真夜中 ―― Midnight.

真夜中は、少しだけわくわくする。嫌いじゃない。怖いけど。

自分が夜型人間なのもあるのかなぁ。静かな真夜中に、皆が寝てる中リビングで作業したり、ソファーにもたれてぼーっとする時間がすごく好きだ。

今日も相変わらず帰りは遅くて、本当の終バスにも乗れそうになくて、母さんにメールすると父親が車で迎えに来てくれる、とのことだった。終バスに乗るはずだった駅に着いて、暗闇の中を歩く。

いつもは急いで通り過ぎる道を、ゆっくりと歩いた。新しい装飾が増えたな、ここの通路はこんなに狭かったっけ、…懐かしいようで懐かしくない、そんな感じ。

坂になった通路を進むと目の前のシャッターは閉じていて、前から人が歩いてくると一見「あなたはどこから現れたの?」と尋ねたくなる。本当は横に、外に通じる出入口があって、だけどそこは今まで見たどんな時よりも真っ暗だった。そこから出られても、実はさらに分厚いシャッターが既に閉められてるんじゃないか?…って。

リニューアルした駅の商業施設も、暗闇の中では昔と変わっていなかった。それが少し嬉しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?