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【MBTI好きにオススメな資格】メンタルヘルスマネジメント検定

秋と言えば勉強の秋!ということで、MBTIや心理学好きにオススメの検定試験を雑に紹介してみるコーナー。とりあえず行ってみよう!


0.筆者のMBTI知識の背景

 筆者はこのnoteでMBTI関連の話を書くことが多いのですが、医師や心理学の専門家、カウンセラーではなく一介のサラリーマンにすぎません。

ただこうした内容を書く以上はなるべく根拠の裏付けを取りたいとも考えていて、私の場合は自らの体験や周辺知識を乗せて書いています。筆者の略歴としては法学部を卒業していて国家公務員試験の最終合格歴があります。

 残念ながら無い内定で終わりましたが、公務員試験は思想・社会科学・人文科学と人・組織・社会にまつわる知識を浅く広く勉強させられるので、これがベースになっています。ラーメンで言えばこれが「スープ」になっていて、MBTIは「タレ」です。

この界隈の先駆者様であるイブリースさんと文体や解釈といったスタンスが似通っているのはそのためで、どうしても法学部の定期試験や公務員試験の専門記述論文のようなノリになってしまうようです。

 また過去に(今も?)人事職を目指していたことから社会保険労務士試験の受験歴があります。これは前の会社で働きながら受けたもので、予備校に1年近く通ってガチ勉強しました。

途中でデスマーチに放り込まれたおかげで残念ながら落ちてしまったのですが、第一種衛生管理者をはじめ人事労務系の資格・検定はいくつか取得していて、これらの知識もある程度乗せて書いているつもりです。

1.勉強の秋!…ということで。

 そんなわけで最近涼しくなってきて勉強しやすい季節になってきましたが、MBTI好きにオススメな資格試験があります。その名もメンタルヘルス・マネジメント検定というものです。

これはメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を体系的に習得することができる検定試験という触れ込みになっていて、社会人が職場で役立てることを想定した検定試験です。

■試験概要(※2024年現在)

試験日程:3月下旬・11月上旬(※I種は11月のみ開催)
試験申込:2月上旬頃(3月試験)9月下旬頃(11月試験)
受験資格:制限なし(誰でも受験可能)
試験区分:I種(マスター)・II種(ラインケア)・III種(セルフケア)
受験料:I種:11,550円 II種:7,480円 III種:5,280円

■公式Webサイト


試験は毎年11月上旬・3月下旬の年2回開催で、試験種はI種(マスターコース)・II種(ラインケアコース)・III種(セルフケアコース)の3種類があります。学習の程度や時間に応じて難易度を選べるのが特徴で、受験資格も必要ないため気軽に受験できるのがいいところだと思います。

※なお筆者はこの試験を主催する大阪商工会議所の回し者ではありません。

2.検定種別(I種・II種・III種)について

 基本的にはI種が一番難しく、III種が一番簡単なのですが、ケアの範囲や学習の目的が異なるということで学習内容がかぶっていません。

似ているのは日商簿記検定試験で、簿記2級と簿記3級では問題のテイストが異なっていて、2級が受かっても3級も受かるとは限りません。2級では商業簿記なら本支店会計や連結決算、工業簿記なら各種原価計算やCVP分析がメインテーマで、2級では決算整理仕訳は一部の論点に過ぎません。

 しかし3級だとこの決算整理仕訳がアホ程出るので、ひたすらやり込むことになり、2級の片手間で同時受験すると落ちます(1敗)

そして1級になると難易度・勉強時間が跳ね上がります。この試験もそんな感じで純粋な上位互換となっておらず、それぞれ別個の試験という感じになります。

筆者はII種のラインケアコースを受験・合格しましたが、MBTIや心理学が好きな人がとりあえず趣味でやるなら、III種のセルフケアコースが手軽に受けられていいと思います。

III種 セルフケアコース

 一般社員が組織で自らのメンタルヘルス対策を推進するために必要な知識を習得します。全問マークシート方式で問題数は50問、制限時間は120分7割正解で合格です。

試験の合格率は70%程度で、合格までに必要な所要勉強時間は20時間程度といわれています。1~2か月程度見積れば合格は可能でしょう。

II種 ラインケアコース

 管理監督者(上司)が部下のメンタルヘルス対策を推進するために必要な知識を習得します。全問マークシート方式で問題数は50問、制限時間は120分7割正解で合格です。

試験の合格率は60%程度で、合格までの必要な所要勉強時間は50時間程度といわれています。2~3か月程度見積れば合格は可能でしょう。

I種 マスターコース

 人事労務管理スタッフや会社経営者が、社内のメンタルヘルス対策を推進するために必要な知識を習得します。このI種のみマークシート方式+論述試験という方式になっています。

試験はマークシート方式の問題数は50問、制限時間は120分です。論述式の制限時間は60分です。合格点はマークシート方式:70/100 点+論述式:25/50 点を満たし、合計 105 点以上で合格です。

 試験の合格率は18%程度で、宅建士試験が上位15%合格の試験と考えるとそれなりの難易度があります。勉強に必要は所要時間は120時間程度で、3~4か月程度ですが、安定合格には半年くらいはかかるかもしれません。

年1回の試験なので気軽に受けにくい点も厄介で、趣味の資格としてはちょっと敷居が高い感じもあります。

3.完走した感想(II種 ラインケアコース)

 この検定試験は3年前くらいに合格したもので、合格までの勉強期間は2~3か月くらいでした(うろ覚え)。ただ第一種衛生管理者からの連戦だったのでそれなりに本腰を入れて勉強した記憶はあります。

この検定試験はあくまでメンタルの「マネジメント」に主軸が置かれているので、ストレスを感じやすい環境とか、ストレスを感じた社員の取り扱いに関する話とか、そういう話がメインになります。

ストレスが及ぼす肉体への影響とか、うつ病、適応障害、発達障害といった症例については触り程度であっさりでした。あくまでサラリーマンの周辺知識の補完をした検定試験であって、医療系の国家資格ではないのでそういう向きになりますね。

 ただし大学の一般教養授業や、公務員試験科目の心理学では出てこない概念や論点が出てくるので、そこは割と新鮮でした。元々興味があった分野なので取っかかりやすくも「そういう考え方があるのか」と素直に感心するものも多かったです。

またプライベートにも転用が可能で、パートナーや身内にメンタル不調の人がいた場合において、どう接するべきなのかというヒントはこの検定で一定得られるのではないかと思います。

4.就職に役に立つのか?

 正直言うとあんまり役に立たないと思います。単純に就職したいなら、宅地建物取引士(宅建士)、第二種電気工事士のような今すぐ食える系の国家資格、女性なら日商簿記検定二級とかをおすすめします。

そしてコレ取ったからといって人事労務に就職できることはおそらく(ないです)。そしてそれは難関の社会保険労務士試験や、金と期間がべらぼうにかかるキャリアコンサルタント試験も同様と思われます。

①意味はちゃんとある試験!

 ただこの試験は民間資格としてはそれなりにまともな方で、学習内容もよくよく考えると大事なことを学びます。たとえば「うつ病」について。巷でよく聞くワードですが、この病気のことを「単なる気の持ちよう」あるいは「甘え」と思ってはいませんか?

そして「うつ病」の治療に効果的な手法は「カウンセリング」だと思ってはいませんか?薬は使わない方がいいと思ってはいませんか?

 実はこれ、どちらも不正解でして、「うつ病」は脳の生理学的・機能的な不全状態で、医学的にはれっきとした「病気」なんです。単なる疲れとか、気の持ちようではないんですね。

そして「うつ病」は脳内の神経伝達物質の働きを回復させる効果のある薬が必要な状態なので投薬治療がベースです。だからカウンセリングだけだと効果が薄いのです。薬を出すだけのいい加減なヤブ医者がいるのも事実ですが、「薬に頼るな!」というのもまた間違えなのです。

この検定試験を勉強するとメンタルヘルスに関する正しい知識を体系的に学べます。MBTIに興味のある人は半ば常識かもしれませんが、こういう知識って割と閉じていて医療従事者でないと体系的に学ぶ機会がなく、専門のテキストや参考書もないので、ピンポイントでまとめて体系化したという意味では貴重な検定試験といえます。

②衛生管理者との合わせ技

 この検定試験と第一種衛生管理者は親和性が強いと思います。衛生管理者は労働基準法・労働安全衛生法といった法令面や、有害業務が及ぼす健康への影響といった部分から学ぶのに対して、この資格はストレッサーとその影響、および対策というメンタルにおける知識面をカバーするので、両方持っていると管理者として一定の知識は得られます。

筆者も不動産管理業のサラリーマンという立場上、パート・アルバイト従業員の面接や雇入、教育や指導・定期面談を行うことがあるので、ここで学んだことは頭の片隅に置いて業務を行っているつもりです。とはいえ営業職なので無理をお願いすることも多いのですが……。

5.まとめ

 今回は「勉強の秋」ということで、メンタルヘルス・マネジメント検定を紹介してみました。MBTIや心理学に興味のある人は趣味で受けてみるのも面白いかもしれません。試験に受けなくても、テキストをパラパラめくってみるだけでも勉強になると思います。

II種・III種は3月開催で手薄な時期なので、勉強しやすいと思います。今からやれば十分合格はできるでしょう。

 noteでMBTIネタを書く立場としては、I種試験は話のタネとして取ってみたい感じもあるのですが、秋って宅建士試験をはじめメジャーな年1回開催試験が目白押しなので、現状だとちょっと受験しづらい感じはあります。

ただこれも受験者が増えればペイできる部分と思うので、秋開催の目ぼしい試験を粗方取り終わるか、いつか3月開催になったら受けてみたいなと思います。

なお筆者は業者や商工会議所の回し者ではありません。あしがらずw

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