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326.赤い服の女

2024.8.6 tue 19:58

「私、赤い服が着たい。」

昨年の冬から紫の服を探し続けていた。夏になっても、紫のトップスを探していた。
でも、赤い花に目が行くようになって、ワインレッドの服を来たい、今すぐ着たいとどうしようもない気持ちになるのは、今の私がありのままの姿で居られないからだと思う。もう少し強く激しい鎧を被りたくなる。

素敵なダンス公演を観た時や、良い映画を観た後みたいに、頭の中の思い鎧がふっと解けて、白いままの私でいることが心地よい時もある。清々しい、風通しの良い身体。

赤い服を着たい私は、風通しは良くない。自分に対して悲しくなるのを必死でこらえて、泣かないようにスッとして見せて、淡々と働く。踊りたくなる。創った作品に爆発的な寂しさをこめて

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