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辺境のオーバー・ザ・サン偏狂感想日記 Ep.71

2022.2.4アップの回。

オーガニックコントで、優しい歯触り。
さまざまなお勤めの互助会員さんが紹介される商品の数々が、スー美香さんと互助会の皆さんに吟味されて感想をシェアしてくださる。
「暮しの手帖」の商品テストが今も続いている感じでなんだか良い。
あーだこーだ試して、良いものに出会えると嬉しいですし、消費のしがいがあります。
Ep.71では老舗繊維製品メーカー、グンゼ株式会社にお勤め方のご紹介がありました。放送聴きながら即Fitte調べにきました。購買意欲がかなり刺激されましたね…肩がストレスフリーになるって最高じゃん…!

パーッとやりたいこと

やるなら水曜どうでしょうの如く、ヨーロッパ全制覇目指したい。パーッと!
絶対に外せないところは、現在読んでいる本(+映画)に登場する3カ国。

1カ国目はフィンランド。
日本人をフィンランドに目覚めさせた(?)「かもめ食堂」。建築、プロダクトの名手であるアルヴァ・アアルトの作品が生まれ息づいている土地。イッタラ、アラビア、マリメッコの素敵なデザインの数々。チルボド、ソナタ・アークティカ、ローディ、アモルフィスなど多くのメタルバンドを輩出している国。
先日刊行されたChikaさんの『北欧こじらせ日記 フィンランド1年生編』では、観光で行くフィンランドと住んで生活を営み働く視点で見るフィンランドの姿を垣間見ることができる。
これからの働くことに対して悩んでいる私にとって、考えさせられたり、心に響く言葉を書いてくださっているのも、ただその国を持て囃したり、手放しで移住最高と喧伝するのではなく、悩みもがきながら、自身のこれからどうなっていきたいのかという気持ちとフィンランド社会の考え方に葛藤されている姿がリアルで、そんなChikaさんから発される言葉たちが心にじわっと沁み込んでいく。同世代としても、やりたいことの実現に向けて出来うる限りの手段を駆使して夢を叶えていくChikaさんのように頑張っていきたいと思える、素晴らしい読書体験ができた。

人は、本当にしたいことを仕事にした時、生産性が最大化する。
したくないことをして、力が発揮できないより、本当にしたいことをして一人一人が力を発揮したほうが、よりよい社会になる。

『北欧こじらせ日記 フィンランド1年生編』190頁より引用


2カ国目はフランス。
美食、華やかな暮らしの街。
華やか、明るさ、豪奢、プラスな側面で捉えているフランスに、多くの市井の方々の血が流れた革命の時代があったことは世界史でも学んだ。
”王を頂点とする「絶対王政」の世で、その究極の権力「死刑」の執行を担ったサンソン家”の四代目”ムッシュー・ド・パリ”シャルル-アンリ-サンソンを中心に、18世紀のフランスの運命を描いた坂本眞一さんの『イノサン』。
(先日Ep.70の雑誌の話の際にKERAのホームページを見た際に、画集の特集ページがあり、電子書籍を購入しました。無印連載当時は手を伸ばせずにいたのですが…)

死刑執行人が主人公であることから、当時の死と民衆の向き合い方など目を背けたくなる強い描写から逃れることはできませんが、歪んだ社会構造が死刑を廃止したいシャルルの目を通してどのように変わっていくのかを見届けたくて、ページを捲る手を止められません。
どのコマもルーブルにいずれ展示されるのではと思わずにはいられない、繊細で切なく激しい筆致にも魅了されます。圧倒的画力の前に平伏すしかない。
パリの街を歩き、歴史の痕跡を目に焼き付けたい。

3カ国目はイタリア。
パスタ、ピザ、エスプレッソ、ヴェネツィア、ローマ…食も見どころも盛りだくさんですが、今の私が歩きたい街は一つ。

イコライザー THE FINALで、ロバートが過ごすアマルフィ海岸の町、アトラーニ。
感じたすぎる、ロバートがいた空気感を。
サン・サルバトーレ教会へと続く長い石段を、登りたすぎるでしょ…!!

また素敵な感想に出逢ってしまった…


それでも、骨は残っている

OTSの課題図書、ヘミングウェイの『老人と海』。
肉を切らせて骨を断つ。
いや、骨は残っているって話だから断たせちゃだめだった。
老齢の漁師が、最後の漁になりそうな暗い雰囲気を纏ったまま沖に出るが、猛々しいカジキとの一人対一尾の戦いの中で己の命の灯火がまだ燃え盛ることを知り、一矢報いる。
サンチャゴ翁の黄金に輝く負けへんで精神。
OTS聞いてから再読すると、また違った景色が見えるかもしれない…。


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