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〈5/19(fri)~ CUBITTS POP UP EVENT TOPIC〉完全期間限定ビスポークコレクションがリリースされます!テーマは「CUBITTSフレームメーカー新井慧斗が考えるイギリスのフレームデザイン」

2023年5月19日(金)からスタートするCUBITTS POP UPで、ロンドンでハンドメイドで製作されるブリンクベース別注ビスポークモデル3型を完全期間限定受注することが決まりました!

そして今回のビスポークモデルは、現在CUBITTSでフレームメーカーとして在籍している元ブリンクスタッフの新井くんにブリンクベースからデザインテーマを出して、そのテーマを元に今回のビスポークモデルのデザインを描いてくれました!

テーマは
「CUBITTSフレームメーカー新井慧斗が考えるイギリスのフレームデザイン」

本記事では、CUBITTSのフレームメーカー新井くんがデザインしたビスポークモデル全3型について詳しく話を聞いてみました。


田代:企画草案から約半年、やっとサンプルができたね!

新井:やっとですね。。笑

田代:今回はね、新井くんがデザインから起こして、受注生産でフレームメイキングまでをしてくれるビスポークイベントを5月19日(金)から開催することになりましたが、その眼鏡3型の詳細について色々聞きたいなと思ってね。

田代:今回ブリンクベースから新井くんに出させてもらったテーマが「新井くんの解釈するイギリスのフレームデザイン」ということでそれぞれ聞いていっても良いですか。

新井:こういうの去年のキュービッツのイベントの時のインスタライブぶりですね笑。結構考えましたし、気合い入ってるんで、ぜひ話しをさせてください!

田代:そうだね!新井くんのこういうの意外と楽しみにしてるから笑

新井:意外と、ってなんですか笑

〈モデル:「Powell」〉新井くんの考えるイギリスのフレームデザイン①

モデル:Powell

田代:まあそれは良いとして笑、まずじゃあ1型目は「Powell」。これはどういうモデル?

新井:まずモデル名の「Powell」(パウエル)ですが、これは師匠のローレンス・ジェンキンが今活動しているワークショップがあるストリートの名前です。

新井:CUBITTSのモデル名ってストリートの名前が多いんです。なのでそれに倣って、且つ自分とも関わりのあるストリートの名前にしました。

田代:なるほどそういうことなんだね。デザイン上でイメージは何かある?

新井:イギリスの眼鏡のデザインの根本ってやっぱりNHS*の眼鏡のデザインなんですよね。ただ今回描いた3型中、「Lodes」だけはNHSのデザインが頭の中にありましたが、「Powell」はNHSの眼鏡の支給制度があった時代に支給された眼鏡ではなくて、ローレンスがやってたようなアングロアメリカンとか、富裕層が敢えてお金を出して買っていたようなフレームのデザインをイメージしましたね。

NHS:National Health Serviceの略。イギリスの国民保険制度。1930年代から80年代頃までイギリスは保険制度で加入した者は眼鏡が無償で支給されていた。

新井:なのでフロントをただカットするだけじゃなくて、カット後に手作業で角に丸みを出すための手間がかかっているので、他のモデルと比べて1.5倍は手間と時間がかかりますね。一番お得ですよこれ笑

田代:お得って笑。でも確かにそれは結構手間がかかってるね。

〈モデル:「Lodes」〉新井くんの考えるイギリスのフレームデザイン②

モデル:Lodes

田代:2型目の「Lodes」(ローズ)は「ザ・クアドラ」って感じのデザインだね。これは何かデザインする上でのエピソードはある?

新井:そうですね、最初にこのテーマ(新井くんが考えるイギリスのフレームデザイン)を出された時に正直これっていうのはイメージなかったので、師匠のローレンスのイギリスの典型的なデザインってなに?って聞いてみたところ、即答したのがクアドラだったので、3型のうちの1型はクアドラにしようと思いました。

田代:クアドラってデザイン上の決まりというかパターンみたいなのはあるの?

新井:クアドラがクアドラたらしめてるのは、四角さとレンズシェイプの天地幅(縦幅)が大胆に深いっていうところですね。

田代:最初にデザイン案みた時に、確かにクアドラシェイプなんだけど既視感のない違和感もあって、それで色んなクアドラと比べてみたんだけど、新井くんデザインのクアドラはブリッジの配置が通常より低く設定されてるけど、これにはどんな意味が?

新井:今回イギリスのフレームデザインの解釈ということでしたけど、あくまで掛けるのはブリンクベースのお客さんであって、そうすると掛け心地とデザインの両面でアジアンフィットにする必要があると考えていました。これはこっちのセオリーとしてよく言われているだけなのですが、鼻のトップが下の方に位置していることが多いアジア人にはブリッジの位置を下げるのがセオリーなんですよ。

田代:それは初めて聞いた、そういうセオリーもあるんだね。

新井:それでNHSのクアドラシェイプで、且つフィット感を重視したブリッジの配置にしたら意外と面白いデザインになったんですよね。

田代:そのイギリスデザインとアジアンフィットデザインのセオリーのミックスがこの違和感を覚えさせるのか。

新井:ブリッジの位置って下げると本当に全く雰囲気変わりますね。全体的にはオーソドックスな昔からあるイギリスのクアドラシェイプにブリッジを落としただけなんですけど、それだけで割と違う雰囲気になっているのでまたなんかあのちょっと今までなかったようなデザインになってるんじゃないかなと思います。

〈モデル:「Smeed」〉新井くんの考えるイギリスのフレームデザイン③

モデル:Smeed

田代:じゃあ最後3型目の「Smeed」(スミード)はウェリントンシェイプだね。でもイギリスの正統派ウェリントンというわけではなさそうだね? どういう経緯でこういうデザインになったの?

新井:そうですね、イギリスのクラシックなシェイプって一般的には大体ウェリントンって答えるんじゃないかなと思って、ウェリントンは3型のうちの1型には入れたいなと思っていたんです。

新井:デザインの経緯は「Powell」と似てますけど、NHSじゃないイギリスデザインを意識しました。

田代:なるほど「Smeed」はどこがデザイン源なの?

新井:昔アメリカのミリタリー系のブランドがイギリスで生産していた時期があったらしくて、その時のセルフレームがまさに今回の「Smeed」みたいに内径と外径が全然異なっているデザインが多かったんです。それがまた超かっこいいんですよ。。

田代:それはやっぱりNHSは割とオーソドックスなシェイプが多かったことから、NHSとの差別化みたいなのもあるのかな?

新井:そうですね、実際は分からないですけど、昔のNHSは本当に保険制度の眼鏡なので、誰でも掛けられるようにデザインされているんですけど、当時のお金を出してわざわざ眼鏡を買う人は、NHSっぽくないデザインを求めてたと仮定すると、そういうデザインが増えていくのも自然だと思うので、一つの説としてはあるかもしれないですね。

新井:でももちろんそのデザインをそのままトレースするのもつまらないので、あくまで「外径と内径のギャップ」ということをウェリントンシェイプの土台のテーマにしました。

田代:土台は「外径と内径のギャップ」ね。でもさNHSのようなオーセンティックではなくて、外径と内径のギャップがあると、結構際どいデザインになりそうだけど、今回ビスポークモデルのデザイン上の抑えどころとかは意識した?

新井:そうですね、当時の70〜80年代にNHSの眼鏡じゃない眼鏡をお金を出して買う人って、ある程度ちゃんとお金を稼いでる人が多いと思うので、仕事はスーツを着てて、革靴を履いて、眼鏡はザ・ウェリントンみたいなのををかけるイメージが僕にはあるんですけど、やっぱ日本人の方はこういうがっつりしたウェリントンとスーツを合わせるってことをあんまりしていないんですよね。それより私服でカジュアルなスタイルにこういうウェリントンを合わせる方のが身につけやすいのではと思って、天地幅を狭くしすぎるとカジュアルさに欠けるんじゃないかなっていうのもありまして、元ネタにもした自分が前に作ったプロトタイプよりも天地幅は結構深く取りました。


おわりに&重大告知

田代:以上ビスポークモデル全3型についてのロングインタビューお疲れ様でした。

新井:3型それぞれテーマやコンセプト聞いてみてどうでしたか?

田代:仮説だけど、イギリスのフレームデザインはNHSデザインとNHSじゃないデザインが対になっているというのは注目しそうでしてなかったところだから、個人的にも素直に面白いなと思いましたし、テーマの「新井くんが考えるイギリスのフレームデザイン」にガッツリハマった感じがするね。普通であれば掛けやすいデザインにするためにNHSのデザインをベースにしてしまいそうなところだけど、例えばさ「Lodes」のブリッジ配置とか「Smeed」のレンズの天地幅とかさ、新井くんらしい配慮あるデザインによって、ビスポークならではの遊び心もありつつ、しっかりと掛けれるデザインになっているのは良いなと思いました。

新井:ガチレビューありがとうございます笑。このブログを読んでもらえれば僕が作った3型がどういうデザインなのか分かりそうですね。

田代:あとは新井くんが店頭で接客してくれれば、ね?笑

新井:そうなんです、実は今回5月19日(金)からスタートするCUBITTSのポップアップイベント期間中の、5月27日(土)と5月28日(日)の2日間限定でCUBITTSの創設者のトム・ブロートンとCUBITTSフレームメーカーで働く、私新井慧斗が店頭に実際に立って接客をさせていただくイベントが開催となりました!

田代:新井くんはめちゃくちゃ久しぶりの接客だね!笑

新井:日本の皆さんにお会いできるのが本当に楽しみです!

今回別注で製作してもらった3型はCUBITTS POP UP期間中に受注生産で手に入れることができます。ぜひこの特別な機会にCUBITTSのビスポークをご堪能ください!

田代:じゃあ新井くん、次のインタビューしていい?

新井:え?まだ続くんですか?笑

田代:このビスポークモデルのフレームメイキングの様子を見せてよ!

新井:仕方ないな〜分かりましたよ笑。じゃあ続きは後編で!


〈CUBITTS POP UP LIMITED BESPOKE MODEL〉

Model:Powell
Shape:Panto
Size:S,M,L(サンプルはMサイズ(47□23))
Price:¥77,000-(w/tax)

Model:Lodes
Shape:Quadra
Size:S,M,L(サンプルはMサイズ(49□22))
Price:¥77,000-(w/tax)

Model:Smeed
Shape:Wellignton
Size:S,M,L(サンプルはMサイズ(52□23))
Price:¥77,000-(w/tax)

※ビスポークは5月19日(金)から5月31日(水)の間、受注を受け付けております。
※トム・ブロートン氏、新井慧斗が在店するのは5月27日(土)、5月28日(日)のみとなります。(時間帯は追って発表いたします。)
※ビスポークフレームの納期は約2ヶ月〜3ヶ月となります。