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あいまいなひとりごと

いつも、ふわふわしている。目に映る景色が流行りのフィルムみたいに淡くぼやけた感じがする。感じがするってだけで、実際視力に異常はないのだけれど。

いつも、にこにこしている。嫌いな人に嫌いな言葉をかけられた時も、とりあえず笑っておく。人の好きなものを否定する人とは、たぶん関わりたくないのだけれど。

いつも、そわそわしている。大切な人を無自覚に傷つけたのではないかと、怖くなる。大丈夫だよと笑ってくれるものだから、結局甘えてしまうのだけれど。

こんなふうにして、私という人間は「曖昧さ」を基準に出来上がってしまった。それならそれで良いとは思うが、厄介なのは自分の「芯」も意外と持っているという矛盾。人当たりよく振る舞っていたいけれど、そこで意図しない場面に遭遇すると、うざったいくらい真っ直ぐな言葉が出てくる。普段あれだけ言葉を考えられているのに、カッとなるとそんな語録は消えてしまう。人に何か大切なことを伝えたい時、心の温度や感触に合わない言葉が出てきてしまってはもどかしい。そのまんまを伝えたいのにね。それでも私は言葉が好き。日本語が好きだよ。ほんの少しでも、私の曖昧さを補う言葉が存在するから。これからもきっと、どこかもどかしくても、私は言葉に触れながら助けられて生きていくのだと思う。

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