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バンド好きにオススメしたいバンドBL10選

 ここのnoteの記事一覧を見れば分かるとおり、最近の私の趣味は2つのジャンルだ。1つはバンドだ。大学入学以来、ライブに行くことにハマり、いくつかの本命バンドとその他興味を持ったバンドのライブにしばしば足を運んでいる。
 そしてもう1つはBLコミック。昨年急にハマって以来、実に800冊近くを読んできた(2021年3月現在)。我ながら驚く数字だが、これも購入してくれる協力者(という名の家族)がいてのことだ。家族で趣味が共通しているというのは便利だね。
 そしてある時、私は気付いたのだ。「バンドBLって、私の趣味両方を網羅していて最強なのでは?」と。まあよく考えたら漫画とバンド(音楽)は別次元にあるから足せばいいってもんじゃないんだが、異世界BLとかに比べたら前提知識がある分よっぽど分かりやすく入りやすいのだ。
 ということで、今回はTwitterで私をフォローしてくれているバンド好きのフォロワーの皆様に向けて、バンドBLを勧めたい。
 尚、基準は「私」だ。私が読んだか、私が何を感じたか、などなど、ほとんど主観だ。ちなみに、私はハピエンを好むので大抵はハピエンです(というかBL作品はほとんど主人公らが結ばれるエンドになってる)。それぞれ私の感想ツイートと電子書籍サイト「コミックシーモア」(私がいつも使ってる電書サイト)のリンクを貼ってあるので、気になったものは飛んでみてほしい。だいたい試し読みができるので、作品の雰囲気見るだけでも!(私には一銭も入らないタイプなので御安心を)
 誰かにひとつでも興味持ってもらえるように書いていきまーす。

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【主人公がバンドマン】

①「ギヴン」/キヅナツキ

 私が今回この記事を書くに至った大きな理由がこの作品だ。ちなみに以前、「私はなぜギヴンにハマったか」というテーマで1回書いているのでそちらもどうぞ↓

 フジテレビ・ノイタミナ枠にてテレビアニメ化され、昨年には劇場アニメにもなった人気作品。ちなみに現在BLコミック誌「シェリプラス」にて連載中なので、これから何かを追いかけたいという人にもオススメ。ちなみに私は、6巻以降の展開が気になりすぎて本誌派になりました。
 この作品は、高校生2人+大学生+大学院生で結成されたバンド“ギヴン”のメンバー4人の恋物語を中心に描いている。TVアニメ分にあたる1~3巻では、とくに高校生たちに焦点を当て、新バンドの成長と彼ら“高校生組”の恋がメインでストーリーが進んでいく。このあたりなんかは学園モノとさほど変わらないような、クラスメイトと遊んで楽しいね、みたいな描写が結構多い。
 その中で、音楽やバンド活動を通して真冬と立夏が近づいていくんだが、基本は立夏の視点で物語が進む。基本的に無気力で表情が乏しいのに、なぜか時々妙にやる気を見せる、かと思いきや何かから逃げようとしていたり…… という真冬を、知らず知らずのうちに目で追いかけてしまう立夏。これって恋か!? と焦る姿はとても普通で健全な男子高校生に見える。2人の進展とバンドのステップアップを見守りたい。
 劇場アニメ分にあたる3~5巻で描かれるのは、バンドの“大人組”こと大学生・秋彦と大学院生・春樹、そして秋彦の元彼にしてバイオリニストの雨月の恋模様。詳しくは別記事で飽きるほど語ってます↓

 もちろん、バンド“ギヴン”はライブをやり、曲を作り、コンテストに出場し、と活動が積極的になっていく。コピバンではなくオリジナル曲をやる高校生・大学生らのアマチュアバンドという立ち位置の彼らが、どのような活動をしているのかを見るのも、“バンドの創成期”を見ているようで楽しめるだろう。ちなみに、映画ではかなり端折られていたが、勿論真冬と立夏の恋人同士としての日々も描かれている。1巻完結のBL作品が多い中で、付き合ったあとも長く描かれる作品というのは珍しい方だろう。2人の身近な人たちの恋模様とともに2人のその後が描かれ続けるので、まだまだ見守り続けたくなる。
 そして既刊では最新の6巻では、真冬の友人・柊と玄純がサポートギターとして立夏を指名し、彼らがバンドとして着実にステップアップしていくのを見せつけられて疎外感を感じる真冬、という描かれ方をしている。マジでね、6巻読んじゃったらその先気になりすぎてね、本誌買うようになっちゃった。隔月刊だからそんなに懐は痛まないんだけど、もう2ヶ月待つのがしんどい。高3になり、それぞれ進路を考え始める中で、柊はプロを志し、玄純はそれについて行くつもりで、“ギヴン”のメンバーたちは……? と、まさに人生の岐路に立たされている彼ら。それぞれ、誰を、何を選ぶのか?本当に、この先どうなるんでしょうね…… ね…………
 できるだけネタバレしないように、って思ってると語るのが難しいのでこの辺でやめとこ。
 注目ポイントは、BLでありながら、性描写の少ない作品であるというところ。それもあって映像化が可能であったのだろうし、そもそも主人公が高校生だからっていうのもあるんだろうが。BLに馴染みのない人にでも入りやすくなっているんではないかと思う。ので積極的に勧めていきたいです。
 そう、居間で見ても気まずくならない漫画・アニメです。アニメはFODで配信されてるはず。劇場版は最近DVD・Blu-rayが発売されました。コミックスは今も増刷されてる。さあどの媒体からでもいいぞ! 是非!

②「気まぐれなジャガー」/ウノハナ

 つい最近完結巻が出ました! 全4巻。
 ギター少年だった2人を中学・高校時代から、20代・30代になり音楽雑誌編集者と人気バンドマンになるまで描く作品。4巻24話かけて、時系列を行ったり来たりしながら、2人の人生を見ていくこととなる。
 才能への嫉妬や恋心、バンドの爆発的人気とその後の挫折…… と、男性同士の恋愛としてのBLというジャンルに留まらない作品だと私は思っている。
 「天才とはどのように生まれるものなのか」、「天才の誕生を目にした者は何を思うのか」、「音楽の目覚めは何か」……なんていう彼らの中学から高校時代の話は、売れてるバンドマンを見るとちょっと想像するものだったり。彼らは幼少期どのように過ごしてきたのか、なんていうのは2万字インタビューでは定番の質問だ。それを見せてもらいつつ、バンドが大きくなって何を思うか、などの心情も描写されている。擬似的に“推しバンドマン”が理解できるかもしれない。
 バンドの活動休止なんかはバンド好きをやっていると時に大きなショックを受けることになるものだ。その背景に何があったのか、ファンとしては分からずに悶々とするものだが、ここではバンドの側としての苦悩も描かれている。
 登場人物は、バンドのギターと音楽雑誌編集者、バンドメンバー、家族、新人バンド、などなど。メジャーデビューして売れてるバンドの内実を覗き見できるような気持ちになる。
 注目すべきポイントは、バンドやメンバーの苦悩とか、若かりし頃の後悔とかがストーリーのメインなんだけど。そういうのではなく小ネタで挙げるなら、宗純の新への大ジャンプやシズちゃんのTシャツかな。ちょこちょこ「フフッ」てなるシーンが含まれているので楽しい。
 ちなみにこちらの作品は、テンションが上がるとセックスするタイプのカップルなので、背後注意ですね。未成年にはオススメしにくい……。多分映像化はできないだろうなあって感じです。いいよ、私の中でだけ宗純と新が生きててくれればそれでいいもん……。
 先日発売された最終巻となる4巻では圧巻のラストが描かれている。今回の記事ではできるだけネタバレしたくないので何も語るまい。誰か読んでみてください。


③「よるとあさの歌」/はらだ

 主人公は女の子にモテたくてバンドを始めて上京してきたというボーカル「朝一」。ライブの後にはアンケートに貼られたプリクラから可愛い女の子を探し、呼び出して酒飲んでファンに手を出す、というバンドマンのクズさを凝縮したような男だ。
 もう1人の「ヨル」は、元々別バンドでボーカルをしていて人気があったが、そのバンドが解散し、ベースとして朝一のいるバンドに加入してくる。
 既刊2巻。冒頭、プロローグにあたる「ある男の歌」では、主人公らではなく別の第三者視点で描かれている。ファン目線で、そのバンドの立ち位置を示してくれている、という感じか(このへんは多分電子書籍ストアの試し読みでも見れるので是非)。ちなみにこの人は後々何度か出てくるので要チェック。パッと見で分かるように、ヤバい人です。
 その後はバンド内恋愛を描いていくわけだが、圧倒的にヨルの片思いなのだ。読者としては(なんでこんなクズのことが好きなのさ……)と思うほど、とても健気に朝一のことが好きなよう。朝一とヨルは実は同郷で、地元のライブハウスで見て以来ずっとヨルは朝一のことが好きなんだそうだ。
 だからか知らないけど、本当にこの2人はずっとセックスしてる。そういう描写が苦手な人には勧められないタイプの作品……。はらだ先生といえば「ワンルームエンジェル」が純愛系BLとして人気だが、他作品なんかを読むと非常に汁感の強い(言葉を濁した)性描写が多い。しかも理性とか倫理とかが無いキャラクターも結構多い。今作でいうとヨルは(朝一に対してのみ)性のことしか考えてないタイプだ。
 その上、今作では朝一がモブレ(知らない人は無視してください)のようなことをされる描写がある。もうこれはネタバレではなく、地雷の多い腐女子への配慮です。本当に目を背けたくなるような状況になってしまうので、クズ攻めの朝一だけが見たい人は続刊だけ読んだ方がいいのかも(?)


④「88rhapsody」/ソライモネ

 メインはバンドのキーボード(本職はピアノ調律師)と、音大生ピアニストが主人公。
 とても絵のうまい(というとめちゃくちゃ上から目線になってしまうが)作家さんなので、BLという括りでなくとも画を楽しめる作品だと思う。
 最初からお互い気になってるのに決定打をどちらも打たない、という雰囲気の2人。「きっと今曲を作ったら 間違いなくラブソングになるだろう」というモノローグがもどかしい恋を表現していて、素敵だなと感じた。
 2人ともコンプレックスを持ってピアノを諦めそうになっている、という共通点を持つ。そういえば、バンドマン、ピアノ経験者多い気がする。あとバンド好きとか音楽好きな人って幼少期にピアノを通ってる率高い気がする。ちなみに私は7年続けても右手と左手が違う動きするのが慣れなくて諦めましたが。
 ちなみに、冒頭に収録されてる「27star」はそのバンドのギターとボーカルの高校時代の話。のちにバンド内恋愛となる。こっちはこっちでバンドや音楽に救われた2人の物語。
 キャッチコピーの「恋と夢にゆれる、バンド男子たちの今。」っていうのがとても端的に、でも的確にこの1冊を表現している。要するにそういう話なんですよ(雑)。


【バンドマンが出てくる】


⑤「トワイライト・アンダーグラウンド」/秋平しろ

 ライブハウスの店長とアルバイトが主人公。
 バンド好きにとっては馴染み深いライブハウスという場所で働く人たちの人間関係の物語。直接的にバンドマンが関わってくるというほどではないのだが、我々の生活に近い、という意味でピックアップ。
 2人で野外フェスに行くシーンもあって、「あーわかる、そうなるよね」みたいなフェスあるあるみたいなのが含まれてて面白い。まあ私は野外フェスって行ったことないんですが。
 ちなみに、続刊「トワイライト・アンダーグラウンド+」の方にはバンドマンが出てきて結構重要な役割を担いますので、興味を持っていただけたなら是非読んでみて欲しい〜 ここで出てくるバンドマンがパンチ強くて面白いので。


⑥「被写界深度」/苑生

 出会った時点では高校生の2人だが、数年後に1人がバンドマンになっている。
 ネタバレをしないためにはもう何も書けないんだが、上下巻完結なのでとりあえずさくっと読んでみてほしい……。
 上巻は高校生の2人の日常が描かれている。ちょうどいい温度感で、お互いに一番の友人として距離を詰めていくものの、最後には喧嘩してしまう、というのがざっくりとしたネタバレにならないレベルのあらすじ。
 バンドマンになって小さなライブハウスに出るようになり、じわじわとその評判が聞こえ始めている、くらいのアマチュアバンドを想定してみてほしい。未来が明るくていいなあ!
 2人の恋はといえば、とてもゆっくりと進んでいく。ほとんどが恋愛ではなく友人関係だから、結構読んでて心地よいんじゃないかなあ。


⑦「同級生」シリーズ/中村明日美子

 高校の同級生の2人、バンドマンと真面目くんが主人公。
 名作シリーズなので、BLに興味なくても見聞きしたことがあるかもしれない。映画化もされていたはずだから、コミック、アニメ映画、実写映画、お好きな媒体で触れてみてください。
 と言いつつ、私としてはまだシリーズ読み切ってないのであまり語ることは無い…… 真面目くんこと佐条くんが京大志望ということで気になってはいる。高校生編は読み切って(佐条くんが合格するところまでは把握して)るから、はよ続刊読めやという話なんだが……
 ちなみにバンドマンの草壁くんは、高校生のうちからライブをやったりスカウトみたいな人から声掛けられたりと、若いうちに才能を見出されるバンドマンっていう感じだ。
 BLコミックの金字塔的作品なので、暇があれば読んでみて損は無い、と思う。確証は無い。なぜならまだ読み終わってないので……


⑧「サースティ・ハイ」/児島かつら

 元バンドのボーカルと元演歌歌手が主人公。2人がボーカルユニットを組まされる話。
 元ボーカルはワンマンすぎてメンバーがついて来れなくなった、という理由でバンドが解散に至ったという過去を持つ。しばしばバンドの解散のニュースは目にするが、その後彼らバンドマンがどのような人生を歩んでいくのかを我々が見ることはとても少ない。バンドが解散になった後、それでもプロとして音楽を続けたいと望む者はどのような形で生き残りを図るのか? というのが見れる。
 バンドの話とかアイドルものってBLに多いんだけど、そうじゃなくて“ボーカルユニット”っていうのが珍しくて面白い設定。それぞれに音楽的キャリアがありつつも新しいことを始める、ってなかなか他にない感じの話だと思うな。


⑨「JITTER BUG」/一ノ瀬ゆま

 バンドのボーカルが薬物で捕まった後、復帰作でドラマに出演する話。フィクションであっても犯罪と犯罪者が許せないという謎の正義感を持つ私がちゃんと読み切ったということはまあ、そういうことだ(フワッとしたネタバレ)。最後はハッピーエンドなのでご心配なく。
 売れたバンドになるとスキャンダルなんかはついて回るもので、あることないこと書かれてしまうのは今も世の常だ。この物語の主人公にとってはそれが薬物での逮捕だった、ということ。“推しのスキャンダルが発覚したとき、ファンは何を思うか?”というのを考えて読むと、更に思うところがあるのではなかろうか。
 いや個人的には、推しにクリーンであれとは要求しないけどさ…… 活動に支障の出ないように法に背かずにうまいことやってくれって感じだよね……


⑩「おとなりから恋の音」(コミックス「知らぬは おまえばかり」収録作)/ミナヅキアキラ

 こちらは表題作じゃなくて収録されてる短編なんだが、アパートの隣に住んでるバンドマンの話。隣人に((どうせモテたいからとかてきとーな理由で音楽やってんだろ))って思われてるっていうのが最高に偏見でウケる。いや、実際そういうバンドマンなんて沢山いるんだろうけどさ。決めつけちゃうのがちょっと不憫で面白い。
 ちなみにこのバンドマンはベース担当の方。ロン毛+髭っていういかにもなビジュアルなのがステレオタイプで一周まわって面白いです。騒音野郎かと思いきや、話してみるといい人だ〜 っていうところから始まる恋物語です。ちょっと前の作品だからか、もしくは短編だからか、前述のビジュアルとか随所に「バンドマン」のステレオタイプが反映されてる(短編はページ数少ないから状況説明は最小限に抑えたいんだろうね)。バンドにそんなに興味のない人が想像するバンドマン像、みたいなものが可視化されてるのかもね。

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 というわけで、私が読んだことのあるバンドマン(が出てくる)BLを紹介してきました。何か一つでも興味を持っていただけたら幸いです。「結局どれを読めばいいんだ?」という方にはギヴンを推しておきます。とりあえず1巻だけでも読んでみてよ。
 ちなみにきちんと断っておくと、私はあくまでも商業BL漁り女であって、現実世界の男性たちにBL的思考を持ち込むタイプの腐女子ではないので、バンドマンを見てカップリングを考えるようなことはしていませんので。念の為。(昔某バンドのラジオでそんな話してた回があったな……)

 それでは! またそのうちBLに関する記事もバンドに関する記事も近いうちに上げたいと思います〜。今後ともよろしくお願いします!
 

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