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好きな美術館(展示空間が重要文化財)/五感であじわう、日本の美術@三井記念美術館(9/1まで)



三井記念美術館


先日の玉堂美術館も好きだし、

出水美術館、山種美術館も好き。
そしてここ、三井記念美術館も好きな美術部のひとつ。

今開催中のこちらの展覧会に行ってきた。

この三井記念美術館は、東京メトロ銀座線の三越前駅A7番出口から直結している。

10時の開館で、朝一番に行ってきた。


ちなみに、道路の反対側に三重テラス
夏だから、赤福氷の看板
東京でも食べられるの
懐かしい

ちなみに、こちらのリンクで100円の割引が受けられる。(窓口で提示)

長くなりそうだけれど、行ったつもり?になれるようできるだけ写真を掲載してみたい。

参考:出品目録

エントランスホール

吹き抜けの天井が高い
美術館は7階
左側の階段を上がって
左に行くと美術館入り口
時間前に着いたため、階段には上がれない
7階受付の左に飾られた作品
陶製象香炉 金襴手宝珠形火屋
永楽和全 明治20年(1887)

*永樂 和全:19世紀に活躍した京焼の陶芸家。 千家十職(茶道の千家の流れを汲む茶の湯の道具を、代々にわたって制作する人たち)の一つ、土風炉師・善五郎の十二代。

今回の展覧会も永楽和全の作品が多くあった。

展示室前の作品


展示室1

この展示室1の前の右手スペースに美しい作品がある。

この細かさと美しさ。
線描に金泥を施し、間を裂地で埋めている。
見飽きない。

展示室に入る前からこの作品で時間を費やす。

展示室の雰囲気

展示室はあまり明るくない。順不同で中の写真をいくつか。

この静かな落ち着いた空間が好き。
今風のスッキリモダンではなくて、ちょっと古い時代の居間にいるような雰囲気。

この展示空間は「重要文化財」にも指定されている。

展示室1
展示室5
展示室3
国宝 如庵の再現
(愛知県犬山市にある。
こちらも見に行った。)
木の壁面とランプの雰囲気がいい
ランプ
こういう壁も落ち着く
のっぺりとしていないのも素敵
こんな家に住みたい
立派なタッセル
壁も素敵
展示空間 全体像
展示室2から展示室3の通路
こういうスペースがあるのもいい

展示室1 

「味を想像してみる」というテーマで、器や食材の展示が中心。

初っ端に目に飛び込んできたのが大きな伊勢海老!
今でいうフィギュア。

一番最初にあった作品
伊勢海老らしい
伊勢海老自在置物
(今でいう可動式フィギュア)
動かせる!

長い触覚を前後に振ったり、脚を関節で曲げることができ、腹部も伸ばしたり、内側に折り曲げたりできます。

三井記念美術館 作品解説より抜粋
これもすぐに分かった。
初めての出会いは、京都の清水三年坂美術館(ここも好き)
安藤緑山作
奥のミカンが一番リアルだった気がする
紫交趾釉島台杯 永楽和全作
全部で5つ
交趾(こうち)=今のベトナム
ベトナムから渡来したカラフルな焼物を交趾焼という
それを写した杯

とても素敵だった。紫という色も落ち着いた、いい色。

結構大きな作品 緑(萌黄)が鮮やか
萌黄交趾釉柏葉皿 永楽和全作
交趾釉兎花唐草文饅頭蒸器 永楽和全作
こんな器でお饅頭を蒸す・・・
日出鶴波蒔絵煮物椀 中村宗哲作
江戸〜明治時代19世紀
(この当時はお正月に鶴の身を食べていたらしい・・・)

華やかな作品。

中村宗哲も千家十職の塗師。お茶のお稽古の時、よく聞いた名前。

展示室2

ここには、尾形乾山の作品が一つ。

入ってすぐ見る前に誰の作品か分かって、今までの美術館巡りも無駄ではなかったと、ちょっぴり嬉しい。

京都の細美美術館や野村美術館、こちらの出光美術館で尾形乾山の作品を結構見たのが大きいと思う。

尾形剣山 錆絵染付笹図蓋物 江戸時代18世紀

尾形剣山は、尾形光琳の弟で絵画や陶器に才能を発揮した人。

熊笹を一面に描いた、角の丸い蓋付きの器、器の内外に表示された熊笹は白、茶、黒の三色で描かれ、雪化粧した様子を表現しているようです。

三井記念美術館 作品解説より抜粋


展示室3

ここには、愛知県犬山市にある国宝「如庵」を再現した茶室(一部)がある。

三重県に住んでいた際に、国宝の犬山城と一緒に見に行った。

転勤は大変だったけれど、三重県は住みやすくて名古屋、京都や奈良も近くて、いろいろ行きたいところに行けたのは本当に良かったと今でも思う。
(当時も残業ばかりで週末結構死んでいたので、今思うと毎週京都や奈良に通えば良かった・・・と後悔。)

展示室4


墨河夕涼 鏑木清方筆  昭和時代・20世紀

鏑木清方も好き。

桔梗模様が表された淡い青色の着物をまとった女性が、隅田川のほとりで夕べの涼をとっています。右手に手拭いを持ち、左手でかんざしを直す仕草が印象的です。

三井記念美術館 展覧会祭サイトより

「京都名所十二月」(川端玉章筆)も好きだった。
この展示室では、六月と十二月が展示。

「京都名所十二月」(十二月)(川端玉章筆)
冬の清水寺
(一部拡大して撮ったもの)


同じ川端玉章の作品。
華やか。

草花図額 川端玉章筆 明治時代・19 〜 20世紀
花の色の濃淡が美しい


そして、円山応挙。

「滝に亀図」 円山応挙筆
拡大して撮った一部分

絵画はガラスが反射して写真に撮りにくいからこの展示室ではあまり撮らなかった。

紅梅之絵 鎌倉時代・14世紀
左側の紅梅・・淡いけれど確かに
古い時代のものが残っているといつも感動する・・・


展示室5 

蒔絵が美しい
香道を学びたい(概略だけでも)と最近思う
扇面蒔絵香具箱・十種香道具


大好きな野々村仁清
「流釉輪花建水」
何枚も撮ってしまった野々村仁清
水晶玉・平目地水晶台  象彦(西村彦兵衛)製
これ、玄関に置きたい・・・
見事な水晶三井家で所有する最大の大きさ
(直径約18センチ 約8.9キロ)
柳枝水指
伊賀耳付花入 銘業平
紹鷗黒大棗 秀次作
シンプルだけれど・・・・優美
菊尽蒔絵高坏 象彦(八代西村彦兵衛)製
こんな雅な器、何を盛り付けたらいいでしょう
菊尽蒔絵高坏 象彦(八代西村彦兵衛)製

このコーナーには、
・黒楽茶碗 銘俊寛 長次郎作
・黒楽茶碗 銘雨雲 本阿弥光悦作
いずれも重要文化財があって、こちらも良かった。

楽茶碗は京都の楽美術館に見に行った。
また行きたい美術館の一つ。

展示室6 

ここはこじんまりした展示室で、
正面にあった昆虫はリアルであまり見なかった。

『三井好 都のにしき』より「朝の雪」 水野年方画 明治時代・20世紀
(一部切り取り)
『三井好 都のにしき』より「朝の雪」 水野年方画 明治時代・20世紀
なぜ冬の場面を展示したのかは分からない。

展示室6正面の左側にあった円墨。

拡大してみると、本当にたくさんの子がいる・・・

右手には小林古径の作品が2点。

小林古径は新潟県上越市出身の日本画家。

小林古径記念美術館があって、新潟に行くことがあったら行きたいと思っている。
(小林古径邸は建築家・吉田五十八が設計して、現存する数少ない吉田五十八の初期の作品でとして、当時の施工技術の高さを伝える建物として貴重なのでそれも見に行きたい・・・。)

2点のうち、右側にあった木兎がこちら。

作品の一部


展示室7 


青磁二見香炉・銀製二見ヶ浦夫婦岩火舎
火舎:中川浄益(九代)作 香炉:明時代、火舎:明治時代
二見岩(拡大)
松竹梅瀧山水蒔絵広蓋 象彦(西村彦兵衛)製
明治〜昭和時代初期・19 〜 20世紀
象彦の作品もいくつか展示されていた
松竹梅と流水が本当に綺麗で見飽きない



そして衝撃の放屁の作品。

勝絵絵巻 室町時代・15世紀
おならで烏帽子が飛ばされてる!

この時代、烏帽子が落ちて頭が見えてしまうのも、とても恥ずかしいことだったらしく、おならと落冠という二大・恥ずかしいハプニングの組み合わせ・・・。
(なぜこれが描きたかったのか、描いた人に聞いてみたい・・・)

次の作品は人物部分を拡大して撮った。
夫が戦に負けて、奈良に逃れる常盤御前と子供達を描いたもの。
寂しげで心細い心情が伝わってくる・・・。

雪中常盤図  浮田一蕙筆 江戸時代・19世紀
(一部抜粋)

笠を被った女性が赤ちゃんを抱き、二人の子供と雪道を進んでいます。
赤ちゃんは後の源義経、女性はその母・常盤御前です。
義経の父が戦に負け、一家ともども命を狙われたため、奈良へ逃れているのです。
温もりを求めて母の笠の下に隠れる次男は、髪の長さから、まだまだ親に甘えたい年頃なのでしょう。一方で、皆を守るべく太刀に手を添える長男の姿はいじらしく、それを見つめる常盤御前の目もどこか、悲しげです。

三井記念美術館 作品解説より


そして、能面が5つ。

重要文化財
能面 三番叟(黒色尉) 伝 春日作 室町時代・14 〜 16世紀
「翁」という特別な演目に登場する神様の能面
重要文化財
能面 小面(花の小面) 伝 龍右衛門作 室町時代・14 〜 16世紀
最も若い女性を表す女面
重要文化財
能面 蛇 室町時代・14 〜 16世紀
般若よりさらに獣性が増しているのが特徴
重要文化財
能面 顰( しかみ)伝 赤鶴作 室町時代・14 〜 16世紀
「羅生門」「土蜘蛛」などに登場する鬼の面として用いられる
重要文化財
能面 痩女 伝 日氷作 室町時代・14 〜 16世紀
女性の幽霊「砧」「定家」などの亡霊役に用いられる

展示室出口からエレベーターまでの間


いろんな展覧会の紹介があった。

行きたい展覧会も多くあったけけれど、首都圏ではなく行けなさそうで本当に残念・・・。

こちらの桑名市博物館。


こじんまりとしながら、いい展示をしている。
気になるものがあるときは見に行っていた。

この千羽鶴、繋がっているのだ・・・!
見に行きたい・・・。

桑名には、特別な連鶴(れんづる)が伝承されており、「桑名の千羽鶴」と名付けられ、桑名市の無形文化財に指定されています。
義道(ぎどう)は、これらの連鶴の折形(おりかた)を完成させるのに18年の歳月を費(つい)やしており、そこには従来(じゅうらい)には無い変化に富んだ鶴を作りだそうとする義道の意志が感じられます。
連鶴の折り方は1797(寛政9)年に刊行された『千羽鶴折形』という書物に記されています。この本では、49種類の折り方が紹介されています。長円寺(ちょうえんじ)(桑名市)の住職 魯縞庵義道(ろこうあんぎどう)によって考案された非常に貴重な資料で、折紙の書物として刊行されたのは世界最古と考えられています。
連鶴は2羽から最高97羽の鶴を、1枚の紙に切り込みをいれるだけで幾重(いくえ)にもつないでいく方法で折ることできます。
2014(平成26)年秋『素雲鶴(そうんかく)』という資料が、同じく長円寺より発見されました。この『素雲鶴』は『秘伝千羽鶴折形』の原典とされ、1793(寛政5)年記述の連鶴の展開図(てんかいず)が1枚の美濃紙に書き込まれていました。

https://www.city.kuwana.lg.jp/hisyokoho/kosodatekyouiku/kidspage/senbaturu.html
先日の皇居三の丸尚蔵館でも見事な作品があった並河靖之の七宝
ここはリピートしていた記念館。京都の東山駅からすぐ。
楽美術館
ここは見応えがあって、また行きたい。
右側 ときめきの髪飾り
先日行った奥多摩の美術館が閉館して、京都の細見美術館で見ることができる
右側 出光美術館(前売り購入済) 8月に行く予定
左側 迷い中(昨日三井記念美術館かこちらを迷っていた)


長々書いていたら、4,500文字を超えてしまった。

とても満足して、もう一回行ってもいいくらい。

ちなみに三井記念美術館の次回展覧会は、こちら

美術館サイトより転載

やっぱり週末だけでは、行きたい美術館が追いつかない。。

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