心の傷を磨く旅はまだまだ終わらない〜向こうの世界にいる彼に伝えたい言葉
今回noteに私の拙いブログを読んでくださった方からコメントをいただいた。
マリさん、ありがとうございます。
2018年の2月。
私はとても大切な人を突然亡くした。
事故でも自殺でもなく、大動脈解離が原因だった。
我慢強い人だったから、もしかしたら何らかの不調はあったのかもしれないが、遠く離れて普段は電話でしか話せない、たまの帰省でしか会えなかったから、まさかそんなことがその人の身に起こるなんて誰も予想だにしていなかった。
仕事中で外出先でそのことを知り、すぐには動けなかった。
頭の中は『嘘だ、嘘だ、そんなの嘘に決まってる!』とそればかり。
思考が完全に停止していた。
車の中ででとりあえず心を落ち着けないと(落ち着くはずもないのに)、と必死にもがき、どうやって会社に戻ったかもあまり記憶にない。
泣きたい気持ちを我慢して、その日は帰宅してから一晩中一睡もしないで大泣きしていた。
翌朝泣き腫らしたぶんむくれの顔で、泣きすぎて痛くて重たい頭で、とにかく荷造りをして地元に戻った。
新幹線や在来線で周りにいた人は私に何があったのかと思ったに違いない。
ものすごい形相だったと思うけれど電車に乗っている間も涙が止まらず、ずっとティッシュを握りしめて、ビニール袋にゴミを捨てながら移動していた。
新幹線と在来線を乗り継ぎ、やっとの思いで彼の実家にたどり着いた。
へとへとだった。
今思い出しても涙が出てくる。
辛くなるから振り返るのはここでストップするけれど、その後食いしん坊の私が生まれて初めて食べ物が喉を通らなくなった。
仕事でどんなストレスがあっても、食欲がないなんてことは1ミリたりともなかったこの私がだ。
自分でも驚いた。
『嘘だと言って欲しい、こんなの絶対やだ!』と頭の中でひたすら繰り返していた。
一番恐ろしかったのは、火葬場だった。焼かれてしまったら、存在が完全にこの世界から消えてしまう。
諦めきれなくて、今思い出しても号泣してしまうほど辛い。
遺骨になってもまだ信じられなくて、今でもまだ会いたいと思ってしまう。
とても長いこと当たり前のようにそばにいて、支えてくれた人がいなくなり、私はやっていけるのだろうかと、
不安なんて言葉では表せないなんとも表現し難い気持ちで身体中が充満していた。
今も孤独を感じるのは、その人の不在を思い出す時。
何があっても家族以外で、どんな私でも見捨てないでいてくれると、いつも絶対的な安心感と信頼感があったのだ。
それがなくなってしまって、今もまだ私の足元はグラグラしている気がする。
その人が生きていたら、くよくよする私に
『そういう時は何も考えるな』とか
『泣くな』とか
何らかの言葉をかけてくれただろう。
それがどんな言葉であっても、いつもストンと私の安心になって、ほっとした。
電話で話しながらもそのまま寝てしまったりした。
翌日『20分くらい反応なかったから切ったよ』と言われたりして、私が電話口で寝てしまっても待っていてくれた優しい人だった。
しかも、彼は私だけでなく誰にでも優しい人だった。
そしてその優しさを、
あからさまではない、何というか相手に負担を感じさせないさりげない自然な、それでいて相手にとってとてもありがたい形で与えてくれるのだ。
こんなにも辛いのは、私のせいなのだ。
与えてもらうばかりで、返せていなかった。
それがとてつもない大きな後悔になって、私を苦しめている。
もっとしてあげればよかった。
私にとってとても大事な人だったと、ちゃんと伝わっていただろうか。
今生きている私は、
『今周りにいる人に何かを与えられているだろうか。』と考える。
同じ後悔をしたくないのに、まだまだ全然できていない。
彼の足元に全く及ばない。
人に優しく感謝の気持ちを持って、毎日を過ごしたい。
今向こうの世界にいる彼に伝えたい言葉。
『ごめんなさい』(もっと彼にもいろんなことをしてあげたかったし、彼に伝えた言葉にいくつかの後悔がある。)
そして、たくさんの『ありがとう』
それから『待っていてね』
私もそのうちそちらに逝くし、また次の生まれ変わりでも会いたいからまだ先に生まれ変わらないで欲しい。
あまり歳が離れずこの世界のように1つ違いで再会したい。
彼が亡くなった時、人は亡くなったらどうなるだろうとか、どうやって乗り越えたらいいのだろうといろいろ調べた。
その時に見つけた江原啓之さんの言葉。
心の傷。
いろんな傷があると思うが、彼の死は私の心に深い傷を残した。
自分が半分亡くなった喪失感があった。
あれから私の心の傷を磨く旅が始まり、その旅はまだまだ終わらない。
※過去記事をリライトしました。
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