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《ネモフィラの恋人たち》あとがき&ナビゲーション

💎はじめに

 &


に出てくる二人があまりにも気になったので、続きを書いてしまいました。


最後だけ小説なので、ボリューム感が不揃いですが...前後の脈絡もなく、空間に浮かぶ大小のシャボン玉に、不意にフォーカスした感覚。

そして、物語を書くのはやっぱり格別な愉しさが💕 そして公開して手放すときの、格別な寂しさもまた😢


それにしてもこの世界観...自分の中でも、相当ニッチ/nicheな回路を掘り起こしてつないでみた...ということにさせてください(笑)

※)学生の頃、図書館で『世界幻想文学大系』を読みふけっていたのは私です(^^ゞ だって大学の図書館にあったんだもん。


💎書き終えて思うこと

青年は"現実の中で生きようよ"みたいなことを語りかけるのですが。たぶんこのふたりの生きる"現実"って、私たちのこの"日常"からすると、すでにはるかな夢の中なんですよね...。ネモフィラの君は、それ以上どこに行こうというのか…🙄
たとえば、「そろそろおうちに帰ろうか。夕ごはんはなににする?」みたいなことにはならない。朝も夜もなくて、ただ、太陽と月と星と花だけがあちこちにあって。たぶん、太陽も月もひとつずつではないと思うのです。

このふたりは、今度はふたりいっしょに未来永劫この幻想の野辺をさまよっているのかも...と思わせるところがあって。

さらには、これだけ見事に感応しあって一分の隙もない恋人たちの、同質すぎるあやうさ...ピュアと紙一重の狂気...みたいなものも、微力ながら少しお届けできていたらいいなと思います。
今回"仕上げ磨き"をかけたのはそこでしたが、暗中模索、なかなか難しくてね🤔

それにしても、ある種の永遠を手に入れているようなこのふたりがこの上なくうらやましい...のですが、その代償として、彼女は髪がふれたときの痛みを、彼は破壊衝動をかかえていかねばならないのは、作者のやっかみ…ではなく(笑)諦観なんだろうな...と――書き終えたあとの読者第一号としては、いろんな含みを読み取りたくなったりしますが...

どんなに意図的に物語を組み上げても、やっぱりつけない嘘...みたいなものはあって、いくら虚構でも、何でも思いのままにできるわけではありませんから。
ある程度の不自由さの中で書いているからこそ、読む方々には自由に、好きなように解釈していただけるといいな、と思っています🤗


💎BGM 選びから始まった〜エネスクのピアノソナタ

さて。これは、書く前からnoteに載せることを決めていて、しかも恋人の再会、つまりはラヴシーンだったので、本当に書きづらいったらありませんでした(苦笑)

それで、音楽をずっと聞きながら雑念?を払っていたのですが。
選んだのは、エネスクのピアノソナタ第3番2楽章。アンダンティーノ・カンタービレ。これをひたすら。演奏は、Saskia Giorgini。とてもクリアで繊細な演奏です💙
(YouTubeにもありました。 40:19〜49:19あたり)


調性のない(?)音楽のなかで、私が心地よく聴けるぎりぎりのラインはこのあたり。何十回もリピートしたのに、それでもメロディがほとんど頭に残らないので、20世紀音楽を聞くセンスがないのかなあ...。

途中で盛り上がるところもあるのですが、ロマン主義の音楽などと違って、感情の波に流されるようなこともなく――ただただ水の流れるように、せせらぎや急流を見るように。そんなふうに沁みわたってくる、不思議な音楽です。

左手パートを青年、右手パートをネモフィラの君とすると、ふたりのまなざしが交わす愛のささやきが実に見事に浮かび上がってくるのも、耳に心地よいものです。そして、この人たちやっぱり人間じゃないよね…精霊かしら、とか🤔

ロマン主義の美麗な音楽を聞きながらラヴシーンを書いたらもうすこしつややかになるかもしれないけど💦 このふたりはほぼ精神体なので、それはたぶん似合わないと思って。

それにしても、いろんな"蒼"をこれだけたっぷりパレットに並べられたのも、ブルー好きにはたまらない至福のひとときでした😍
これがぜんぶ"赤"だったら、相当息苦しかったかもしれません。


💎そして最後に〜麻衣です!さんほかみなさまのお力で

青年の髪の色について。日常的に見かける色ではなく、"蒼"でよいんじゃない? と教えてくれたのは、麻衣です!さん。
(そのあたりの顛末は、「青い花を摘む前に〜カフェ・ファンタジアについて」のコメント欄に。もしご興味があればですが…)

それから、せきぞうさんが、《ネモフィラの君》も《青年》もどちらも狂気を秘めているように思う、と、第三者的な視点から言ってくださったのも、とても参考になりました。ネモフィラの君はともかく、青年のほうは、確信犯ではなかったので、言われてみると確かに…と、思ったのです💡

そして、物語の締めくくり、カフェで書き物をしているのは汀さんですが、この汀さんは、以前麻衣ちゃんが描いてくれた美麗すぎて畏れ多い気すらしている絵を、そのまま連れてきたものです。


この場をお借りして、おふたり…そしていつも見守ってくださっているみなさまに、改めて感謝の意を💙

↑この絵のおかげで、今回のカフェ・ファンタジア("幻想喫茶"?)はとりわけ、大正浪漫のかをりが濃厚になりましたが(室生犀星とかの雰囲気ね)――模様替えもよくありそうなので、時にはベルエポック、時にはゴシック、時には近未来...いろいろなカフェ・ファンタジアを見てみたいなと思います。

#ありがとう  #noteのご縁に感謝
#創作のメモ  #幻想を養分にして生きています #コメントいただけたらうれしいな

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