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ラナ・デル・レイにごめんなさい 【月刊ブラックスワン・ジュークボックス vol.1】

日々の新譜を紹介するソーシャルコンテンツ〈blkswn jukebox: daily〉でとりあげた作品のなかから注目作をランキング!さらに、紹介しそびれたシングル曲などをもセレクトした「その月に気になった曲」プレイリストに、〈blkswn jukebox: daily〉編集委員ふたりによる総括談話を加えた〈blkswn jukebox: monthly〉登場です!

【Monthly Playback  1月篇】

Anchor、Spotify、Google Podcastなどでも配信スタートしました。(Apple Podcastは、開通がやや遅れております)

▶︎Anchor


▶︎Spotify


▶︎Google Podcast


第3回「インディ女子をめぐるあれこれ」

今回は、インディ女子ミュージシャンについて気になることから、新しいライブのあり方についてなど、考えてみました。

0:00|Vagabonのセカンドアルバムのこと
4:35|これは深刻な問題ですよね
6:20|チャーリー・ブリスで思ったこと
7:40|ジェイ・ソムおよびニルファー・ヤンヤ
11:18|ジョン・コングルトンが関わると...
12:50|音のディレクションは誰がする?
14:25|「フェス最適」という問題
16:25|デイビッド・バーンのミュージカル 
19:55|ソランジュの360°

*Soundcloudはこちらから
https://soundcloud.com/blkswnjukebox/monthly-playback-3


第2回「レーベルの未来と悩ましいJ・インディ」

1月の音楽の振り返りの第2弾。ロンドンのレーベル「Speedy Wunderground」から、とある日本のインディバンドの"転身”(?)が話題に。

0:00|レーベルの新しいかたち
2:31|Speedy Wundergroundがいま一番いいですよ
6:03|テレビ番組が配信プラットフォームへ
8:00|スーパーボウルのパフォーマンスも配信されてる
13:00|好きだった日本のインディバンドの残念な顛末
16:50|試行錯誤できる空間が必要?
19:05|"売れる"ための方程式はひとつしかないの?

*Soundcloudはこちらから
https://soundcloud.com/blkswnjukebox/blkswn-jukebox-monthly-playback-2j


第1回「ジェフ・パーカーとラナ・デル・レイに感動したことなど」

黒鳥社のSNSで展開中のマイクロコンテンツシリーズ〈blkswn jukebox: daily〉の編集委員、若林恵と小熊俊哉が、先月のシーンを振り返りながら音楽にまつわる気になったあれこれを放談する"マンスリー・プレイバック"。3回に分けてお送りする1月の振り返りの第1回は、ジェフ・パーカーの注目作の話題に始まり、ラナ・デル・レイの昨年の名盤について、さらに、今月1位に選出したRussian CirclesのEPをリリースした"Audiotree"というレーベルについてなど。(1月振り返りの第2回、第3回は、2月中に、順次、こちらにも追加していきます)

0:00|blkswn jukeboxはなんのために
3:00|ジェフ・パーカーがよかった!
5:56|「インターナショナル・アンセム」の音づくり
10:33|ラナ・デル・レイにごめんなさい
17:20|ロシアン・サークルズとAudiotree

*Soundcloudはこちらから
https://soundcloud.com/blkswnjukebox/120201a


【1月のベスト10】

1.
Russian Circles|Audiotree Far Out - Single

2. Jeff Parker|Suite for Max Brown

3. Ethan Gruska|En Garde
 
4. Caetano Veloso & Ivan Sacerdote

5. V.A. |Revenge of the Dreamers III: Director's Cut

6. J Hus|Big Conspiracy

7. Selena Gomez|Rare

8. Lina_Raül Refree

9. Anthology of Persian Experimental Music

10. Manu Delago|Nightliner (Delta Sleep Reworks)


【1月のDaily】

【#255】Jan.1 Wed.
JACKBOYS - JACKBOYS
みなさまあけまして。昨年末に届いたトラヴィス・スコットからのちょっと早めのお年玉。Rosalíaをフィーチャーした先行シングルのリミックスが絶品。

【#256】Jan.2 Thu

Yumi Zouma - Right Track / Wrong Man
2月?に待望のアルバムが投下予定。オシャレなシンセポップチューンを書かせたら右に出る者のいないニュージーランドの4人組。先行シングルも期待通りの甘さ、切なさ。

【#257】Jan.3 Fri.
b4 greatest hits vol 1

昨年末に1周年を迎えた4AD傘下の新レーベル「b4」の記念コンピ/プレイリスト。独特の情感漂うインディR&Bアーティストを独自にキュレート。2020年、要注目!

【#258】Jan.4 Sat.
Lexie Liu - Meta Ego
88 Risingの一員として2019年にブレイクした中国R&B/ヒップホップの歌姫の最新作。マンダリンと英語が自在に交錯する独特にウェットなライムに病みつき。

【#259】Jan.5 Sun.
Frank Zappa - The Hot Rats Sessions
年の瀬にこんなの出てたの見逃しました。かの名盤のアウトテイクを7時間19分。流し聴きしても楽しいファンキー&グルービーなジャム満載。滅茶面白い。

【#260】Jan.6 Mon.
Mogadisco - Dancing Mogadishu (Somalia 1972 - 1991)

ソマリアのモガディシュのラジオ局に眠っていた音源をAnalog Africaの発掘人が大発見。絶妙な歌謡感にシビれるファンク、レゲエ、ディスコetc.がてんこ盛り。仕事初めの景気づけに。

【#261】Jan.7 Tue.
Anthology of Persian Experimental Music

イランの実験音楽シーンに光をあてた傑作コンピが、CD発売から3年を経て配信開始。寡黙で知的で豊穣なるダークアンビエント集。いまこのときにこそ聴いておきたい。

【#262】Jan.8 Wed.
DENZEL CURRY - 13LOOD 1N + 13LOOD OUT MIXX
マイアミ出身、進化し続ける鬼才ラッパーが壮大で超濃厚、組曲仕立てのメガシングルを投下。12分の長尺もあっという間。激しくも流麗なフロウのなんという高揚感。才能あるなあ。

【#263】Jan.9 Thu.
UKグライムの人気ラッパーのSNSバトルが音源の応酬に、この2日で2曲ずつ砲撃。どこまで続く?

Wileyの先制攻撃
https://youtu.be/sEkRL0bZa_c

Stormzyの応酬
https://youtu.be/73mygGW27LM

Wileyの返答
https://youtu.be/UiqsywG0PhI

Stormzyのさらなる反撃
https://youtu.be/912YaSKGdlo

【#264】Jan.10 Fri.
Mick Jenkins - The Circus

知的なトラックとリリックで知られる実力者が2018年以来の7曲のミニアルバムをリリース。音数少なくラップも冷静。騒々しい世の中であればこそ、かえって効く。

【#265】Jan.11 Sat.
King Gizzard & The Lizard Wizard- Live in Paris '19/ Live in Adelaide '19 

メルボルン出身の変態バンドが、祖国を襲う未曾有の山火事・森林火災救済のためにライブ2作を緊急リリース。売上はWildlife Victoria、Animals Australiaの2団体に全額寄付されるとのこと。

【#266】Jan.12 Sun.
Selena Gomez - Rare
私生活で激しい浮沈に見舞われ2015年以来作品のなかったポップアイドルの復活作は、余白を残した音づくりが心地よい秀作。後味すっきり。何度も聴ける。ジャケもナイス。

【#267】Jan.13 Mon.
Tino Contreras - Música Infinita

秘蔵音源復刻専門レーベルとしてジャイルス・ピーターソンが立ち上げたArc Records第一作は、メキシコのドラマーが78年に遺した実験的アステカサイケジャズファンクの珍盤、いや名盤。

【#268】Jan.14 Tue.
Field Music - Making a New World
イギリスのアートポップデュオが第一次大戦を起点に、性転換手術、超音速、ダダイズム、天安門広場、など多様な視点から人類100年の歴史を切り取る詩的でジャーナリスティックな野心作。

【#269】Jan.15 Wed.
Russian Circles | Audiotree Far Out
シカゴのポストメタルの実力者がAudio Treeに登場。いまひとつピンと来てなかったのですが、これ聴いて改心。トリオとは思えぬ重量感。クリアでヘビーな音のカッコいいこと。

【#270】Jan.16 Thu.
Dreamville, Ari Lennox & EARTHGANG - 1/16
J.Cole率いるDreamville一派が結集した「Revenge of the Dreamers Ⅲ」の続編!!アリ姐さんの甘やかソウルとEarthgangのクセ球ラップの2曲をまずは投下!

【#271】jan.17 Fri.
Caetano Veloso & Ivan Sacerdote
77歳にしてまだ進化し続けるブラジルの巨匠が気鋭のクラリネット奏者をフックアップ。巨匠の弾き語りに瑞々しく応答する木管の若々しくも奥ゆかしい音色が素敵。

【#271】Jan.18 Sat.
Lina_Raül Refree - ST

Rosalíaのヒットにも一役買った欧州で最も先鋭的なプロデューサーがポルトガルの演歌「ファド」の革新に挑む。アナログ機器を駆使した電子空間を情感溢れる歌声が満ちてゆく。新しい。

【#272】Jan.19 Sun.
Hayley Kiyoko - I'm Too Sensitive For This Shit

レズビアン・ジーザス"の呼称でファンに愛される日系カナダ人のLGBTQポップアイコン。手堅くタイトな甘酸っぱいポップチューンを5曲を封じ込めた新作EP。応援してます。

【#273】Jan.20 Mon.
Theophilus London - Bebey
トリニダード出身ブルックリン拠点の越境ブラックミュージックの旗手が2014年以来のフルアルバムを投下。カリブ風味を随所にまぶした、大らかなグローバルヒップホップ。

【#274】Jan.21 Tue.
The Professionals - ST
Oxnardが生んだ最強兄弟の新ユニットがアルバムデビュー。兄Madlibのビートに弟Oh Noが自在なラップで応答。さすがは歴戦の強者。気安さのなかに匠の技がぎっしり。表題に偽りなし。

【#275】Jan.22 Wed.
Bill Fay - Countless Branches
歴史のなかに埋もれていたのを再評価され、2010年代に活動を本格再開したUKの伝説のSSW。しみじみと瑞々しい歌と声に安らぐ、デビューアルバムから50年目の会心作。

【#276】Jan.23 Thu.
Holy Fawn - The Black Moon
アリゾナのポストロック/シューゲイズ/メタル4人組の3曲入りEPが前触れなく登場。「暗い森を彷徨うよう」の評がぴったり。重く暗くチルな15分。どんよりした空の日に。

【#277】Jan.24 Fri.
Jeff Parker - Suite for Max Brown
2020年のジャズを決定づける傑作が早々登場。前作は父、今作は母に捧げる一作。母の記憶と黒人音楽史とが美しく重なりあう。ジャケは19歳当時の母上なのだとか。必聴。

【#278】Jan.25 Sat.
Ethan Gruska - En Garde
泣く子も黙る映画の巨匠ジョン・ウィリアムズの孫は泣く子も黙る敏腕SSW。作曲、編曲、音づくり、全部洒落てる。ひとときも飽かせない珠玉のアメリカーナポップ。

【#279】Jan.26 Sun.
Okay Kaya - Watch This Liquid Pour Itself
風変わりなドリームポップを生み出すノルウェーの新鋭の2nd.は名門Jagjaguwarから。密やかなサウンド、独特な歌詞でブレイク必至か。「一蘭」がモチーフと思しき最終曲は必聴。

【#280】Jan.27 Mon.
J Hus - Big Conspiracy
"Afro Swing"なる新領域の開拓者、注目の2作目。アフリカ、カリブ、USの影響をシームレスに溶かし込む果敢な実験。UKでしか産まれえないブラックフュージョンの最前線。

【#281】Jan.28 Tue.
Manu Delago - Nightliner (Delta Sleep Reworks)
ハンドパンの名匠の昨年の傑作『Circadian』のReworks篇が登場。名曲「Delta Sleep」を18組のアーティストが解体/再構築。7時間24分にも及ぶ"眠りと覚醒"をめぐる変奏。

【#282】Jan.29 Wed.
The Sorcerers - In Search of the Lost City of the Monkey God
英国の新たなジャズのメッカとして台頭著しいLeedsの人気ユニットの2nd。エチオピアンジャズとホラー映画音楽をブレンドしたクールでガサツな新世代モンド。

【#282】Jan.30 Thu
J. M. Pagán - Kiu I Els Seus Amics
1984年にカタルーニャで放映され大人気を博した映画『E.T.』のパクりTVドラマの傑作サントラ!モジュラーシンセとボコーダーで聴かせるSci-Funk/Pop。全然古さを感じない。

【#283】Jan.31 Fri.
Dan Deacon - Mystic Familia
博覧強記のエレクトロ怪人、ネズミと自転車に関する2作の実録映画サントラを挟んで5年ぶりの新作。ポップスの皮を被ったアバンギャルド、あるいはその逆。天才的天邪鬼ぶりに磨きがかかる。


【1月に気になった曲プレイリスト】


月ごとにプレイリストを作成し、気になったアルバム、シングルなどを考える前に放りこんでおくのをこの数年習い性にしてきたのですが、要は備忘録というか、ただのフォルダなのですが、なにせリリースの数が膨大な昨今、曲の名前も、アーティストの名前も覚えきれないので、どこかに貯めておかないとのちのち探し出すこともできなくなってしまうので、致し方なし。もっといい方法もあるような気もしますが、慣れてしまったので、ひとまずこれで。というわけで、極めて乱脈なプレイリストなのですが、たまにいい感じの流れができたりして、それに乗じて、曲順をあれこれいじってみたりすることもたまにあります。1月分のは、冒頭の数曲は結構面白くつながってると個人的には気に入っていたりするところではあります。お試しください。(若林)


【1月のお気に入り音楽動画

Billie Eilish Carpool Karaoke
ビリー・アイリッシュがジェームス・コーデンの人気シリーズに登場した、この動画。ウクレレでビートルズ「I Will」を歌うところがまずは見所。ついで、自宅を訪問。ビリーのスタジオである、兄フィネアスのベッドルームに潜入。世界を変える音楽が、いよいよほんとにどこからでも生まれる時代。


Russian Circles - Quartered | Audiotree Far Out
ライブ動画レーベル〈Audiotree〉のスタジオ以外のロケーションで録音・録画を行うシリーズ〈Audiotree Far Out〉にシカゴのポストメタルトリオが登場。公式アルバムはそこまで入れこめなかったのですが、この動画+音源にはどハマり。ドラムとベースの音が素晴らしく、Audiotreeの録音スタッフの優秀さに感じいったのでした。


Koffee Ft. The Compozers - Rapture (LIVE IN LONDON)
21世紀のレゲエシーンを背負うこと間違いなしのライジングスター。19歳のジャマイカンのロンドンでの白熱ライブ。UKを代表するアフロフュージョンバンド「The Compozers」を従えて、名曲「Rapture」を前のめりに熱唱。

では、また来月!

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