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India pt.2  聖なる川へと続く階段の街 ヴァラナシ

みんな元気?調子どお?

ここはヴァラナシのガンガー最大の火葬場、マニカルニカーガート。聖なる川への階段という意味の場所のようだ。
多くのヒンドゥー教徒にとっては最も神聖な場所の一つ。
毎日200人くらいの人がここで火葬され肉体から解放された魂が涅槃に辿り着けると信じられているところ。その遺灰はご存じの通りガンガーにて流れてゆく。

夜のガンガー


ローカルのおばちゃん曰くこの荼毘は3000年絶えず燃え続けている。
俺はその葬式の一部始終を目撃し人間の最期に肉薄した。

マニカルニカーガートの荼毘


ヒンドゥー教徒にとって魂の解放とは即ち、使い古した身体から抜け出すこと。
尸衣に包まれた遺体はガンガーにて洗い清められ、マニカルニカーガートの所定位置に備えられる。
死は伝染すると考えられているので遺体に触れる作業を行うのは下級カーストの人のみとなる。


おばちゃん#優しい#うそつかない

老い病んだヒンドゥーの人々はヴァラナシのガンガー沿いにあるホスピスにておしゃべりしたりゲームをしながらその時を待つ。彼らにとって死ぬという事は汚くなった服を脱ぐイメージに近しいらしい。なのでマニカルニカーガートには悲壮感がない。

葬儀のプロセスとしては、家族によって清められた遺体が完全に乾くと遺族が購入した白檀?の薪の上にて火葬される。この時女性は悲しみに声を上げるという理由で伝統的に葬儀には立ち会えないそうだ。
ただ参加している男たちは声を上げずに静謐な涙を流していた。

荼毘が魂を浄化し、火葬が済むとガンガーの水で最期の炎は消される。嫌な匂いがしない事を尋ねると、ムスクの粉を髪の毛にふりかけているそうだ。
頭蓋骨が砕けた事が魂の解放になるとこいうことで、竹の棒で頭部を砕き遺灰はガンガーの聖なる流れに融合していった。対岸ではマーケットが開かれ鳥は円を描いて飛び、ラクダは砂地を歩いていた。

ガンガーの夕焼けは残酷的に美しく、玉色の斑猫の様な輝きだった。記憶の囲炉裏に残しておく。
その正体は聖人も罪人も家畜も老若男女全てをつつんで穏やかに流してくれるという概念だった。俺はそれを見てこの流れがやがて出会う大海と交わることが少し悔しいと感じた。
俺は生きるとか死ぬとかの本質が知りたい。

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