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Micro-TESEについて

前回は不妊症と診断を受けるまで書きました。
来週手術を受ける予定なので、心を落ち着かせる意味で色々書いていきます。


Micro-TESEを知る

不妊症と診断されたその場で、今後の治療方針を教えていただきました。

https://www.tawara-ivf.jp/care/man2.html


私の場合は、一番右のMD(Micro)-TESEを受け、精巣内から精子を探す手術が必要とのことでした。

https://mens.hanabusaclinic.com/operation/microtese/

見るからに痛そうですね。
私含めて皆さん気になると思うので、メリット・デメリット(リスク)を諸々集めてみました。

Micro-TESEのメリット

第一には非閉塞性無精子症と診断された男性の、おそらく唯一の実子を得る手段であることです。
結果として精子を得られない可能性も70%程度ありますが、打つ手が無いわけでは無いという意味で、現代医療に感謝するほかありません。

精巣へのダメージの少なさ
非閉塞性無精子症の場合は、TESE(精巣内精子回収法)よりも、MicroTESE(顕微鏡下精巣内精子回収法)のほうが精子を採取できる確率が高いこと、 また、取ってくる精巣組織の量が少ないため、精巣に対するダメージが小さくてすむので術後の男性ホルモンの低下などの副作用が少ないです。これらの理由から、MicroTESEがふさわしい方法になります。

最も大きなメリットは、手術用顕微鏡で注意深く血管を避けながら手術をするので、余分な精巣組織の損傷 が最小限で済むという点です。つまり、MicroTESEは精巣にやさしい手術法であるということです。

https://www.mids.jp/maleinfertility/chiryo.html#:~:text=Micro%20TESE%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%86%E8%A8%B3&text=%E9%9D%9E%E9%96%89%E5%A1%9E%E6%80%A7%E7%84%A1%E7%B2%BE%E5%AD%90%E7%97%87%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AF%E3%80%81TESE,%E3%81%AE%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%8C%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

Micro-TESEのリスク

「玉を切る」という点で直感的に恐ろしい手術ですが、痛みだけでなく術後の後遺症も意識する必要があるようです。

短期的リスク
痛み、内出血、感染などの可能性があります。その他、両側MDTESE(Micro-TESE)を行った場合は男性ホルモンが軽度低下する可能性が稀にあります。

痛みについて、当センターでは特殊な局所麻酔を使用しているため、手術中の痛みはほとんどなく、手術後の痛みも、自宅で、痛み止めの内服1-2回、痛み止めの座薬1回使用が平均的で、翌日から事務仕事程度は可能です。

https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/man_sterility/idiopathy_and_non-blockaded_no_sperm_syndrome.html#:~:text=MDTESE%EF%BC%88Micro%2DTESE%EF%BC%89%E3%81%AE,%E6%80%A7%E3%81%8C%E7%A8%80%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

長期的リスク
長期的な合併症としては男性ホルモンの低下があります。精巣は精子を作る以外に男性ホルモンも作っています。精巣を切るためにこの力も減弱することがあります。もちろんそうならないように工夫をしておりますが、もともとの精巣の機能も関わってくることから、残念ながら0にすることは出来ません。男性ホルモンが下がると、ほてりや疲労感、意欲の低下、性機能障害、筋量の低下などが起きます。いわゆる男性更年期の状態です。治療は男性ホルモンを月に1回注射で補充し、安定すればほぼ術前と変わりなく生活することが可能です。

https://ivf-kyono.com/column/post-5588

長期的な男性ホルモンの低下については、クリニックにより記載が異なります。
どれだけ調べても、手術後のホルモン低下割合などの値が無かったのでこの点は非常に不安に思う所です。

痛み、内出血、感染などの可能性があります。その他、両側MDTESE(Micro-TESE)を行った場合は男性ホルモンが軽度低下する可能性が稀にあります。

痛みについて、当センターでは特殊な局所麻酔を使用しているため、手術中の痛みはほとんどなく、手術後の痛みも、自宅で、痛み止めの内服1-2回、痛み止めの座薬1回使用が平均的で、翌日から事務仕事程度は可能です。

https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/man_sterility/idiopathy_and_non-blockaded_no_sperm_syndrome.html

実はmicro TESEを13年間にわたって実施してきた結果、micro TESEが向かないケースもあると感じるようになってきました。micro TESEは精巣の表面の観察には向いていますが、深部の観察はやや苦手です。それでもblunt dissectionと言ってマイクロピンセットで精巣奥まで傷つけることなく分け入りながら深部まで観察できる場合は問題ありません。しかし精巣が比較的大きく、精巣の組織が固く、先のblunt dissectionが困難で、組織を切開しないと奥まで観察できない場合は、出血で視野が悪くなるため、あまり無理はできません。それでも手術を強引に進めると、組織のダメージが大きくなって男性ホルモンが下がって回復しないことから、生涯にわたり補充が必要になってしまうことがあります。実際他院でmicro TESEを受けられてから男性ホルモン低下により体調不良となり、当院でホルモン補充をしている方もおられます。

https://kanto-clinic.jp/column/micro-tese%E3%81%8C%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E9%9D%9E%E9%96%89%E5%A1%9E%E6%80%A7%E7%84%A1%E7%B2%BE%E5%AD%90%E7%97%87%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AA%E8%A1%93

①疼痛
キズあるいは陰嚢の疼痛が術後1週間程度はありま す.疼痛の程度は個人差があります.
②感染
感染予防のため, 術前/術後は抗生剤を投与しま す. それでも極まれに感染をきたし, 発熱や創部離開 が生じることがあります.
③後出血
手術中の出血は, 電気メスなどでよく焼灼して止 血し, 止血を確認してからキズを閉じます. しかしながら, 止血されていた出血部が術後に再 度出血することがあります.
④男性ホルモン(テストステロン)低下
精巣は精子を作る働きのほか, 男性ホルモン(テ ストステロン)を作る働きもあります. 手術によって精巣がダメージを受けるため, 術後 にテストステロン欠乏をきたすことがあります.両 側施行例や単精巣では術後再診時にテストステロン を測定します. また, 定期的なホルモン補充治療が必要となる 場合があります.

https://dept.dokkyomed.ac.jp/dep-k/repro/_src/3159/TESE.pdf


ここまでがMicro-TESEについての大まかな情報です。
次回は費用や病院による治療成績の違いなどをまとめていきます。



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