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2022年3月22日のKOCOラジの放送内容です|BloomingDays PLUS -日々是好日-|倉嶋桃子

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

数日前には、春を通り越して夏日にせまる気温も記録した関東地方ですが、私が住んでいる周辺も春の花々が一気に咲き揃い、同時に、様々な鳥たちのさえずる声が耳に入ってくるようになりました。

その中でも「ツツピー、ツツピー」と鳴く「シジュウカラ」の声は、ひと際目立っています。

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「シジュウカラ」の全長は約14.5㎝でスズメほどの大きさ、体重は14gくらい。日本では、ほぼ全国の市街地の公園や庭などを含む平地から、標高の低い山地の林、湿地などに生息しています。

見た目の特徴としては、頭部が真っ黒で頬が白、胸からお腹にかけて黒い模様が縦に入っており、この模様が太い方がオスで、細い方がメスと言われています。

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「シジュウカラ」の食性は果実・種子・蜘蛛や昆虫など雑食ですが、主食は昆虫。
日本の研究の中には、「シジュウカラ」が一日に使うエネルギーの量を約15キロカロリーとして、これを2cmの昆虫に換算すると、約200匹相当になるという資料もあるようです。
あの小柄の鳥が200匹ほどの虫を食べているというのは、想像したよりも量が多いように感じますが、それだけ、エネルギーが必要だということなんでしょう。

3月から4月にかけて巣作りをし、4月から7月の産卵期に7~10個の卵を1~2回に分けて産み、全部揃ってから抱卵します。抱卵は、メスのみで行い、約2週間ほどで孵化し、ヒナは孵化してから2~3週間すると巣立ちます。

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私たちの身近に暮らしている「シジュウカラ」。
「言葉」を操る能力が科学的に証明された、と2021年京都大学白眉センター特定助教鈴木俊貴さんたちの研究グループが発表しました。

これまで単語や文章、文法などを操る力は、人間だけに宿った特別な能力だと考えられていましたが、鈴木さんは、軽井沢の森の中で、16年にもわたり「シジュウカラ」を観察してきた中で、他の鳥に比べても沢山の種類の鳴き声を持ち、しかもそれらを状況によって使い分けていることに気がついたそうです。

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2020年時点の研究によると、推定20以上の単語を使い、175以上の組み合わせた文章を扱っているとみられていて、一例として、警戒を告げる鳴き声を聴き取った際に、ただ機械的に周囲へ気を配るようになる訳ではなく、合図の意味を脳内でイメージを作り出して理解し直していることを、ヘビを使った研究などで証明したそうです。

具体的には、ヘビを見た時にしか出さない鳴き声を聞かせると、逃げるのではなく、ヘビを探し、ヘビを見つけると追い払いに行くなど、音から得た情報と視覚的な探索像を結び付け、ヘビを探しに行くということができたとのこと。

他にも、特定の単語を表す鳴き声をつなげて、より複雑な意味をもたせ、その意味を解読して反応していたり、また、鳴き声の組み合わせにも文法のようなルールがあって、それらを理解して行動しているということも分かってきたとか。

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この「シジュウカラ」以外にも、動物の「言語」に関する研究が近年進められていて、米国の北アリゾナ大学のコン・スロボチコフ名誉教授は、北米大陸最大のアリゾナ・ソノラ砂漠に生息するげっ歯類、プレーリードッグの言語を1980年代から研究し、ガニソン・プレーリードッグという種類が際立って複雑な”言語体系”を持つことを発見。

「コヨーテや人間など天敵の接近を音声で仲間に警告する」「その際、名前を呼び合う」「色や形を表現することもできる」といった研究成果を発表し、2000年代までにプレーリードッグの20以上の”言葉”を特定したとされています。

なお、現在は犬の行動や発声や表情などから、プログラミングなどを使い、犬が伝えたいことを英語に翻訳する研究を続けているそうです。

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「シジュウカラ」に限らず、これら動物の言語が解明されるようになれば、私たち人間も動物が発した声=言語を正確に理解することで、危険生物や動物から身を守る対策をとることができたり、自然環境の変化について動物から情報を得たり、まるでおとぎ話のなかにあった「聞き耳頭巾」のような世界が体験できるようになるかもしれませんね。

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さて、3/22の放送のテーマは、「海なし県出身の人が熱く語る『海釣りの魅力』」をお送りいたしました。

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本日の放送

番組内のトークの合間に挿入された楽曲は、#Spotify のプレミアムプランのユーザーであればフル再生、無料プランのユーザーは30秒まで聴く事が可能です。また、スマートフォンもしくはデスクトップアプリからのみ再生が可能です。ブラウザでお聴きになりたい方は、プレイリストをおためしください。

本日のプレイリスト

4月からの番組のお知らせ

2020年10月から郡山コミュニティ放送「ココラジ」にてお送りしてきた、こちらの「BloomingDaysPLUS-日々是好日-」は、3月29日(火)の回で放送終了となります。

これまでの期間、ココラジでお聴きいただきましたリスナーの皆様、本当にありがとうございました。お世話になりました。

今後は、「BloomingDaysPLUS-日々是好日-」の元になっている番組、毎週月曜日の午後3時にお送りしている東久留米市のコミュニティラジオ「TOKYO854くるめラ」、「BloomingDays-日々是好日-」へお引越しとなります。

「TOKYO854くるめラ」でお送りしている「BloomingDays-日々是好日-」は、2020年4月から始め、今年で3年目を迎えます。
そこで、倉嶋が1人でお話をする基本的なスタイルから、ディレクター小出との2人トークのスタイルへ変え、さらにバージョンアップした番組へと生まれ変わります。

ココラジの番組を楽しみにお聴きいただいたリスナーの皆様には、大変なご不便・ご迷惑をおかけしてしまいますが、今後は「TOKYO854くるめラ」が聴ける専用のアプリ、または、特設サイトのポッドキャストでお楽しみいただければ幸いです。

また、これまで同様特設サイトには番組に関する様々な情報、そしてTwitter、facebookなどでも番組に関する最新のお知らせを随時UP致しますのでご覧ください。

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今週もお聴きくださりありがとうございました

放送をお聞きいただいた皆様、メッセージをいただきました皆様、本日もありがとうございました。

番組では、特設サイトのメッセージボード、または、KOCOラジの メッセージフォームにて、皆様からのメッセージ、ご感想をお待ちしております。

次回も、「Blooming Days PLUS-日々是好日-」で、皆様とお耳にかかれることを楽しみにしております。

参考資料

シジュウカラ – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/zh7p
シジュウカラ:黒いネクタイ模様 | 野鳥写真図鑑 | キヤノンバードブランチプロジェクト
https://blooming-days.njs.xyz/a6sf
シジュウカラの特徴は?生態や分布、鳴き声は? – pepy
https://er-animal.jp/pepy/22354
[シジュウカラの語順──学習か本能か] | 京都大学 白眉センター|白眉プロジェクト
https://www.hakubi.kyoto-u.ac.jp/pub/267/315/2/5
世界初! 「鳥の言葉」を証明した“スゴい研究”の「中身」 『ピーツピ・ヂヂヂヂ』 – サイエンスZERO – NHK
https://blooming-days.njs.xyz/1j67
四季の鳥「シジュウカラ」 – 真鍋弘 | 森里海の色 | 住まいマガジン びお
https://bionet.jp/bird/sijuukara/
奥深き動物言語の世界 鳥語で「蛇だ」何と言う?: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56983810Z10C20A3000000/

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