野球の審判も第三者に評価される制度を
9月14日のヤクルトVS中日戦の9回に判定に混乱があった件で、審判団がヤクルト側に謝罪したというニュースがありました。
中日-ヤクルトの判定混乱 審判側がヤクルトに謝罪「一塁アウトの思い込み」が起因(Yahooニュースより)
ヤクルトが優勝争いをしている中での誤審はヤクルト側としては納得できないのもわかります。明らかに2塁塁審は京田選手がボールを保持したまま、セカンドベースを踏んだプレーを目視していたことは映像で明らかであるにも関わらず、「確認できなかった」と嘘をついていたであろうことが明らかになっています。
こういう時に、必ず言われるのは「審判の威厳」です。現在はチャレンジ制度があり、映像検証で判定が覆ることが普通にあるのですから、「審判の威厳」という考え方自体が時代遅れではないでしょうか。
ここで参考にするべきだと思うのが、Jリーグの取り組みです。DAZNというスポーツの定額配信サービスの中で「Jリーグジャッジリプレイ」という配信番組があります。
この番組は前節のJリーグの試合の中で視聴者が「誤審では?」と気になったシーンを選出して、その判定について議論をするという番組です。元審判の方や審判インストラクターのゲストの方レギュラーのとDonDokoDonの平畠氏と日本プロサッカーリーグ副理事の原博実氏がその判定について議論するという番組です。
ゲストの方は週替わりですが、どなたも審判側の人物です。そんなゲストが取り上げた判定に対して、堂々と「私は違う判定です」と言うこともあるのです。立場を越えてルールブックに基づいて、堂々と議論を交わして検証していく良い番組です。
この番組を見ていれば、審判は一瞬の中でいろんなことを考えて判定を出していることが分かり、本当に大変なんだなと思います。プロ野球の審判のように、「審判の威厳」などと謳わなくても、審判に対するリスペクトも自然と生まれてくるのです。
このような視聴者参加型の判定検証番組をプロ野球も取り入れてはどうでしょうか。今回のような誤審に付いて、公平な立場でルール解説を行った上で、間違いも含めて率直に議論をしていくような番組をつくれば、審判のレベル向上だけでなく、審判へのリスペクトの気持ちも自然に育っていくのではないでしょうか。
サッカーはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入され、判定が覆ることや、ビデオで判定を検証することが当たり前になってきています。プロ野球もリクエスト制度を導入して、同じように判定が覆ることが普通にある環境が出来てきています。
プロ野球もサッカーと同様に審判が間違いを率直に認めるような環境になれば、レベルも向上していくのではないでしょうか。プロ野球も「Jリーグジャッジリプレイ」のような検証番組を作ることを提案します。