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オフィス街ど真ん中で

毎晩、オフィスから1時間くらいかけて歩いて帰っている。その最中、見渡してもビルばかり、都心の真っ只中、ふと道路脇で焼き芋の販売を見つけた。こじんまりとした風情の、どこか懐かしい明かりを載せた軽トラック。荷台にはぎっしりと芋が詰まってる。しかもその出会い、2日連続で。

一夜目、勇気が出ずにそのままスルーしてしまい、帰宅してからすごーく後悔した。なので二晩目、同じ場所に焼き芋のトラックを見つけて、思わず心の中でガッツポーズしたよ。ありがとう、そこにいてくれて。

この僥倖を逃すまいと、意気揚々と芋を買う。「ねっとりしたのがいい?」「はい」中サイズで500円なり。

近くの植え込みに座って食べる。うまい。たしかにねっとりしていて、甘いところは透き通った黄金色。知ってる、おいしい糖はこういう色になる。しかも皮まで香ばしい。あー、こんなして買ったの、何年ぶりだろ、焼き芋。

都会の真ん中で、郷愁に駆られる出来事。
いしやーきいもー、おいもー。
冬の夜の散歩もいいね。


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