![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26189522/rectangle_large_type_2_6fd876da9bdf659a68e4507c8d000256.jpeg?width=1200)
小さな喫茶店の小さな物語
小さな喫茶店を開いてから4年。
海辺にある週に3日しか開けない店。私は、この店で様々なお客さまに出会ってきた。
赤ちゃんからお年寄りまで
出会いから生まれた物語
ある90歳の男性がいた。
店の常連であるお孫さんの女性と、楽しそうに笑い、食事も召し上がってくれた。90歳とは思えない肌のツヤ、ハキハキと話す様子、ピンと伸びた姿勢、快活な笑い声。
少し耳が遠い男性の為に、大きな声でゆっくり語りかける彼女の優しさが印象的だった。
あれから2年。彼女から「先日、祖父が亡くなりました」と連絡があり、最後の様子も伝えてくれた。
自分の事は自分でするという強い意志、それが出来なくなった時の潔さ、自分で決める身の振り方、最後まで家族を思う深い愛に目頭が熱くなった。
彼女は、祖父から多くの事を学んだと言う。
祖父の決断力と行動力
置かれた環境の中で一生懸命に生きる事
毎日を楽しむ心
周りを気づかう心
そして
何よりも自分の尊厳を最後まで他人に明け渡さない姿勢
彼女が学んだ事が、私の心にも染み渡っていった。
あぁ出会えて良かったと心から思う。
92歳、人生を全うした男性の人柄に触れる機会があった事に感謝している。
おじい様の生きる姿勢をそのまま受け継いだような素敵な彼女との交流はこれからも続く。
あなたに出会えて良かった。
小さな喫茶店の小さな物語
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?