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君だけは絶対友達。

「パートナーが出来たら、その人が最優先になる」
「男女の友情は成立しない」
そういうこと考えるの、嫌い。

今放送しているドラマ、いちばんすきな花が、そういう題材を扱ってて、なんだか救われた気がして、でもちょっと違う気もして、そんな、感じ。

困った時、私は電話する友人がいる。
とびっきりの友人。
高校時代からの友人で、メイクしてない顔も、だらしない生き方もほとんど全部見せてきた人。
生物学的性別は異性だけど、そんなの関係なくて、ただ側にいて、ただ話をして、馬鹿笑いをして、そういうのだけで充分で、だから、ずっと友達だって思う。

例えば、パートナーと上手くいかなくなって、彼に相談するってこともあるわけで、でも、だからといって、彼と付き合うとかそういうのは全くないわけで、ついでにパートナーと別れてしまったって、彼と付き合うこともないわけで、そんなことで私達をくくらないでほしいと願うわけで。
別にそういうことじゃないんだって思う。
勝手かもしれないけど、同級生だった子に何を言われても、そうだね、しかない。そうだね、で、終わり。そりゃ仲はいいけど、それって「恋」になるの。よくわかんない。
やめてほしいとか、そういう否定的な話でもなくて、本当にそういうのが腑に落ちないって思う。

でも、この間、ちょっとした集まりでされた質問を考えてたら、何かよくわからなくなった。一般論に染まりたいとか、一緒になりたいとか、そういうことじゃないって思うんだけど、なんていうか、こう、説明するのが、言葉にするのがとにかく難しい感じで、辛かった。

「君は崖の上にいて、断崖絶壁のところでパートナーと親友が危ない状態になっている。君はどっちを助ける?」

決まってる。最初から。
親友だろう。
だって、私は、彼に何がなんでも生きててほしいんだから。
そう考えた自分は周りの人とは違ってて、違うのをちゃんと認識した。

パートナーのことが大事じゃないとか、親友の方が本当は好きなんだとか、そういうことじゃない、そういう話じゃなかったはずで、私はそういうことも考えたくなくて、でも、そういうことにされてしまうのかもしれないって思って、それがつらくて、なんか上手く言えなくて、どう伝えたらいいのか分からなくて、「挫折」した。

私と親友はどちらかが死んだら、死んだ方の葬式に行って、棺桶蹴るって約束をしてる。なんで俺より、私より先に死んだんだって、やつあたりして、なんかこう、私を、俺を社会の最悪な視線にさらすなよって、そういう気持ちをぶつけていい、っていうか、もう、そういう、とにかく生きろよっていうこと、そういうことを大事にする世界に私達はいて、そういうのを誰かに侵害されたくないって思ってて、守っててほしいって思う。同時に守ってやるって思う。
めちゃくちゃプライベートなこと、プライベートな二人だけの話、そういう世界。…なのかな。
でも、こういうのって何で言えばいいの。
どうすれば伝わるの。
もうわかんない。

ぐるぐるする。

一生一緒に生きてたいとか、なんか、そういうことじゃない、そういうことで、なんかこう関係を結んでたいとかそういうのじゃない。
この世界で生きててくれなきゃ困る人。
その人にたまたま人生で出会って、今も連絡が繋がってるっていう、そういうこと。
でも、世界のどこかで生きてたらもうそれだけで私の中はいっぱいになる。それだけでいい人。

うん。私にとってはそうなんだ。

…いったん、冷静になってみよう。

世間では「男女の友情は成立する」という人と「しない」という人がいると思う。もちろん、時と場合による、という解答が一番正しいような気はするけれど、でもここではちゃんと主張し、説明したいと思う。
もう一つ言うならば、私は「男」「女」だけが性別だとも捉えていない。でも、この文章ではあえて限定的になってしまう記述にする。そのことも事前にお見知りおきし、理解してくださった上で読んで欲しい。

個人的に
私は「男女の友情は成立する」派。
私には複数の男友達がいて、彼らとは普通に仲が良い。
一対一でご飯にだって行くし、買い物にも行く。電話もする。
男女の友情はどうして成立する、と思うのか。
それについて綴る。

「男女の友情は成立する」。

この言葉の逆は「男女の友情は成立しない」。
それを言い換えたとしたら?
「恋愛対象になりうる性別の人とは友情関係を築くことは不可能である」。
そういう言葉になると思う。

もし、そう言い換えられるとしたら。その条件はおかしいと証明できると思う。
なぜなら、その場合、恋愛対象が男女両方であるバイセクシュアルや、性別にこだわる事のないパンセクシュアルの人は、世界にいるほとんどの人と友情関係を築けないということになってしまうから。
そんなわけないじゃないか。
そんな風になったら、おかしいと思うから。
そこに違和感は感じるから。

そんなことあってたまるか。

恋愛的に見るから、友情を築けない?
それは全然違う話だと思う。

もちろん、男女での友情から恋愛に発展する事例は起きやすいかもしれないけど、友情関係が存在しないなんてことは絶対にないと思う。もし恋愛関係になる可能性のある条件が揃っているというだけで、その環境の中で友情が発生しないのなら、それはあまりに乏しくて、寂しい世界のように私には思えてならないん。

こんな感じで証明が出来ているのか分からないけれど。
私の中ではこれが一応の証明のつもり。

どうか伝わってほしいな、と思う。

私達はそんなに狭い世界で生きていないって。
多くの違いを持っていようとも、友情を築けるし、そこにはちゃんと信頼も尊敬もあるんだって。

私は私の友人を、どんな性別の友人も等しく愛おしく思います。大事にしたいと思います。そんな友情関係があることを誇りに思う。だから、そんな自分のあり方が少しでも伝わる事を、今日も祈る。

今回の文章はここまでです。
読んでくださったあなたに心からの感謝を。

あなたがあなたのご友人と素敵な時間を過ごされますように。
私のあり方や、私のような誰かが少しでも生きやすい世界でありますように。どんな性別でも、どんな条件があろうとも、友情関係を何もおそれずに私達が形成することが出来ますように。
貴方と貴方のご友人に祝福あれ。

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