見出し画像

ありがとう、きらりん☆レボリューション

始めて買ったCDは、確か「恋カナ」だった気がする。
当時流行っていたきらりん☆レボリューションのアニメOP主題歌だった。
小学生の頃から既にオタクとしての素質があったんだろうな、といま振り返ると思う。

きら☆レボとの出会い 

私は生粋のちゃおっ娘だったので(なかよしに浮気もしてたけれど…)、きらりん☆レボリューションは本誌掲載の漫画から入った身だ。
キラキラしている可愛い女の子なのに、大食いのせいでどこかコンプレックスもあって。
でも前向きに明るくひたすら頑張る姿が凄いなって思って。
(あと、shipsの2人がとても格好良かったので)
気付いたらコミックスも買って、アニメもちゃんとリアルタイムで見ていた。

アニメで驚いたのは、実際にきらりちゃんが歌って踊る歌が発表されたこと。
OP,EDに起用されていたため、毎週のように聞いていた。
ずっと聞いていたかったが、当時はスマホや音楽プレーヤーなど無かったし持っていなかったため、両親に借りた中古の録音機器でTVの音を録音していた。
静かにしていないと雑音が入っちゃう、アレである。
今と比べれば音質も悪く、雑音だらけで、聞き取りにくい音だった。
しかし、私にとっては何よりも綺麗な音に感じていた。

CDを知ったあの日

そんな私にCDの存在を教えてくれたのは、誰だっただろうか。
一番の候補は母で、二番目の候補は当時の友人。
もう記憶も薄れて忘れてしまったが、CDさえあれば雑音の無いきらりん☆レボリューションの音楽を、きらりちゃんの声を聞けるんだと思ったんだろう。
当時のなけなしのお小遣いを貯めて、意気揚々とTSUTAYAに向かった気がする。

その当時ヒットしていた事もあり、すぐに見つけられた。
確か「恋カナ」が初めて発売したCDシングルだった。
そのためきらりん☆レボリューションの曲、として買えたのが「恋カナ」だったのだ。

買ったCDを手に取って、帰りの両親が運転する車の中でずっとジャケットを眺めていた気がする。
キラキラした可愛いアイドル衣装に身を包んだ、可愛いきらりちゃん(久住小春ちゃん)。


「凄い、実際に居るんだ」

と感じたかは分からないが。
当たらずとも遠からずなことは考えていた気がする。

家に帰って早速聞いてみた。
この辺の記憶は曖昧だから、手短に済ます。
きっと自分で録音していた音とは違う綺麗な音・歌声に衝撃を受けたのだろう。
私は、その後ずっと両親の車に乗る時は「恋カナ」を流すようにせがんでいたのだから。

大人になって

時は流れて、大学生時代。
きらりん☆レボリューションのことも、「恋カナ」のこともすっかり忘れていた。
ただ音楽への興味関心は薄れることなく、クラシック音楽からVOCALOID、Jpopにロックミュージックなど幅広い音楽を聞いていた。
今では追加で洋楽やヒップホップにも少しだけ手を出しているくらいだ。
きっと遺伝子レベルまで音楽好きが染み付いているのだろう。


そんな音楽好きが功を奏して、楽器演奏もしている。
幼少期・中学・高校と楽器の種類はコロコロ変わっていたが、演奏する魅力にもずっと取り憑かれていた。
そして、大学生活で選んだ楽器はクラシックギター。
ギターというメジャー楽器であり手を出しやすい楽器でありながら、"クラシック"ギターというあまり聞いた事のない楽器。
その珍しさに惹かれたのと、見せてもらった演奏が非常に楽しそうでその空間に混ぜてもらいたくて仕方なかったから。
あとは、当時好きだった人がギターを弾いていて、共通の話題になればなんて下心もあった。
そんなこんなで初めた、クラシックギター。
色々な弾き方で音色が変わるのが面白かった。
サークルの人も良い人ばかりで、大好きな場所になった。
気づけば、3年でサークルの代表をするくらいには好きだったのだ。

サークルの出会い

サークルの代表をするにあたって、私の中の世界は広がった。
今までは自分のサークル内と学科の交友関係のみだったが、代表をしていたら違うサークルとの交流をすることが増えた。
最も多かったのは、同じように音楽をしているサークル。
合唱にオーケストラ、軽音楽にDJまで。
びっくりするように音楽の世界も広がった。

そんな交流をしていく中で、「幼い頃に聞いていた音楽」という話題がたびたび出ていた。
やはり音楽をする者同士、話の取っ掛りは音楽に限る。
当時の私は「幼い頃に聞いていた音楽」と言われて、パッとは思いつかなかった。
「何を聞いていたんだろ?」
自問自答で幼い自分に聞いている内に、ひとりの女の子がポツリと漏らした。

「きらりん☆レボリューションって覚えてる?」

その言葉を聞いたとき、懐かしい記憶で頭の中が埋め尽くされた。
ああ、大好きだった。なんで忘れてたんだろ。
思い出した。
女の子に対し、「私も好きだった」と返すとパッと表情が明るくなった。
「懐かしいよね!あの頃、ずっと聞いてて〜」
そう話す女の子に、親近感を感じる。
話せば、周囲に居る音楽サークルの子たちも知っている人が多かった。
昔を懐かしむように、自然とカラオケに向かったのは自然の摂理だろう。

その時に見たカラオケのMVが十数年越しの彼女との再会だった。
ふと画面から視線を部屋の中に移すと、後の掛け替えのない友人たちが居た。
みんなが思い思いに歌い、話し、笑い合う。
こんな光景の中で「恋カナ」が流れている。
ああ、嬉しいなと心から思えた。


きっとこれはファンレター

大好きだったアイドルへ。
ありがとう、きらりん☆レボリューション。
ありがとう、きらりちゃん。
当時の私へ夢と希望、勇気を与えてくれたこと。
そして幼い頃のあなたとの出会いが、大人になった私の大事な出会いをつくってくれたこと。
もしかしたらまた忘れてしまうかも知れないけれど、思い出せなくなるかも知れないけれど。
でもあの日、あの光景を見せてくれたことに心から感謝を送ります。
あなたを好きになれて、「恋カナ」を買いに行って、良かったです。
大きくなったひとりのファンより。


香月


#はじめて買ったCD

この記事が参加している募集

はじめて買ったCD

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?