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W杯を通して見えた光と影 (影編)


長すぎるアディショナルタイム

今大会はアディショナルタイムが非常に長かったです。6分7分は当たり前で、イングランド対イラン戦では前後半合計で20分以上のアディショナルタイムが記録されました。

選手交代やスローインなどオンプレー以外の時間を厳密に記録したため、これほどまでに長くなったわけですが、あまり良い印象は受けませんでした。負傷選手の治療には時間がかかるためその際の時間は記録すべきだと思いますが、その他のシーンでは厳密にとる必要はないと思います。

わざわざアディショナルタイムを取るぐらいなら、アウトオブプレー時に毎回時計を止めた方が良いと思います。プレー時間が長くなるほど選手の怪我リスクは高まります。このレギュレーションは今大会だけにしてほしいと考えています。



大会開催時期

中東の気候を考慮し異例の冬開催となりましたが、欧州でプレーする選手のコンディションを全く気遣わない大会でした。従来であればリーグ戦が終了した後に行われるため、コンディション調整の時間を確保できます。しかし、冬に開催されたことでわざわざリーグ戦を中断する羽目になりました。

ヨーロッパでプレーする選手は休むことなく大会入りしたため、疲労が抜けない中で試合に出場しなければなりませんでした。過密日程が重なり、実際に負傷離脱する選手と負傷交代する選手が後を絶ちませんでした。今更会長が冬開催を公開するザマです。

オイルマネーに目がくらんだ選手ファーストでは無い大会であることは明確で、これからは選手第一でW杯開催の詳細を決めて欲しいと思います。


レフェリング

試合を行うためには第三者として試合を裁く審判の存在が不可欠です。難しい任務を担っていることは十分理解していますが、審判が悪目立ちする試合が多かった印象です。

アルゼンチン対オランダの試合ではイエローカードが乱発されました。一つの出来事で大荒れになったのでは無く、それまでに募り積もったストレスが爆発した形です。当該試合を担当したラオス氏は試合後に帰国させられています。実質的な処分と言えます。

パレデスがオランダベンチにボールを打ち込んだシーンは本来であれば一発レッドです。そのシーンに至るまでのレフェリングが曖昧で、両チームに不満が溜まっていたのは間違いないです。

特にPKの有無など試合の結果に直結するシーンのジャッジは明確にする必要があり、ハンドに関するルールはもっとシンプルにすべきだと思います。どこまで技術を人間の判断に介入させるのか、単に審判の質向上だけでは解決できない問題は山積みです。


開催国

今回開催国がカタールになった経緯は非常に不可解です。FIFAの役員がカタール側から賄賂を渡されたとの報道もあります。スタジアム建設には労働者が過酷な環境で働かされており、闇は深いです。

そもそもカタールはこれまで本大会に出場したことが無く、予選で全敗しましたので実力不足であることは明確です。そんな国で開催する動機は本来ありません。ただ、他国に比べ資金力はあるためFIFAはその資産に目がくらんだのだと思います。開催時期の部分でも述べましたが、カタールでなければ開催を冬にする必要はありませんでした。冬開催は選手にとって負の影響が多かったです。

カタール資本は最近になってサッカー界に進出していますが、二度と中東で開催してほしくありません。カタール政府によって報道規制されていることが多く、FIFAとカタールの癒着は想像以上に卑劣なものかもしれません。

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