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悪夢いろいろ【2022/01/14】

年が明けてから、ほぼ毎日悪夢を見ている。
たいてい図書館から出られなくなったり、病院に閉じ込められたりしているのだけれど、昨日の悪夢は特に面白かった。

昨晩は寂れた町の市場にきていて、その一角で、仮設テントをたてて古本市をやっていた。そのなかのひとつの店で、ちょうど欲しかった全集を格安で売っていたので、他にも何冊か合わせてセットで購入した。5000円くらいはした。
ビニールひもで乱雑に縛った本は六冊くらいで、すこしずっしりとしていた。
店主は白髪の老人で、頬に深い皺がよっている。老いているけれど、髪は多く、しかし手入れはされていなそうであった。オレンジ色のポロシャツに白いデニムをはいていた。
僕はそのあとに別の買い物があったので、一旦商品は預かっておいて貰うことに。
しばらくして、預かってもらった本は店主の住むアパートに受け取りに行く。市場からすぐ裏手の薄暗い路地裏にある。事務所を兼ねていたのかもしれない。
アパートは長屋のような構造で、路地に面しているのは狭いエントランスと、6個並んだ大きな郵便受けだけ。
そのうちのひとつに、水色の文字で知り合いの詩人の名前が書いてある。同じところに住んでいたとは意外だったが、この辺りに住んでいるということは聞いたことがある気がする。
インターホンを鳴らすと、郵便受けの穴ごしに店主が答えた。僕は外から穴をすこし推し開け、内側の小さな扉を開いて店主がいた。
こちらを見ている店主の奥にはすこし広めのスペースがある。
その奥には人影があるが、様子がおかしい。背が妙に高く、白い服を着ているが、右半身が紅く濡れている。
店主がすこし顔を動かすと、背後の人影の顔も見える。顔もまた右半分が血で紅く濡れて、原型をとどめていない。よくみるとその背後の壁にも血がべっとりとついていた。
店主はなんともない顔で商品を渡してくるので、本を受け取って急いでホテルに帰ることにした。
国道に出ると雨が降り出した。国道の向かいにあるスーパーだけがぼんやりと光っている。仕方がないのでタクシーを拾い、乗り込むと、さらに酷い土砂降りになった。

……というところで目が覚めた。今日も目覚めが悪い。
よく考えると最近4時とか5時とかによく目が覚める。眠っている時間は短い割に夢はよく見るので、お得なのかもしれない。

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