バーチャルYouTuberのコラボのメリット・デメリットと展望

1.はじめに 
 

 バーチャルYouTuberという概念、そして市場が一般的に知られるようになってから2年ほど経過した。キズナアイ、そしていわゆる「四天王」と呼ばれる者らを除いて、バーチャルYouTuber同士のコラボは盛んに行われている。今回はそのメリット・デメリットをバーチャルYouTuberと視聴者側の双方から提示し、その展望を書いていきたい。

2.メリット

①コラボ相手が広告となる
 文字通りの意味で、コラボを通して視聴者は新しいバーチャルYouTuberを知ることになり、上手くいけば新しい視聴者獲得に繋がる。
②動画内容の幅が増える
 複数人でプレイすることで映えるゲーム等は少なからず存在する。そのようなものを動画内容とできるのは利点である(ただし、視聴者を利用することもできる)。
③魅力の再発見
 コラボによって、上手くいけばそのバーチャルYouTuberの今まで見えなかった魅力を引き出すことができる。
④関係性オタクの存在
 最近の「オタク」には関係性オタクという者が存在する。しばしば見られる「てぇてぇ」というものといってもいい。この一部の者たちならば、あたかも新たにストーリーが紡がれたかのように感じ、幸福を得られる。

3.デメリット

①視聴者との双方向性の欠如
 これは主に生放送に関する話である。バーチャルYouTuberに限らず、生放送というものは、視聴者との双方向性が魅力の1つである。具体的にはYouTubeでの生放送中のコメントが読まれることなどである。これを読まれることで、視聴者は同じ時間を過ごしていることを感じ、より幸福を得られる。
②コラボによる不快
 当然いざコラボをしてみれば、上手くいくとも限らない。視聴者にとっても面白くなく、バーチャルYouTuber自身も不満を抱える可能性がある。
③コラボによる炎上
 男性バーチャルYouTuberに多いらしいが、女性とコラボをすることにより、一部の視聴者から反感を買ってしまうことがある。また、そういった点に限らず、渋谷ハジメのようにコラボが原因で炎上してしまうことは少なくない。加えて、各バーチャルYouTuber同士はそれぞれの世界観があり、またいわゆるロールプレイをどこまでするかも異なっている。これが違うもの同士が混ざるのが危険なのは明らかだ。
④関係性オタクの存在
 これはメリットにもなるが、デメリットにもなり得る。「〇〇てぇてぇ」だとか、「不仲説」だとかいう言葉が横行していて、界隈では市民権さえ得ている様に思えるが、これはネタに留まらない可能性がある。「不仲説」というのは当然仲がいいのに、コラボをしないだけでそんなことを言われても困る。「てぇてぇ」というのものも実は厄介だ。男女であれば、③に繋がる可能性が高いし、そうでなくても「不仲説」というものは1度コラボした相手で話されることが多い。さらに、何度も同じように「〇〇とコラボしてほしい」というのも負担となる。こういったことがあると、活動自体が委縮してしまう恐れがある。これらの問題の例として挙げられるのが郡道美玲と夢月ロアの問題だろう。

4.展望
 

 今回挙げたデメリットは④以外どれも絶対的なものではない。①については、コラボ中でもコメントを拾うなどで双方向性を保つことは可能である。他にも、この記事作成当時に流行っているポケットモンスターソード&シールドでは、視聴者と交換したポケモンのみで戦うといった、視聴者を絡めた企画にすることができる。②については、事前の打ち合わせで、ある程度回避可能性はある。③は単純に互いの世界観を尊重し、コラボ時のかかわり方に気をつければいい。それに、そもそもちょっとやそっとで本気で炎上させるものなど、ごく一部だ。
 問題なのは④だ。④は市民権を得てしまっていて、「ガチ恋」というものすら食い尽くす勢いだ。多くの者は「てぇてぇ」というものを半ば冗談としているだろうが、場合によっては負担となることがあり得る。この克服には最も困難な「民度を上げる」しか方法がない。しかし、オタクの層や形が変化し、段々と固定化されてきている界隈において、これは並大抵のことではない。

5.限界
 

 私は今回、総論的に執筆をしたが、当然各々のバーチャルYouTuberの人気や視聴者の雰囲気、スタイルによって、メリットもデメリットも程度が異なる。この点は限界とせざるを得ない。

バーチャルYouTuberとリスナーの関係に関してはまた別の記事で述べます。今回、にじさんじの方の名前を出させて頂きましたが、ただの偶然で会って、他意はありません。そして当然ながら、この記事は個人を攻撃するものではなく、あくまで界隈全体に関することです。その点をご了承ください。


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