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小山龍介のイノベーション・トーク

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イノベーション人材が育つ‹場›についての講演や対談をお届けします。
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2019年11月の記事一覧

ビジネスモデルにまつわる循環とダイナミズム―ビジネスモデルオリンピア2018講演

哲学の歴史を少し紐解いていくと、「実存主義」というのがあって、「実存は本質に先立つ」という言葉から現代の哲学がスタートします。「犬はこうである」という、そのものがもっている本質がありますよね。猫の本質とか男性、女性、それぞれ本質というのがある(と一般的に考えられている)。 しかし実存主義では、現実の存在(実存)というものがまず先にあって、本質に関わらず自分の生き方次第で人生は変えられるよ、というんです。この実存主義は、特に1960年代、70年代、学生たちを政治運動へと駆り立

アートとビジネスの交差点―『クリエイティブの練習帳』出版記念講演&ワークショップ(2)

10月29日に開催された、アイデアを発想するためのワークブック『クリエイティブ』の練習帳を題材とした出版記念講演&ワークショップ。(主催:一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会・フィルムアート社) 「クリエイティブ」の練習帳 発想力をとことん鍛える100の難問 ロッド・ジャドキンス=著|島内哲朗=訳(フィルムアート社・2019/9/26) 日本語版出版を働きかけ、イベントの企画に携わった豊島考作氏による、冒頭のイベント開催経緯とワークショップをご紹介する。(文:豊島

混沌から生まれる構造と ビジネスモデル

最初に、私がこの一年間(2016年)にやったことを、紹介したいと思います。文化庁の嘱託で、日本遺産のプロデューサーとして各地を訪問しています。今現在(2017年2月現在)、37地域が認定されているんですけど、認定地域を訪れてアドバイスをする、という仕事をしています。その結果を文化庁に報告し、この前は自民党の「文化伝統調査会」なんていうところで議員さんや官僚の方々にレポートする、なんていうことをやりました。 こういった活動以外に、8月には沖縄のプロジェクトであるニライカナイ事

「ビジネスモデルに心は生まれるか」生命論的ビジネスモデル論〜前野隆司・小山龍介対談

2016年3月12日一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会主催『ビジネスモデルオリンピア2016』での、前野隆司氏と代表理事(当時)小山龍介の対談をお届けします。 ビジネスモデルもひとつのシステム小山龍介(以下、小山):実は、控室で喋ってしまうとここで喋ることがなくなるので、打ち合わせなしで、とお願いしました。ですからぶっつけ本番です。私から前野先生にいろいろ質問しながら進めていきたいな、と思っています。 さて、ビジネスモデル・キャンバスですが、前野先生の授業でも使

しゃぼん玉が生み出した地域の縁側 ー福島におけるソーシャルオアシスの取り組みー ―Social Moment Vol.1

CONCEPT BASE Shibuyaで行われるのは、さまざまなイベント。今回はSocial Moment Vol.1として、福島の佐藤和希さんをお招きして、みんなでしゃぼん玉をつくりました。(2019年10月31日) 佐藤さんは、しゃぼん玉で、地元福島で非公式のコミュニティを作り出しつつあります。 なぜ「しゃぼん玉」? いろんな疑問がわきますが、まずは佐藤さんのお話聞いてみましょう。(文・構成:片岡峰子/写真:小山龍介・片岡峰子) ちょうどハロウィンのこの日、渋谷一

アートとビジネスの交差点―『クリエイティブの練習帳』出版記念講演&ワークショップ(1)

2019年9月、フィルムアート社からアイデアを発想するためのワークブック『クリエイティブの練習帳』が出版された。世界的アーティストを多数輩出する名門芸術大学、セントラル・セント・マーティンズで、長年クリエイティブな思考法について教える著者が、生徒の潜在能力を高めるために出題した「難問」100個をまとめたもの。 原著に甚く感銘を受け、日本語版出版を働きかけた豊島考作氏と、推薦文を担当した小山龍介が登壇する、出版記念講演&ワークショップ(主催:一般社団法人ビジネスモデルイノベー