自己分析ができません

それは大学1年生のときに始まった。

「幼少期に好きだったことを書き出してみましょう」

どうやら、過去の私を振り返ることで「自己分析」というものができるらしい。自己分析をすれば就活に良いらしい。

しかし、何度振り返り書き出してみても、どんな自己分析サイトを使ってみても分からない。自分が分からない。

3歳のとき、母親が実家を離れ、幼少期は主に祖父母と父親に育てられた。

彼らの子育ては酷いもので、私は日常的にビンタや大声で怒られ(特に祖母が酷かった)、ビクビクする毎日を送っていた。彼らの言うことを聞かなければ後で面倒であり、なるべく怒らせないようにとよく考え、我慢しながら生活した。

それは4歳のとき、祖母が私を保育園の面接に連れて行った日のことである。その日、祖母に保育園に連れて行かれると道中で気づいた私は「幼稚園に入りたい」と頼んだ。しかし無視をされ、無理やり保育園に連れて行かれた。幼稚園はハンモックを着ていたり、親にお弁当を作ってもらえるイメージを既に持っており、その2点に強く憧れを持っていた。しかし、無視をされたとき私は悟った。「私の家ではお弁当を作ってくれる人がいないのだ。だから幼稚園には入れないのだ」と。そこから、彼らに期待することはてっきり諦めた。

「幼少期の趣味は何ですか?」

塗り絵と一人おままごとである。なぜなら、誰にも迷惑をかけないから。

「幼少期の人間関係はどうでしたか?」

祖母が仲良くしていた親の子供と遊んだ。なぜなら、祖母に怒られたくなかったから。そして、その子供たちは意地悪で小5の時に虐められた。それでも彼らと遊ぶと祖母の機嫌が良かったので我慢した。

「幼少期の習い事は?」

塾、英会話、習字。なぜなら、祖母が賛成してくれたものだったから。点数が良く、沢山の宿題を行えば不機嫌にならないから。本当はそろばんを習いたかったが、祖母の知り合いの子供が入会していないため許されなかった。

そして、中学や高校になると母が実家に戻ってきたこともあり(それでもたびたび精神科に入院し、母と過ごす時間は少なかった)、ビンタをされる回数は減っていった。しかし、幼少期に培ったひねくれた土台の下で自分は「〇〇しなければいけない」と勝手に思い込み、23歳の現在まで偏ってしまっている。その結果、いかなる方法で試しても上手く行かない自己分析。

押し殺した過去と向き合うのは怖いし、そもそも自分が分からない。堂々巡りでどうしたらいいのか分からない。就活をできない理由の一つにこの問題も影響している。

20代うちにここを乗り越えることはできるだろうか。

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