【音源レビュー】DEATHSPELL OMEGA - The Synarchy of Molten Bones

終末を告げるブラスが鳴り響く…

フランスの真正派、アヴァンギャルド/プログレッシヴブラックメタル6thアルバム。4曲入りで30分に満たない作品ですがEPではなくフルアルバムの位置付けらしいです。

ギターリフは極めて混沌としていて、クリーンとクランチの中間くらいのカラッとした歪みのギタートーンで奏でるアルペジオは不穏かつ不気味。彼らの特色である拝みたくなるような荘厳パートは少な目かと。
ブラストとスローミドルを複雑に組み合わせたドラミングはエクストリームそのもので聴き手を突き放すほどの苛烈さを誇ります。
Voはがなり中心でブラックメタルとしてはややピッチは低めで迫力があります。その他、奇声を発したりうめき声を出したりとFUNERAL MISTのAriochと同様に個性的なタイプです💯

この作品のポイントは複雑でありながら極めて音楽的に終末感が表現されている点で、リフやメロディー、リズムはキャッチーと言っていいほど印象に残ります。正直テンポや拍子がよくわからないところが多いのですが、アクセントがわかりやすいフレーズが散りばめられているためかスムーズに楽曲に没入することができます。短いパッセージの組み合わせやテンポチェンジでフレーズを構築していく点は昔のブルデスライクな感じだなと個人的には思ったり。

DEATHSPELL OMEGAはストイックかつ、非常に高いレベルでブラックメタルという音楽を追究する数少ないバンドだと思います。4th以降の路線と同じく今作もブラックメタル特有の冷たさや寒々しさは希薄で、世界の破滅を思わせるどす黒い瘴気を纏ったサウンドが持ち味。オススメ!🎺

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?