようかと思っていたところだった。

 それでも、なんとなくリアルが息苦しくなってそのアプリに行き場を求めてやってきて、私が顔を出したのは、ちょうど自分がかなり落ち込んでいて夜になるとそのアプリに埋もれていた頃に配信を始めた弾き語りの人だった。
 
 初めて声を聞いた時は、プロのようにめちゃくちゃ上手いというわけでもないけど声がとても心に染みて、絶対にこの人は人気が出るだろうなぁと思いつつ、夜のベランダでお酒の入ったグラスを傾けながら聞き入っていた。始めたばかりなので聞きにきてたのは当然私だけで、少し世間話をした後に私が最初のその人のファンになったのだった。それからもちょくちょくその人の配信に顔を出していたけれど、私が予想したとおりその人の歌声に魅了される人は日に日に増えていき、なんとなく他の有名配信者さんのように行きづらくなってしまっていた。もしかしたら大勢のリスナーが来ることもあり、昔より愛想が良くなって配信慣れしたように感じてしまったことが、私は嫌だったのかもしれない。よくある売れないバンドを昔から好きで売れた時に古参ぶったり、少し売れて欲しくないとか思う奴と近い感情だろう。

 久しぶりに配信を聞きにいくと、その人は温かく迎えてくれとても喜んでくれている様子だった。そして、私が昔リクエストした曲を弾いてくれた。その人にも近々アプリをやめるという旨をいったけど、曲を聞いてしまっては、完全にやめようと思っていた気持ちが揺らいでしまった。もともと、その人は少しクールでドライな印象を与えることが多い(自分でそう言っていた)人で、配信者とリスナーの関係は一対多の関係というのもあり、あまりその人から自分に対する感情を感じることはなかったのだが、その時は感じることができたと思う。私はそれがとても嬉しかった。それと、私が出会った頃より声のトーンも柔らかくなった気もした。

 そのアプリは配信者にアイテム(どのアプリもよくあるような投げ銭だったり、スパチャの類のもの)を投げることができて、私はその人にバラのスタンプのようなものを投げた。特にバラが好きだったというわけではなく、価格的にちょうど良かったからそれを送った。

 しばらくその配信に耳を傾けていたが、時間も進んでそろそろ寝なければならない時間になってきた(この時間に筆を取っている矛盾は不問にしたい)。私はとても名残惜しかったのだが、だらだらと聞いてるのもなんだか最初に感じた嬉しさが薄れてしまう気がして、しっかりと濃いまま心にしまっておくためにも、お礼の挨拶と共に配信を抜けたのだった。

 そんなこと言っておきながら腹黒い私はとても気になって、こっそりその人の配信を聞いてしまった。このアプリは試し聞きという機能で配信者に知られることなく配信を聞くことができる。(今この時も聞いているので私はどうしようもない。)

 私がいなくなった後も、その人は私にありがとうと話していて、私が抜けていることに気づいていないのかと最初は思っていたけど、次第に語り口がそこにいるリスナーに向けてのものだと確信する。その人は、私が初めてのファンだということ、私が来てくれていたから配信を続けてこれたことを話していた。先にも言ったように、私はその人から私に対して思い入れがあるようには感じていなかったので、初めてのファンだということを覚えていてくれてたのは嬉しかった。また、直接後者に関する感謝は聞いたことがあったものの、他のリスナーに話しているのを聞いてその気持ちが強いものだったことを知ることができたのもとても嬉し話だ。それと、これは私に対してでは断じて無いけれど、バラのスタンプが好きなんだと話していたのも今日は良かったことの一つだと思う。

 そして、「今日の夜が青さんと会える最後の夜かもしれないと思うとエモいよね。青さんの存在がエモい。」と話していた。

 私は、元来エモいという言葉が嫌いで、どうしようもなく言葉で表せないような感動やノスタルジーをエモいなんて言葉で片付けるなんて、と思ってしまう人間だ。でも、普段はクールで大人びた口調のその人が、私より年下の実際の年齢に違わない温度感で、なんとも軽く聞こえるようなトーンで、エモいと口にしたのがとても頭に残った。配信を抜ける前までは、次の配信もまた行こうと思ってたのに、そんなことを言われてしまっては行きづらくなってしまう。もちろんいくのだろうけど…顔も名前も知らない声だけしか知らないような世界でこんなにも素敵な出会いができたことをとても幸せに思う。

 あの時、夜にその配信に飛び込んで、「めちゃくちゃ声いいですね。絶対伸びます。」と言って良かった。もちろんその時は、勇気を出す必要はなく、あまりに魅了されて、自信なさそうにしてるその人に私が感じたその人の魅力を伝えるのに必死だったのだが。

 ライブ配信アプリに限らず、本屋で手に取った本も、街をぶらぶら歩いているときに見つける喫茶店も、大してやる気もなく参加したセミナーで出会う人であっても、たまにもう二度と出会うことはないかのもしれないと思うことがある。そして、そんな時は、お金がなくても本は買うし、店内にも入る、私はとても人見知りだけれど声をかける。これからもそんな出会いを大切にしていきたい。

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追記
 そして、5月19日今も私はその人の配信を聞いている。この記事を書いたのは2月なのでもう3ヶ月も経ってしまったか。その人はその後もライブ配信をほぼ毎日続け、リスナーを増やし、今日アプリ側が選定する人気配信者に選ばれたそうだ。

 7月には、配信をはじめてから一年が経つ。これからも、その人の配信に癒されに行く事は枚挙にいとまがないだろう。

おめでとうございます。

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