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5Gの動画時代に差をつける、初心者から始めるビジネスパーソン向けVlogセミナーー ビジネスの新スキルセット・マインドセットVol.3

まずはこの映像をご覧ください。

大分県の羅漢寺。圧倒的なクオリティに、卒倒しそうになります。どうしたらこんな動画を撮影することができるのか?! 撮影された方にお聞きするのがいちばん!こうして、撮影者の中村祥一さんをお迎えしてのCONCEPT BASE Shibuyaでのイベントが始まりました。(文:片岡峰子/写真:小山龍介)

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だれもまだ見たことがない映像を撮る!

中村さんが初めてドローンを飛ばしたのは2014年。飛ばし方も降ろし方もわからずに見様見真似で操作した。いちばんおもしろい!と感じたのは、スタビライザーのおかげでぶれない、カクカク動かない映像が撮れること。

まだこの頃はドローンユーザーが少なかったこともあり、法整備も十分でなく、だからこそ自由に撮影することができた。150メートル以下であれば、任意保険に入り、自己責任の上で人の頭の上で飛ばすこともできるし、夜間も飛ばせる。こういうグレーなときにこそ、アーリーアダプターの本領が発揮されるという。ちょうど今は、重量199グラム以下のドローンなら、150メートル以下で飛ばせば法規制の網にはかからない。が、これもあと少しの間だろうと中村さんは読む。だれも見たことがないものを撮るなら今だ! 

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ドローンの飛ばし方、撮り方も、ひとから教えてもらわずに、独学で身につけること。そして、ドローンはぶつけないように慎重に扱う、というのが中村さんからのアドバイスだ。ドローンをぶつけてしまって、心が折れたひとを何人も知ってる。だから気をつけて、と。また、ひとから教えてもらうと、そのひとより上にはいけなくなるし、「教えてもらいグセ」がつく。たしかに、自分で試行錯誤しながら身につけた知識は忘れづらいし、その取り組み姿勢こそがクリエイターには必要なのかもしれない。「やっていくとわかる」というセリフはこのセミナー中、何度も中村さんの口から発された。

もっといいのが撮りたい!

撮り始めると「もっといいのが撮りたい!」という衝動に突き動かされる。中村さんによると良い映像を撮る4つの要素は(優先順に)

1「だれが」撮るか
2「どんな光で」撮るか
3「どのレンズで」撮るか
4「どのカメラで」撮るか

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どんなふうに撮りたいか。それを考えること、アイデアがいちばん大事。そしてカメラは今やスマホで十分! と断言する。

実際に、スマホで撮った写真と、110万円のカメラで撮った写真を見せてもらったところ、正直ぱっと見たくらいでは違いはわかりづらい。インスタやFacebookをスマホの小さな画面で流し見するくらいではほとんど見分けはつかないだろう。

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中村祥一さん撮影

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中村祥一さん撮影

未来から逆算して撮る!

もちろん、いいカメラや機材は世の中にたくさんある。中村さんが新しいカメラや機材を購入するときに考えることはひとつ。「これは2年で元がとれるのか?」買ってから2年のうちに「お金を出すからそれが欲しい」と言われる作品が作れなければ、元が取れない。いまや2年経てばさらに新しい機能を持つ機材が出現し、大枚はたいて手に入れた機材は二束三文に成り下がる。

中村さんがいま愛用するコンパクトデジタルカメラはライカ(70万円超)、8Kの撮影ができる100万を超えるカメラも持っている。その8K のカメラをまるでiPhoneのように扱うこと。恭しく扱っていては「だれも見たことがない映像など撮れない」と中村さんは言う。カメラの潜在能力を120%引き出せるかどうかが、いい写真、動画を撮る鍵を握る。

カメラを始めて4年の中村さん。最初は保育園に通うお嬢さんを被写体に、練習練習練習練習。だれでも撮れる「80点」の出来でもなく、「100点」でもなく、「200点」の写真を撮ろう! と。「80点」ではクライアントが満足するだけ、「100点」で、被写体であるアーティストが喜ぶ。「200点」なら、アーティスト自身から「あのカメラマンに」と指名がくる。たった一枚の200点の写真を撮るために、20枚撮影する。

編集とは時間のコントロール

動画編集は、まずBGMを決めてその上にテンポよく3秒位の動画をつなげていくのがコツ。中村さんがラジオの現場で黒沢清監督にこっそり聞いたところによると、「音がなかったらホラー映画なんてぜんぜん怖くない」そうだ。どんな音楽に載せるのかも動画編集の大切な要素のひとつ。1時間のイベントを5分に集約できる編集とは時間のコントロールなのだ。

中村さんいわく「写真は一瞬。動画は物語。編集とは偶然を必然にすること」

さぁ、200点の一枚のために、1000枚の撮影に出かけよう!

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最後にドローンでパチリ!

中村祥一(ビデオグラファー)

ビデオグラファー / フォトグラファー / クリエイティブ・ディレクター
2014年、坂本龍一氏が病気で担当ラジオ番組を休止したことをきっかけに、
ラジオ業界から映像業界へ軸足をシフト。翌2015年、当時珍しかったドローンの映像を駆使した初作品「MIFA Football Park Introduction Video」が再生回数10万回を超えるスマッシュヒットを記録。桜井和寿氏、GAKU MC氏から評価を受ける。水と土の芸術祭2015では、日比野克彦氏出展作品の撮影監督を務め、2017年、隈研吾氏が手掛けたmoretreesの「つみき」フランス向けPVを制作。2018年からは医療系スタートアップ企業のクリエイティブ・ディレクターに就任。8KカメラRED monstroで海外7都市で撮影。その他、Fm yokohamaのInstagramを運営。J-WAVEのメディアプレゼンテーション向けPVなどを制作。
聴こえない音、見えない景色を表現することをポリシーとしている。
https://www.instagram.com/avikojack/

未来のイノベーションを生み出す人に向けて、世界をInspireする人やできごとを取り上げてお届けしたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。