入社4年目で社長就任。 ヨガを始めたら資格取得、営業でもプログラミングに挑戦 ブログウォッチャーの新村 生社長へのインタビュー
ブログウォッチャー(BW)は、位置情報データの収集・分析・活用をワンストップで提供するリーディングカンパニーです。2024年4月、社長に着任した新村生(にいむら のり)さんにインタビューを行いました。新村さんの位置情報データやBWにかける想い、情熱について深掘りしていきます。
ーBW入社から4年目で社長着任。周りからは驚かれたのでは?
実は、入社のタイミングで既に「いつか経営を担いたい」と考えていたんです。リクルートでのHR営業時代に経営者の方にお会いする機会が結構あって。PL(損益計算書)や人材育成など多角的な物の見方が備わっていること、葛藤の深さや大きさなどを目の当たりにして、自分も経験してみたいと思っていました。
ー大変だとは思わなかったんですか?
知的好奇心といいますか、好奇心が原動力になる「好奇心ドリブン」な人間なので(笑)。
大学時代はヨガにハマって、インストラクター資格を取得したり、BWに入社してからは、役割は営業なのですが、データベースを操作するためのプログラミング言語「SQL」を勉強したり。心惹かれたら「自分も知りたい、やってみたい」と、動くことが多いです。だから、大変というより、「どんな価値ある取り組みを創出できるか?」とワクワクしています。
ー社長になるための準備は何かされましたか?
前社長の酒田さんと同じ視座の高さで物事を捉えることを意識していました。酒田さんがみんなの前で話す時は、自分だったらどう話すか考えてから臨んでました。
また、お客様との対話を起点に次のサービスの兆しを見つけることにもこだわっていました。位置情報は、マーケティングや観光、防災……といろいろなことに使える便利なデータです。データ量が豊富で、用途も幅広い。一方で、何を捉えられるといいのか仮説を立てながら、分析をしないと、データの海に溺れます(笑)。
だからこそお客様に「面白い」「役に立ちそう」と思っていただけるために、お客様の業界特性やデータ理解度の違いに合わせて、データの見せ方や伝え方を変えるよう試行錯誤しました。
この経験の積み重ねが、自分がBWを引っ張っていくときの原動力になると確信して、続けていました。
ー新村さんが捉える位置情報データの魅力は?
位置情報データはいわゆる3つの目を持っていると思います。物事を広く俯瞰して捉えられる「鳥の目」、人々の回遊を分析することで、周囲の動きや変化を迅速に捉えられる「魚の目」、近くから詳細に物事を見る「虫の目」です。
具体的には、
・大量のデータを一度に視覚化できるヒートマップのような「鳥の目」
・特定のエリア内で人々がどのように移動しているかを調べる周遊分析は「魚の目」
・年代別、属性別で人々の動きを見ることでの「虫の目」
といった感じです。
位置情報データは活かし方次第で、様々な「目」を持てて、物事を多角的に捉えられる。いろんな物の魅力を見つけられるものだと思います。
だからこそ、BW入社前に位置情報データについて話を聞いて、「こんなお客様には、こんな提案できそう」と勝手にワクワクし始めてしまって。このデータを有効に活用できれば、社会を大いにアップデートすることができると確信しました。
ー新村さんからは「社会をアップデート」という言葉をよく聞く気がします
大学時代に日本全国を旅して、いろんな風景を見てきたことが活きているかもしれません。
ー日本全国を?
高校時代に海外留学をした時に、現地の方から日本についてどう考えているか聞かれても、意見を持っていない自分に気づいたんです。そこで「まず知ることから始めよう」と、大学時代に全国を旅してみました。一日歩いていても、ほぼ誰にも合わない地域もありました。その土地に住む人は、愛着を持って住んでいる土地でも、不便なことや不安なこともきっと多くあるのだろうなと感じました。そんな経験も「社会全体をアップデート」したいと考えるきっかけになっていると思います。
BWでは位置情報データを社会にとって役立つものにしていくのに加え、購買データや天気データといった他のデータと組み合わせることで、新たな洞察を得られるようにしたいと考えています。例えば、位置情報データと購買データが連携できれば、よりユーザーの興味関心に近づけて、より知りたい情報を届けることができますよね。こういったデータの活用を推進することで、当社の持つデータや世の中のデータをもっと多くの人に役立てたいと考えています。
また、データの分析は難しくて、専門家でないと分かりづらいこともあります。専門家であるなしに関係なく多くの人に、当社のデータを役立てていただける形にして届けることにはこだわりたいです。
ーBWの好きなところは?
入社後に、営業やエンジニアが集まったミーティングでの言葉がとても記憶に残っています。お客様に対して「『できないことはできない』とちゃんとお伝えしよう」とみんなが話していて。難しいことは諦めよう、避けようというのではなく、今後も進化していくという前提で、今の現実に正直に、誠実に向き合う姿勢です。
ー位置情報データへの向き合い方も誠実に
アプリを通してBWにデバイスロケーションデータを提供していただいているユーザーの方の不利益になる活用はしない、ということをとても大切にしています。
プライバシーに配慮した、個人を特定することのないデータを用いることで、ユーザーの方やお客様、ひいては社会に対して安心してデータを活用いただけるよう努力しています。
そのために、BWの従業員全員に対してデータプライバシーに関する研修を行っています。
また、進めようとしている仕事においてプライバシーや法律面での論点がないかを審査する社内の仕組みを整えています。
ーこれからBWをどんな会社にしていきたいですか?
BWをデータの力で、社会や地域、または個人のいろんな後押しができる存在にしたいです。今春にBWとして初めて作ったパーパスが「よし、やってみよう!を、もっと!」。
これまでだったら見えなかった事実がデータによって可視化されることで”判断”ができるようになったり、見つけられなかった”機会”と出会えるようにすること。
それが大きな決断であっても、小さな判断であっても、「よし、やってみよう!」という気持ちになるような、 意思決定の後押しをいろいろな所で生み出せたら、社会のアップデートにつながると信じています。
私がやらないといけないのは、社員一人ひとりが『もっとやりたい』と思え、それを実行できる環境をつくること。まずは私自身が「BWを通じてどのような社会を目指していきたいか」の考え・ビジョンを大きく膨らませ、発信していきたいです。
さらに、ビジョンが自己満足で終わらず、社会に理解され、共感されるように、安全なデータ利活用の基盤を維持していきます。そのためには、様々な立場の方のご意見を伺うことは欠かせません。私自身、ほぼ毎日、社外の方とお話ししています。
BWにデータを提供していただいているユーザーの方や、企業や自治体といったお客様、位置情報マーケティングの業界の皆様と対話を続けていきます。