「一番好きな映画は何?」って質問への万能アンサーを考えねば (毎日投稿36日目)
こんばんは。映画監督の武内剛です。
アタクシの初監督ドキュメンタリー「Padre」を世に出す為の毎日ブログでございます。
こないだとある飲み会で、ある男性から、
「武内さんの一番好きな映画って何?」
って聞かれたんですよ。
周りには他にも人がいる中でのグループトークみたいな感じだったんですが、ここでアタクシは、
「うーん、、Clockersかなぁ」
と答えてしまったんですよ。
でも、この回答は残念ながら万能じゃないって事に気がつきました。
というのも、そのグループトークをしていた人の中で誰1人として、「Clockers」を知らなかったんで、話もさほど盛り上がらず、アタクシがただただ「Clockers」の説明をして終わるっていう。。。
高校生の頃、ヒップホップにどハマりしていたアタクシは、俗にいうブラックムービー(アフリカ系アメリカ人の若者の現実を描いた映画のジャンル)のVideoを借りまくってて、色々見たんですが、その中でも一番好きだったのが、スパイク・リー監督のClockersなんです。ゲットーに住むアフリカ系アメリカ人の少年が、ひょんな事から犯罪に巻き込まれていく様を描いた作品なんですが、全体的に儚い陰鬱な雰囲気が好きで、少年時代のアタクシはVHSテープが擦り切れるほど何度も観ました。
10代の時に味わった衝撃って凄まじいから、その後20代、30代になってから色んな作品に会うんだけど、やはり10代の時の初期衝動を超えてこないじゃないですか? これが映画マニアの集いとかだったら、例え「Clockers」を観てる人がいなかったとしても、監督がスパイク・リーだとか、プロデューサーがマーティン・スコセッシだとかいう流れから色々話が膨らむんでしょうが、一般的な日本人でスパイク・リー監督を知ってる人は少ないと思います。
「スパイク・リー? 中国人の監督?」って返ってくるでしょう。
あの場は絶対に、
「一番好きな映画? ゴーストバスターズ!」
とか、
「タイタニック!」
「ホームアローン!あれをクリスマスにピザとコーラ片手に観るのが最高なのよ!」
とか、誰もが観たことがある映画で、かつそれを題材に話が盛り上がるアンサーを返すべきだったと、、、後悔しました。
まぁ、嘘ついちゃダメかもしれないけど、誰もが共通に理解してる後者の方が良かったな、と。
そう考えると、何気ない飲み会の場にも、セールスやセルフプロモーションのヒントが転がってますね。
というのも、アタクシは今、来る海外映画祭授賞式でスピーチをする日に向けて、英語を毎日勉強しておりましてね。(まだ朗報は届いてませんが、出品は続けております)
もしそうなった場合、Q&Aで
「監督、なぜこの作品を作ったんですか?」
っていう質問と同時に
「影響を受けた映画監督は誰ですか?」
「好きな映画は何ですか?」
ってのも英語で絶対聞かれると思うんです。
その時に、さっきの飲み会でのアタクシみたいな独りよがりの回答をするんじゃなくて(決して悪い事じゃないけど)、
「My favorite film is Seven Samurai by Akira Kurosawa!! 」
とか、おそらく海外の映画好きなら知っているような作品で答えて、そっからどう影響されて、自分の作品作りに至ったか、っていう説明をした方がお互いの為に良いと思いました。
「By the way, I call myself "Black Samurai"!」
とか畳み掛ければ、一笑い取れるかもしれませんしね。
ベストは回答を数パターン用意しとく事かな。
万人受けするパターンと、玄人用アンサーと。
でもそもそも、そんなに映画を沢山観てこなかったんで、今からストックを増やしておかないとって感じですね。
令和五年三月四日 武内剛
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