新婚旅行2日目 『北海道の三つの洗礼(前編)』

 夏の北海道といえばラベンダー。ラベンダーといえば富良野のファーム富田。観光のド定番なコースだ。旅行2日目は、そのあえてド定番から北海道を感じることにした。
実をいうとさかのぼること2年前の夏も、僕一人でこのファーム富田を訪れたことがあったのだが。
 さて北海道二日目の旅は札幌駅からスタート。ラベンダーエクスプレスという特急列車に乗って富良野を目指す。
僕としてはもうこの時点から観光は始まっている。なぜならこれも一つ乗りたかった列車だからだ。
ラベンダーのシーズンだけ運行されるこの臨時列車は、人気で予約も取りづらい。前日のうちに北海道入りをしていたのは他でもないこのためだ。
列車に揺られること約2時間、上富良野駅に到着した。
上富良野駅からファーム富田までは歩いて30分ほどかかるらしい。旅行の大きな荷物を持って30分歩くのか。
これこそが北海道第1の洗礼。最寄り駅からの距離がやたら遠い。
確かに、30分は歩けない距離ではない。北海道をリサーチしている時にはこの、駅から徒歩○○分というのを見る度にげんなりしたものだ。これを最寄り駅というのかとつっこみたくなることばかり。
ただそこでわかったのは、駅から徒歩30分というのは北海道では比較的近い方なのだということだ。そもそも車社会で、列車での行き方を書いてくれているだけで親切なのである。
余談だが、ファーム富田へ最もアクセスしやすいのは、夏の間だけ臨時で設けられるラベンダー畑、という駅だ。そこからだと歩いても10分とかからない。
それならなぜそちらを使わなかったのかという話だが、そのラベンダー畑駅は1日に6本しか列車が来ないのだ。北
海道第2の洗礼。列車の本数がけた違いに少ない。乗り遅れたら次でいいや、が全く通用しない。今回旅程を組むに当たって最も苦労した点はそこだ。
レンタカーという手段を使えない我々にとって、移動は公共交通機関に限られる。百歩譲ってもタクシーだが、旅費も抑えたい。
加えて今回使用している北海道フリーパスという切符は、7日間北海道のJRに乗り放題なのだ。そうなると、できる限り列車を使わない手はない。
覚悟を決めて上富良野駅に降り立つと、駅前には乗り合いタクシーが待機してくれていた。渡りに船とはこのことか。一人200円でファーム富田まで送迎してくれるらしい。
タクシーは使いたくないと上で書いたばかりだが、これならいいかとあっさり乗り込む。そんなこんなで無事ファーム富田に到着した。
(後編へ)

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