見出し画像

2021年8月24日のKOCOラジの放送内容です|BloomingDays PLUS -日々是好日-|倉嶋桃子

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

近所のスーパーの一角に、「ご当地サイダー」「地サイダー」という地元の水や特産品を使用したサイダーのコーナーがいつの間にができていました。
お土産としていただいたことがあるものや、どんな味か想像できないようなものがあったりと、つい立ち止まって眺めてしまいました。

画像1

「サイダー」というと、子ども時代の私にとっては特別な飲み物で、地域の行事ごとがある時か、母方の祖父母の家へ遊びへ行った時にだけ飲める飲み物でした。

というのも、管理栄養士だった母は、おやつの時間はあくまでも食事の補助として考えていたようで、幼児期に食が細かった私へは、蒸したサツマイモやジャガイモ、果物、ミニサンドイッチ、ミニおにぎりなどを出していたので、スナック菓子やお砂糖がたくさん入ったジュース、炭酸飲料系飲み物などが出てくることはありませんでした。
おやつにそういったお菓子類、飲料類を食べたり飲んだりしてしまうと、そういったおやつだけでお腹がいっぱいになってしまい、普段の食事を残してしまうことになるので、子どもに食べて欲しくなかったのだと思います。

画像2

そんな日常生活の中で、たまに母方の祖父母の家へ行って飲める「サイダー」は、子どもの私にとってはまさに夢のような飲み物。
私が遊びに行くことが決まると、母方の祖父母は大人たちが飲む用の瓶ビールをケースで購入するのと一緒に、「サイダー」もケースで用意してくれていて、祖父母のお手伝いをする中で、そのビールやサイダーを冷蔵庫に入れることもまた楽しい時間でした。

画像3

この時に飲んでいた「サイダー」は瓶入りで、青色の矢のマークとロゴが印象的な「三ツ矢サイダー」でした。
なぜ、「三ツ矢サイダー」だったかといえば、当時利用していた酒屋さんから祖父母が購入していたビールがアサヒだったので、同じアサヒ系列ということで「三ツ矢サイダー」だったのだと思います。

画像4

日本におけるサイダーの発祥の地として言われているのが横浜。
1868年に外国人居留地で設立された薬種問屋ノース&レー商会が、パイナップルとリンゴの風味をつけた炭酸飲料である「シャンペン・サイダー」というものを売り出したことがはじまりとされています。
ただし、この商品は在留外国人向けの商品だったということで、当時の上流階級や特権階級以外の一般の日本人は飲むことができませんでした。
ノース&レー商会は、当時の「サイダー」の原料を、米国や英国からパイナップルとリンゴの香料を輸入しブレンドして、シャンペンサイダーという複合香料とし、全国の消費者に普及させるために飲料業者へ販売を広げていくことになります。

画像5

サイダー(英語Cider)の語源は、シードル(Cidre、フランス語でリンゴ果汁の発酵洒)からでた現代語といわれており、シャンペン・サイダーは、シャンパンの風味とシードル(リンゴ酒)の風味をミックスしたものという意味の言葉だそうです。
現在、日本においては、リンゴに限らず様々な果物の香味がつくものを含め、アルコールを含まない無色透明の炭酸飲料の総称として使われています。

画像6

日本で本格的に流通した最初のサイダーは、「金線(きんせん)サイダー」。
1875年横浜扇町の秋本己之助氏が、ノース&レー商会に勤める西村甚作氏の助言で「金線サイダー」を製造、1899年に王冠を使用した瓶入りの製品が発売され、これが日本で本格的に流通した最初のサイダーとなります。

その後、1907年には、三ツ矢印平野水という炭酸水をベースにした「三ツ矢平野シャンペンサイダー」(現在の三ツ矢サイダー)、1909年レモン風味の炭酸飲料「シトロン」(現在のRibbon シトロン)、1928年には「キリンレモン」が発売されることになります。

画像7

金線サイダーは、1915年に横浜蓬莱町に「金線飲料株式会社」を設立しますが、1925年かつて日本にあったビールメーカー「日本麦酒鑛泉(にっぽんびーるこうせん)株式会社」に合併され、「金線サイダー」と「三ツ矢サイダー」は兄弟銘柄となりしばらく併売されていましたが、現在のアサヒビールやサッポロビールなどの前身である「大日本麦酒株式会社」と合併後、「三ツ矢サイダー」に統合されて製造が打ち切られ、「三ツ矢サイダー」は日本で最初のサイダーの歴史を受け継いでいます。

ちなみに、「銀河鉄道の夜」などでも知られている宮沢賢治は、「三ツ矢サイダー」を愛飲していたそうで、天ぷらそばが15銭だった時代、「三ツ矢サイダー」は1本23銭という高級な飲み物だったにもかかわらず、教師だった頃には、給料日になると、時には奮発して、大好物の天ぷらそばと「三ツ矢サイダー」を教え子たちのために注文したというエピソードが残っています。

時代を経て今ではご当地サイダーを含め色々な種類の「サイダー」を飲むことができますが、今でも無性に飲みたくなるのは、私が当時飲んでいた瓶に入っていた「三ツ矢サイダー」。
今飲める「三ツ矢サイダー」の味は、昔のものとは違っていますが、私にとっての「三ツ矢サイダー」の味は、当時の祖父母の家で過ごした夏の思い出と共にこれからもずっと記憶に残ることでしょう。

画像8

さて、今回の放送内容ですが、8/23のTOKYO854に引き続きまして「お地蔵様」をテーマに、日本各地に伝わる民話や伝説など、お地蔵様にまつわるお話をテーマにお送りいたしました。

画像9

特設サイトでは、ココラジで毎週放送している「Blooming Days PLUS -日々是好日-」をはじめ、毎週月曜日に放送しているTOKYO854の番組「Blooming Days -日々是好日-」、ラジオでは放送していない「放送後記」や「放送予告」も、ポッドキャストでお聴きいただけます。

従来のPodcastは、著作権の問題で音楽を除外したトークのみのものでしたが、クラウド音楽サービスを利用することによって、ラジオ放送と同じ構成で、トーク・番組内でかけた音楽、両方をお聞きいただくことが出来ます。
お聞きいただくには、アプリのインストールが必要ですが、無料のプラン(Spotify Free)でお聞きいただけます。 期間限定でもなければ、登録にクレジットカードも必要ありません。

ぜひアプリをインストールしてお聞きください。
また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。
「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。
特設サイトのメッセージボード、または、KOCOラジの メッセージフォームにて、皆様からのメッセージ、ご感想をお待ちしております。
今週もみなさまにとって素敵な1週間になりますように。
倉嶋桃子でした。

<参考資料>

三ツ矢サイダー – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/6q0m

サイダー – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/zhq9

地サイダー – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/iv58

「三ツ矢」の歴史|Asahi SOFT DRINKS History|お楽しみ・プレゼント|アサヒ飲料
https://blooming-days.njs.xyz/2exp

第九話「サイダー、シトロン、レモン、ライム等の透明炭酸飲料」
https://blooming-days.njs.xyz/b4ix

日本麦酒鑛泉 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/hr4t

大日本麦酒 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/mx1o

リボンシトロン – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/0nsy

ヒストリー|キリンレモン|ソフトドリンク|キリン
https://blooming-days.njs.xyz/thw9

画像10


いいなと思ったら応援しよう!