【音源レビュー】ANOREXIA NERVOSA - Drudenhaus

燃え上がる…邪悪な…ハウス!

フランス産シンフォブラックの2枚目フル。

大仰なシンセ/ストリングスが乱舞し、厳かなピアノやチャーチオルガンが響き渡る悪魔の調べ…全編を通して退廃的な雰囲気を醸している素晴らしいアルバム。

voは言葉多く叫びまくる壮絶な喚きでダァァァァァァとかヴァァァァァァとかとにかく強烈。ブラックメタル屈指の絶叫だと思う。喚きの他、フランス語で朗々と歌い上げたりクリーン(というにはやや微妙だが…)で悲哀たっぷりな歌声を披露したり、ミックス面では若干パンが左右交互に振られてひとりでを掛け合いをしているように聴かせていたりと、ヴォーカルアレンジメントはかなり凝っている。

ドラムはブラストやスラッシュビート満載で過激なのだが音圧MAX仕様のため、スネアとバスドラが引っ込みがちなのが少々残念。特に音が重なってうわ物が厚くなる部分ではほぼ埋もれている。ただその分ストリングスやヴォーカルにフォーカスが当たることでド派手なサウンドを体現しているのでシンフォブラックとしては良好なプロダクションと言えるだろう。

ギターはトレモロとノイジーなコード弾きのベーシックなブラックメタルリフで、曲によっては泣きのツインリード的な主張があったりギターソロも存在するが、基本的にはギターどうこう言うよりはアンサンブル全体の音を浴びるような聴き方が適していると思われる。

極めて荘厳、かつわかりやすい過激さが満載で聴きどころが多いのでDIMMU BORGIRやCRADLEなどからシンフォブラックに入った初心者にも非常にオススメできる。さあみなさんもご一緒に、さぁぁぁぁんまぁぁぁぁんいぇぇぇぇぇぇん!!!(絶叫)

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