チームの目指す先を照らし続ける

はじめに: 自分がボトルネック

最近、明確に困っていることがある。自分がチームや組織のボトルネックになっていることだ。

自分のタスクマネジメントが崩壊しているせいで、やりますと言ったタスクを放置してチームのコミットメントに対する基準を下げている。そして設計指針を示さず、レビューもちゃんとしないでマージしたコードのせいで、開発チームを混乱させている。

このままでは組織で"アートワーク"できない。
そして"アートワーク"じゃなきゃ楽しくない。

失敗の経験

正直これまで何度も「じゃあ16時間働けばええやん」と思ってきたし、何回も挑戦した。しかしそれは止める。今度こそ、止める。

11月初旬のプロダクトレビュー前夜に徹夜を試した結果、

  • 大した進捗を生まなかった(予想の1/3もチケットを消化できなかった)

  • その後、3倍くらいの時間を体調不良で溶かした

からだ。毎回働く時間に頼っては失敗している。

限られた時間

働く時間を伸ばせないなら、限られた時間で成果を出さなければならない。CTOに求められる成果は企業のフェーズによって異なるが、今の自分に求められる成果は、チームが120%のパフォーマンスを出せる指針作りだ。ここまでの数か月で、もう僕一人がチケットを消化するよりチーム全員が迷う時間を減らす方がよっぽど効率が良いと思い知らされている。

今度こそ、僕がコードを書けば何かが改善する時代は終わったのだ。そして、それはとても誇らしいことだ。

良い指針

良い指針は、たった数文字で絶大な効果を発揮し、チームや組織の文化を変える。

僕は『インセプション』という映画が大好きだ。他人の夢に入り込み、その人にアイデアを植え付けることで行動を変えるハッカー集団の話だ。彼らは、たった1行の文章で他人の未来を変えてしまう。

https://www.youtube.com/watch?v=5EiV_HXIIGs

今自分が求められている行動は(双方合意のうえ、という前提つきで)『インセプション』に描かれているのと同じことだと思う。

指針を示す方法

大抵の場合、指針は簡単なドキュメントや図で示される。
たとえば、企業のミッションがそうだ。
様々なフレームワーク(リーンキャンバスとか)も、それを使う人に暗黙に特定の行動を促す。

でも僕はプログラマーだ。指針は、ソースコードでも見せられる。

実際、数日前にプロダクトの小さなリファクタを行う50行くらい(うち40行はインデント調整なので、有効な差分は10行くらい)のプルリクを書いて、開発チームにマージしてもらった。このプルリクは今後、参照実装となってプロダクトのアーキテクチャを安定させてくれるはずだ。

ラブリーなチームの条件

当たり前だが「かくあれ!」という信念を見せることはCXOの特権ではない。生きるすべての人が持っている権利だ。

そして、僕が作りたいラブリーなチームのひとつの条件は、チームメンバーの信念をマージする準備をし続けるチームだ。

つまり

CXOを拝命している自分の今の使命は、組織の目指す方向を示すことだ。そして、その方法はいろいろある。

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