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🪖🦅 オスプレイの重大事故件数についてちょっとだけ考えてみた

はじめに

航空機の専門家やミリタリークラスタの人たちほど詳しくないが、オスプレイが不時着水する事故が起きたのでオスプレイについてちょっと調べてみた。

事故当時の飛行形態(垂直離着陸モード/転換モード/固定モード)や事故原因はまだ調査以前の搭乗員捜索中で不明だし、ティルトローター機体の過去のイメージの悪さから機体設計や機体の欠陥に関する指摘が多いが機体運用の違いについても着目する必要があると思われる。

1. 10万飛行時間あたりの重大事故件数(まとめ)

1.62 陸軍の有人航空機全体(2023.11現在)
1.35 空軍の有人航空機全体(2023.09現在)
2.58 空軍の無人航空機全体(2023.09現在)
2.59 海兵隊の有人航空機全体(2022.09現在)
2.27 MV22(海兵隊仕様)(2022.09現在)
3.16 MV22(海兵隊仕様)(過去10年間の平均)
3.27 MV22(海兵隊仕様)(2010年度以降)
6.00 CV22(空軍仕様→特殊作戦用)(2021.12現在)

2. 運用と考察

重大事故件数については1.で示した数字を単純に比較するだけではダメで、データの採取期間、また航空機が所属する軍や部隊の性質やそれに伴う機体の運用にも目を向ける必要がある。
また本noteとは関係無いが、ネットニュースやSNSでは「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」が多いことにも注意。

以下考察(素人なりに思いついたことを多数含む)
※専門家による解説求む!

・MV22の重大事故件数については、過去10年や2010年度以降のデータではなく、海兵隊の有人飛行機全体と同じ時期(2022.09)に採取されたデータ同士で比較するのが妥当と思われる

・陸軍の有人飛行機は海軍、空軍に比べてそもそも母数となる保有機数が少ないと思われる
→事故リスク低め

・海軍や海兵隊の有人飛行機は空母や艦船で離発着し、洋上で演習・作戦を行うことが多い。また海兵隊は艦船から敵地に真っ先に乗り込む部隊であるため、物資や兵員を輸送する有人飛行機もそれを想定した訓練・作戦飛行が行われる
→事故リスクは高め

・空軍の有人飛行機は戦闘機も輸送機もジェット機が多いが、地上で離着陸を行い、多くの場合制空権が確保された空域を飛行することが多い
→事故リスクは低め

・同じ空軍の有人飛行機でも特殊作戦用のCV22は敵に見つかりにくいように夜間にレーダーや暗視装置を用い、低空飛行で演習・作戦飛行が行われる
→事故リスクが最高に高い

3. 原因調査のために

SNS等では事故機の破片については米軍に引き渡すと証拠隠滅されるから死守しろという人もいるが、その想いに反して破片を死守することは違法かつ原因究明の妨げにしかならない。

・刑法254条で遺失物等横領罪の対象は漂流物も該当するとの記載がある

・事故原因を調査するためにはブラックボックスの発見・解析および米国のNTSB(国家運輸安全委員会)並みに事故機体を復元して調査する必要があると思われる
→事故機の破片を死守する(故意に米軍に引き渡さない)と違法かつ原因究明の妨げになる

刑法第254条

遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

引用元:六法全書
NTSBによる事故原因調査のための機体復元例(機体の壊れ方等が判明する)

4. 最後に

オスプレイについては政治的な思惑からかSNSではとにかく否定的な批判をする人が多いが、その中に事故機の搭乗員の安否を心配する人はいない。
(思想を語る前に人としてどうなのよ?)

事故に遭われて亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、まだ遭難中の搭乗員が一刻も早く見つかりますように。

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