ヒトの保険?モノの保険?

Q.家を出て、一人暮らしを始めたので、念のため賃貸住宅用の保険に入ろうと思いました。そこで、会社に出入りしている生命保険会社の人にお願いしたら、「それは損害保険なので取り扱っていません。」と言われてしまいました。そもそも会社によって取り扱う保険が違うなんて初めて知りました。その違いを教えてください。

 ■身近にあるのに意外と知らない・・・
 身近にあるにもかかわらず、意外とよくわかっていないものってけっこうありますね。保険という金融商品もそのひとつではないでしょうか。今回は、私たちの生活になじみ深い保険である「生命保険」「損害保険」について、それぞれどういった違いがあるかみていきましょう。何となくわかっているようで、その違いをきちんと答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。
 この2種類の保険、一言でいってしまえば、生命保険は人が亡くなることを対象とする「ヒト保険」であり、損害保険は物の損害を対象とする「モノ保険」です。
「えっでも、損害保険の中にも「ヒト」に関係している保険があるんじゃないの?」 はい、確かにちょっとわかりづらいですね。では、具体的に見ていきましょう。

■ 生命保険と損害保険そして第3分野
 生命保険は人の死亡、ケガや病気による入院等、さらには老後(年金)などを保障する保険です。終身保険、定期保険、養老保険といった種類があり、原因は何であれ、基本的に死亡すると死亡保険金が受け取れます。また、あらかじめ決められた保険金額が支払われる「定額払い」になっています。

 それに対して損害保険は、基本的にモノや財産を対象とする保険です。偶然の事故や災害によって生じた損害に対して保険金が支払われます。種類としては火災保険をはじめ、自動車保険や旅行保険、賠償保険、ケガに対応する傷害保険などがあります。生命保険が「定額払い」であるのに対し、損害保険は実際にかかった損害額が支払われる「実損払い」になっています。

 現在ではこの他に、生命保険と損害保険の間に位置する「第3分野」という保険種類があります。これは最近コマーシャルでよく見聞きする医療保険やガン保険、介護保険などのことです。(前述の死亡保障を中心とした生命保険は「第1分野」、火災保険・自動車保険などの損害保険が「第2分野」になります)生命保険は生命保険会社が扱い、損害保険は損害保険会社が扱うのですが、この第3分野は、両方の保険会社が取り扱っています。

 そもそも「保険」というは、『万一の時の経済的リスクに備えて、皆でお金を出し合い、それを資金として、万一の時に一定のお金を給付する』という助け合いの制度です。ですから、「どちらの保険に入ろうかしら」と考えるより前に、まず「自分がどのような『万一の時の経済的リスク』を持っているのか」を確認することが大切です。その上で、それぞれのリスクに応じて、いろいろな保険の中から自分のニーズに合った保険を選ぶことが大切ですね。

幸せを呼び込むポイント
・簡単に言うと、生命保険は「ヒト保険」損害保険は「モノ保険」。
・その他、ガン保険などの第3分野という種類もある。
・まずは、自分が万一の時の経済リスクを考えることから始めましょう。

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