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02・「難民を中心にすえた支援――特にシリアの一端」

<参考文献>「国連UNHCR協会活動報告2023」

「国内避難民や帰還民への農業支援」

2011年より続くシリアの内戦により、500万の難民が近隣国で庇護を受け、国内には720万の国内避難民を抱えている。さらに国内の経済状況が急速に悪化し、国民の三分の二にあたる1670万人が人道支援を必要としてる。

シリアの紛争で多くの人々が生計を立てる手段を失うなか、深刻な影響を受けているのが、農業である。UNHCRは、農業や畜産の再開を希望する国内避難民、帰還民を支援している。農具や種の配布、灌漑(水路を作って田畑に必要な水を引く)システムの支援など。種の提供を受けて始めたジャガイモプロジェクトの成功例では、得たお金で来シーズンの種を購入できたという。

「受益者のニーズに応える現金給付」

さらに、2023年2月には、トルコ・シリア地震が発生し、シリアでは880万人が被災した。行政の資金や能力が不足するなか、UNHCRの人道支援は、人々の命を守ってきた。シリア各地で、物資を届ける代わりに受益者の手で必要な物資・サービスを購入してもらう、現金給付は、受益者のニーズに応える効率的な手法であり、近隣コミュニティへの経済波及効果がある。

「デジタルツールでジェンダー平等」

UNHCRは、女子学生をはじめ、誰もがデジタルテクノロジーを使って意思表示し、デジタル社会に参加できるように、デジタル・インクルージョン・プログラムを実施している。教育におけるジェンダー不平等の是正にも効果が期待される。

*その他、UNHCRの活動は多岐にわたることを注記し、その一部を一支援者として、特にシリアの現状にスポットを当てて、紹介した。

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