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MBTIをやった方がいい人は「極端な人」「生きづらい人」

 今回はMBTIをやったほうがいい人について話してみる。結論を言うと変人程やってみたときの恩恵が大きいと思う。


MBTIをやった方がいい人

 これは割と自信があるのだが、自身が変わり者で「生きづらさ」を感じている人、「極端な人間」と自覚している人ほどMBTIは有用と思う。ここでいうならズバリ以下のような要素を持っている奴らだ。自身の感想で恐縮だが、ぱっと浮かんだ要素を箇条書きで書いていく。

・発達障害傾向を自覚している人、不注意性が強い人
・動作性IQが低い人、ディスクレパンシーが強めに出る人
・普通のことができない人、不自由感が強い人
・面接で落ちまくる人、仕事がなかなか続かない人
・劣等感を感じやすい人、自己評価が低い人

・MBTIを実際にやって少数派のタイプを引いた人
・極端に直観型の方向に振れてしまう人
・言いようのない孤独感や疎外感をいつも感じている人
・人から共感を得られない人、なかなか理解されない人
・コミュニケーションがうまくいかない人、空気が読めない人

 ざっくり言うと、上は「日常生活での不自由や劣等感を感じやすい人」で、下は「他人と意思の疎通がうまくいってない人」ということになる。中には筆者のように上と下の両方の両方当てはまる人もいるだろうし、フルコンボだドン!という人もいるかもしれない。

なんでかは知らん。人それぞれ理由はあるだろう。発達障害なのかもしれないし、そうでないのかもしれない。慢性的にズレているのかもしれないし、環境が変わったことで生じた一次的な適応障害かもしれない。それが何なのかを診断・究明するのは医学や心理学の領分となる。我々素人のできることじゃない。

 理由は分からないが、しかし現状において「生きづらさ」がある人、「極端さ」を自覚している人はとりあえずMBTIをやってみて損はないと思う。MBTIは行動特性(具体的事例)から性格タイプ(類型)を当てはめていく自己理解のためのツールなので、そうやって使われるべきなのだ。

MBTIは「あなたはこのタイプなのでこういう人です」という類のものではない。むしろ逆で「こういう行動特性がある人はこのタイプかもしれません」というツールとなる。批判をする人でここを誤解している人は多い。MBTIは演繹的アプローチではなく帰納的アプローチなので、実際の事例を複数並べてみてから類型を絞り込んでいくのは、本来の趣旨に沿っている。

空想や妄想をよくしがちな人

 MBTIをやった方がいい人で、典型的な上記のパターンだ。空想や妄想をよくしていて、しばしば天然ボケが炸裂したり、なんか周りとズレていたり、ボーっとしていて反応が鈍かったり、不思議ちゃんだったりして、よくいじられるタイプの人はやってみるといいかもしれない。

メタ的な答えになるがそういう人はN型(直観型)に該当する可能性が高いからだ。MBTIにおいて16タイプは均等に存在しているわけではない、実際にはばらつきがある。

 MBTIは4軸8つのアルファベットの組み合わせで16タイプを類型するが、その中でE(外向型)orI(内向型)、J(判断型)orP(柔軟型)は然程大きな差はない。T(思考型)orF(感情型)も、男性はT型が多く女性はF型が多いという性差はあるが、全体で見るとやはり然程大きな差はない。

しかしその中で、S(感覚型)orN(直観型)だけはその割合に大きな差があるのだ。S型はおよそ70%強でN型は3割弱という説が有力となる。つまりN型は8タイプともすべて少数派を余儀なくされる。(ただしENFPは唯一そこそこいる)

 同時に、このS(感覚型)orN(直観型)が日常生活や社会生活において一番影響が出やすい要素となる。他の3軸は「関心の向かう方向性」や「認識した物の判断」であるの対して、このSN軸は「物事の認識の仕方」という認知にかかわる部分になるので、方向性や判断以前の問題になるからだ。

早い話か普通の人(S型の人)と見えている世界が違うので、アウトプットとして出てくる方向性や判断も当然普通の人とは違うものになってしまう。このズレが独特の変人気質や、天然ボケ、ぼんやり、不思議ちゃんとなる原因で、人によっては「生きづらさ」になってしまう。

「自分だけが他の人と違う」という孤独感・疎外感を感じている人

 自分が他の人とどこか違う、「生きづらい」という孤独感・疎外感を感じている人はMBTIをやると多少楽になる。筆者も「普通の人が普通にできることが、いつも自分だけができない」という強い違和感や不自由感を感じていた人間だったのだが、MBTIはこういうヤツほどオススメだ。

日常生活をこなせない、いじめや孤独など人間関係で不自由を感じている人というのは、別にその人が「特殊な人間」ということはまったくない。そういう人間も大数で見れば、実はパターン化された一般人に過ぎない。たまたま少数派の性格パターンを引いてしまっただけなのだ。

マクロ環境で見ると話が変わる

 MBTIのタイプごとの比率を調べるといくつかのソースがあるが、筆者が比較的忠実かなと感じるのはこのソースだ。MBTIが今ほどはやっていなかった2017年には既にあったと思う。INFPが一番多いとされるソースもあったが、ちょっと懐疑的かな。母数や調査対象が偏っている気がする。

少数派の性格パターンを引いた人は、家族親族、クラスメイト、会社の同僚といったリアルの人間関係の中では、理解者や共感者をほぼ得られないだろう。これは当然のことで、たとえばINFJなら全タイプ中の2%程度しかいないらしいので、それが正しいならば友達50人作ってその中にいるかいないかの期待値しかない。男性INFJに限れば1%を切るのでさらに確率は低下する。

筆者もINFJだが自身のリアル人間関係では同じINFJは見かけたことがない。筆者の場合、中学の部活でソレっぽい人が1人いたくらいで、しかもその子もおそらくは違う。きっとISFJだと思う。INFJがまともに生きたときに同じ世界観を持った理解者に出会える期待値は、この苦しい人生を何十年と生きてその程度でしかない。激レアにもほどがある。

ただしそれはリアルの人間関係というミクロ環境での話であって、大数(不特定多数)が集まるネット掲示板やSNS、そしてこのnoteといったマクロ環境になると話は別だ。おまえら一体どこから湧いてきたんだと言わんばかりに、どいつもこいつもINFJばっかり集まってくる。

パターン化できると対策が見えてくる

 このように、ミクロ環境ではわからないことでも、マクロ環境になるとうっすら傾向やパターンが見えてくる。MBTIの言葉と概念を借りれば、こういう性格傾向を持った奴らのことをざっくりINFJと表現をしていて、またINFJはそのことを認識して自分をINFJと名乗っている。筆者も他のINFJも、また他のタイプの人も、それに乗っかっている。言語表現として便利だからだ。

つまり一定の傾向やパターンが存在するならば、それは一般化(標準化)が可能ということだ。傾向やパターンがあるならば、当然傾向分析や対策も議論されていることになる。つまりそういうヤツら(ここでは仮にINFJ)に効くクスリ(処方箋となり得る方法論的アプローチ)は既に存在していることになる。

 MBTIの便利なところはここだ。だから少数派ほどやった方がいい。MBTIが心理学的に正しいかどうかはわからないが、とりあえず都合がいい。だからやっておくと生きる上でマシになる。

人間の歴史はたかだか西暦で2000年チョットのもので、わからないことはたくさんある。あくまで西暦2024年現時点の人類においてMBTIは便利だけだ。この先にもっと精度がいい自己理解ツールが発明されればそちらに乗り換えればよく、そうなればそのうち廃れるだろう。

たとえるなら、現在はLED照明が使われているが、蛍光灯は生産中止となり、白熱電球はとうに廃れている。それと同じことだ。知能検査のWISCWAISは現にバージョンアップが段階的になされている。「言語性IQ」「動作性IQ」という概念もWAISIIIの概念であり、WAISIVでは使われていない。わかりやすくて便利なので普通に使われているが実は死語なのだ。

MBTIは自分と「普通の人」との距離感を推し量る指標となる

 MBTIは自分と「普通の人」との距離感を推し量る補助ツールになる。冒頭で「極端な人」「生きづらい人」ほどやるべきと言ったのはこれが理由だ。

特に自身がN型に属する人は、S型の人の認知方法を学習しておくことで、世の中や社会一般とのズレを矯正することができる。自分が「当然」に思ってきたことが、実は「当然じゃない」ということを認識すること(これをメタ認知という)はN型にとっては生きていくための知恵、処世術となる。

IN型(INTJ、INFJ、INTP、INFP)のように「普通の人」との距離感が特に大きいタイプにとっては、もはや必須スキルと言ってもいいだろう。MBTIを理解しているN型は、かなりの精度で擬態ができる。それは結局は鳥として生まれたものが、魚として生きろと強制されているのと同じなのだが、息継ぎをすればなんとか続けられるし、溺れて死んでしまうよりはマシだろう。

 N型以外の人も、E(外向型)orI(内向型)、J(判断型)orP(柔軟型)T(思考型)orF(感情型)の違いを押さえておくと、環境とのギャップ、就職先とのマッチングは事前に把握することができるだろう。

たとえばISFPが営業管理職に就職するとか、ESTJがカウンセラーが就職するとか、そういう明らかなアンマッチは知っておくと回避できる。ただし本人の意思を妨げるものではない。本人が望みさえすれば、ISFPが営業管理職をやっていいし、ESTJがカウンセラーをやってもよい。

まとめ

 今回はMBTIをやった方がいい人について書いてみた。この記事のヒントになったのは、漫画「鋼の錬金術師」のゾルフ・J・キンブリーのセリフだ。

自分が今のこの世界において異端である事はとっくに分かっています。
しかし、私のような者が生き残れば、それは世界が私を認めたという事。

そういうことなのだ。キンブリーは薩人鬼だが独自の美学に従って生きていて、自分で「自分を異端だと理解」している。自分と常人との違いや距離感を相対的に「理解」しているので、国家錬金術師の精神鑑定面接をパスしており、しかもそれを造作もないことと言ってのけている。

さすがにキンブリーのようにはいかないし、マジモンのサイコパスなので実際なっちゃダメなのだが、「生きづらさ」を抱える人にとってMBTIはその指標になるとは思う。MBTIは「学問」ではなくあくまで「ツール」にすぎない。理解して都合よく使い倒せばそれでいいのだ。

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